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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

255話 練習終了後

「よし!今日は、ここまでだな。」
「ハァハァ……や、やっと終わった……」
 俺とレーネは、あれから数時間みっちりと魔法の練習をした。
 練習を終えるとレーネは、地面に尻もちをついて肩で息をする。
「ははっ、大丈夫か?」
「ハァハア……ぜ、全然……大丈夫じゃないわよ……」
「ん〜……でも、今日は、初めてだから結構優しめだぞ?」
「……う……うそ……」
 レーネは、俺の言葉を聞いて絶望的表情をした。
「ははっ、これから毎日練習だからな。」
「う、うぅ……死にそう……」
「大丈夫、大丈夫。いつかは慣れるから。」
「でも、慣れたらもっときつくするんでしょ?」
「そりゃもちろん。」
「はぁ……本当に死んじゃうんじゃないかしら。」
 レーネは、これからの練習を想像して項垂れていた。
「………本当はもう少し緩くする予定だったんだ。」
「え?」
 俺がぽつりとそう呟くとレーネは、急にそんなことを言われて少し呆然とする。
「いきなりこんな練習をさせるほど俺は鬼じゃないよ。」
「でも、させたじゃない。この鬼、鬼畜。」
「……だってレーネのお願いを聞いたらそりゃ鬼にでもなって鍛えるよ。俺だってレーネと一緒に旅をしたいからな!」
「っ!………そ、そう……ま、まぁ、私がお願いしたんだから文句言わずにちゃんとやらないとね。竜斗、明日もお願いね!」
「ああ、任せろ!」
 俺とレーネは、お互いに、明日も頑張るという意思を持ってシェレールたちの元へ行った。
 歩くこと数分。俺とレーネは、今さっきまでシェレールとクロムが魔法の練習をしていたであろう場所に着いた。そこは……なんというか酷かった。
 地面には攻撃魔法の跡が残り、その場にシェレールが突っ伏していてクロムが誇らしげに腕を組んで立っていた。
「しぇ、シェレール!?」
 俺は、シェレールの側まで行きシェレールを抱きかかえた。
「だ、大丈夫か?」
「だ、旦那様……すいません。」
「ちょっと、待ってろ!」
 俺は、急いでシェレールに回復魔法をかける。するとシェレールが淡く光今さっきまでついていた傷が全て消える。
「……ふぅ、旦那様、ありがとうございました。」
「………これはクロムが?」
「え、あ、いや……その、なんというか……練習の成果です?」
「なぜ疑問系なんだ?……ったく、どんな練習をしたんだよ、クロム。」
「……ただの……実践……一対一の……真剣勝負……」
「じ、実践っていきなり……さすがにそれは鬼過ぎじゃないか?」
「……竜斗が言えないわよ。」
 隣から小さな声でレーネが突っ込んできた。
「いや、でも、レーネ、いきなり実践なんてしたらそれこそ本当に死ぬかもしれないぞ?」
「え……」
「まっ、そんなことより……クロム、もう少し手加減してくれ。クロムとシェレールじゃ力の差が大きすぎる。」
「……う〜ん……でも……実際に……魔法を……食らった方が……効果が良い……」
「そうなのか?」
「……うん……安心して……ちゃんと……死なない……程度には……力……抑えてる……」
「う〜ん……でもなぁ……」
 シェレールの身を考えると止めさせるべきかな。
「やっぱり………」
「大丈夫です!」
 俺がクロムに止めてもらうように頼もうとした瞬間、シェレールが俺の言葉を遮った。
「大丈夫ですから。どんな練習でも耐えてみせます。」
 シェレールの瞳や表情は真剣そのものだった。
「………分かった。……クロム!これからもシェレールをよろしくな!」
「……うん……分かった……」
「よし!それじゃ、一旦戻るか。」
 俺は、そう言って帰るためのゲートを開いた。
 それから俺たちは、元の世界へ戻りクロムの部屋でゆっくりと体を休めた。
「……竜斗……ちょっと……いい?」
 俺が座って休んでいるところにクロムが寄ってきてそう尋ねてきた。
「どうした?」
「……シェレールと……レーネを……二人っきりに……させてみたい……」
「ん〜……あ〜、まぁ、そうだな。今日、言葉を交わしたのは結局最初の挨拶だけだったからな。」
「……うん……だから……なんか……理由つけて……部屋を……出よ……」
「そうだな。」
 俺は、クロムの提案に乗りどんな理由にするか考えつき、シェレールたちに向かって話す。
「シェレールとレーネは、今日疲れただろ?せっかくだから今日は、食堂のご飯じゃなく俺が作ったご飯を食べてもらおうと思うんだけどいいか?」
「旦那様のご飯ですか!はい!いただきたいです!」
「私も食べたい!」
「よし、それなら今から食材買ってくるから待ってて。……クロム、手伝ってもらえるか?」
「……うん……分かった……」
「ま、待ってください!旦那様!なんでクロムなんですか!?私もいますよ!?」
「シェレールは、今日の練習で疲れてるだろ?だから、ゆっくり休んで欲しいんだ。」
「う〜……でも、旦那様とクロムが二人っきりって……クロムが何かしないはずがないんです……」
「むっ……もうちょっと……信頼……してほしい……」
「人の彼氏を奪おうとしている人を信頼してほしいというのはちょっと……」
 まぁ、確かにシェレールの言い分もわかる。
「シェレールが心配に思う気持ちも分かるが逆に俺だってシェレールのことが心配なんだ。」
「う、うぅ……で、でも……分かりました。………でも、旦那様、もし何かあったら約束を破ったこととなりますからね?二人っきりで出歩くのもギリギリなんですから。」
「わ、分かってるよ。大丈夫だって。」
「……竜斗……そろそろ……行くよ……」
「あ、ああ。じゃあな、シェレール、レーネ。」
「「……行ってらっしゃい……」」
 二人とも、何故か訝しげな表情で俺たちを見送った。
 さて、これで二人の仲が良くなってくれるといいな。

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