クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

264話 一緒がいい

 竜斗side
 今は、魔法練習を終えてクロムの部屋でゆっくりしているところだ。だが、急にシェレールが立ち上がり俺の方を真剣な表情で見つめてきて
「旦那様……お話があるので今日はそろそろお暇したいのですが……」
「話?ここじゃ話せないのか?」
「はい、二人っきりで話したいので。」
「………分かった。クロム、レーネ、今日はこれくらいでお暇するよ。」
「……うん……じゃあね……」
「ばいばい、竜斗。」
「ああ、じゃあな。レーネ、明日もあの練習をするから覚悟しておけよ。」
「ま、またっ!?」
 レーネの嫌そうな声を聞いて俺とシェレールは部屋を出て行った。
 俺の部屋に戻る際、一言も話はしなかったがシェレールは、俺の腕をぎゅっと握って離さなかった。
 部屋に戻り一旦椅子に座って俺は、シェレールに問いかけた。
「それで、話ってなんだ?」
「…………旦那様、正直に答えてください。…………………………私、めんどくさいですか?」
「……………は?」
 な、なんだ、急に?
 シェレールは、今にも泣きそうな顔をして俺にそう尋ねてきたが尋ねられた俺の方はすっかり呆気に取られてしまった。
 まさか、そんな質問が来るとは思わなかった。
「………俺がシェレールをめんどくさいと思ってるかって?な、なんで急にそんなこと聞くんだ?」
「………………今日、クロムと魔法の練習後に話をしてそれで………私は、竜斗に執着しすぎみたいなことを言われて……このままじゃ嫌われるって………だ、旦那様!私の事、嫌いにならないでください!」
「………………はぁ、なんだ、そんな事か。」
 俺は、話の真実が分かりため息を吐く。
「そ、そんな事って………わ、私、真剣に考えて……旦那様が本当に嫌なら少しの間、離れる覚悟も来てきたんです!」
「…………なぁ、シェレール、俺が本当に嫌なことってなんだと思う?」
「え?だ、旦那様が本当に嫌なこと?ですか?えっと………その………私に付きまとわれることでしょうか?」
「はい、間違えです!」
「え?ち、違うんですか!?な、なら、なんですか?」
「俺が本当に嫌なのは………シェレールが俺から離れること。」
「え?」
「俺は、シェレールと離れてるときがすごい苦痛の時間だ。このごろ、ずっと一緒にいるのが当たり前だけど……だからこそ、離れたらすごい寂しい。シェレールは、違うのか?」
「そ、そうです!私も旦那様とは離れたくありません!………旦那様も私とは離れたくないんですよね?」
 シェレールは、少し頬を緩ませて言ってきた。
「ああ、もちろん。だから、俺に変な気を回さなくていいよ。」
「は、はい。………余計なお世話みたいでしたね。」
「でも、ちゃんと俺のことを考えてくれていたなんてすごい嬉しいぞ。」
「えへへ…でも、私、毎日どんな時でも旦那様のことは考えていますよ。」
「ははっ、ありがとう。…………なぁ、シェレール、逆に聞くけどシェレールは、俺なんかとずっと一緒にいていいのか?もっと自分の時間が欲しいとかないのか?」
「ありません。」
 シェレールは、俺が尋ねると即答した。
「ははっ、キッパリ言えるんだな。」
「もちろんです!私、旦那様以外には全く興味ありませんから!」
「そ、そう言ってもらえるのは嬉しいけど………でも、本当に辛くなったら言ってくれよ?」
「………旦那様?私が旦那様と一緒にいて辛いとでも思うんですか?疲れると思うんですか?私は、旦那様一筋だといつも言ってるでしょ?…………もしかして、旦那様は私と一緒にいて辛いのですか?」
 シェレールは、瞳に光を失っている。ガチでキレている時のシェレールだ。こういう時は下手に弁解するよりもはいか、いいえで答えた方がいい。
「いや、違うぞ。俺もシェレールといて辛いと感じたことなんて一度もない。」
「…………そうですよね!えへへ、良かったです。旦那様が急におかしなことを言ってきたので少し驚きました。」
「は、ははっ、ごめんな、驚かせて。」
 シェレールの瞳にちゃんと光が戻りとても可愛らしい笑顔を向けている。
「あ、そうです!旦那様、今度、クロムとレーネちゃんを誘ってどこか出掛けてみませんか?」
「クロムとレーネを誘って?………ん〜、それはレーネがちょっと厳しそうだけどな〜。」
「大丈夫です!人のいない山とかに行けばいいんです!」
「街とかじゃなくていいの?」
「はい!ピクニックとかしたいです!」
「分かった。クロムの方はたぶん大丈夫と思うからレーネの方に少し話し合って決めてみるよ。あ、でも、レーネが行きたくないって言ったら俺たちは……」
「もちろん行きません。レーネちゃん一人を置いていくわけには行きませんからね。」
「ああ、そうだな。」
 ピクニックか〜。そういえば俺、そんなことしたこと無かったな。前の世界じゃピクニックに行ける状況じゃなかったからな。
「でも、急にピクニックに行きたいなんて言ってどうしたんだ?」
「……えっと、その……この頃、クロムやレーネちゃんにはよくお世話になってますから……その、旦那様と二人っきりでピクニックに行くのもすごい楽しそうなんですけど……今回はこの4人で行きたいんです!」
「そうだな、確かにお世話になりっぱなしも悪いしな。それにこの頃魔法の練習ばっかりだし偶にはみんなで出掛けるのも楽しいだろうな。それに息抜きになるし。それじゃ、今週末に行くとでもするか。」
「はい!お弁当作り頑張らなくちゃいけませんね!」

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