クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

254話 願望

「………す、すごいです……」
 シェレールは、俺たちの魔法の練習を見てそう呟いた。
 まだまだ始めたばかりでこんな準備体操程度の魔法で驚かれているとこの後、大変かもな。
「………シェレールも良かったら一緒に魔法の練習する?」
「い、いいんですか?……で、でも、私、みんなについていける自信ありませんよ。」
「それなら俺が………」
「……それなら……私が……教えて……あげる……」
 クロムは、俺の言葉を遮ってそう言った。
 クロムが率先してシェレールに教えてあげるって……いつの間にそんなに仲が良くなったんだ?まぁ、二人が仲良くやってくれるなら俺としては嬉しいからいいか。
「なら、俺は、レーネに教えるからクロム、シェレールの方は任せてもいい?」
「……うん……大丈夫……任せて……」
「それじゃ、レーネ、俺たちは、もう少しあっちの方に移動するか。」
「え、ええ……これから二人っきりで練習するのよね?」
「ん?ああ、そうだが……俺と二人っきりは嫌だったか?今ならクロムと代わってもらえるがどうする?」
「こ、これでいい!大丈夫!二人っきりでも!」
 レーネは、少し食い気味で俺にそう言い寄った。
「そ、そうか?分かった。」
 俺たちは、少し駆け足でシェレールたちから離れた。
 なんで駆け足かって言うともう二人が練習を始めていて爆発音があちこちから聞こえて危なかったからだ。
 ………あんな練習、シェレールにはキツすぎると思うのだが………ま、まぁ、そこはクロムを信じよう。
 爆発音がだいぶ遠くなったところで俺たちは、足を止めた。
「さてと、ここら辺でいいかな。」
「ええ、そうね。」
 さてと、どんな練習からしようかな……レーネの魔法の実力は前のリライトの調査の時に分かってるから………
「確かレーネって攻撃魔法が得意だったよな?」
「ええ、そうね。支援系とか使ったことないし。」
「そ、そうだよな。それじゃ、まずは攻撃魔法の威力上げと精度を身につけようか。」
 調査の時にクロムと一緒に戦っていたからどうしてもレーネとクロムを比較してしまいレーネには魔法の威力も精度もクロムよりも人段階下回っていることが分かる。
 まぁ、それでも十分に強いと思うが。
「それじゃ、まずは威力上げから始めようか。」
「でも、威力上げって言っても多く魔力を込めればいいだけでしょ?」
「う〜ん……魔力を多く込めると言うよりは魔力をより早く体の中で循環させたらいいだけだよ。だから、そこまで魔力は使わないんだ。」
 まぁ、これは俺のやり方で他の人はどうなのかは知らないが。
「魔力を体の中で循環させる……こ、こうかしら。」
 レーネは、俺の言ったことを意識てして魔力を体の中で循環させている。
「レーネ、もっと早く。」
「も、もっと?」
 レーネは、さらに魔力を循環させる速度をあげる。
「まだまだ!」
「っ!」
「もう少し上げろ!」
「んんーっ!」
「………うん、それくらいでいいよ。」
 俺がそう言うとレーネは、魔力の循環を止めて地面に両手を着いて肩で息をする。
「ハァハァ……つ、疲れた……」
「その感覚を忘れるなよ?魔法を撃つ時はあれくらいの速さでやれば俺と同じくらいの威力が出ると思うから。」
「う、うそ……あんな速さをあんたは平然とやってるの……」
「まぁな。そりゃ最初は俺もキツかったけど慣れれば辛くないよ。だから、毎日これを最低一日三回やるからな。まっ、今日は初めてだから一旦休憩をとるか。」
「そ、そうしてくれると嬉しいわ…」
 レーネは、そう言って地面に座り込み息を整える。
「ほら、レーネ、水。」
 俺は、アイテムボックスに入れていたコップに魔法で水を注ぎレーネに渡す。
「あ、ありがと……んっ……」
 レーネは、その水を勢いよく飲んでいく。そんなにあの練習がキツかったのか。
「レーネ、やっぱりキツイ?」
 俺は、水を飲み終わり呼吸もだいぶ安定してきたレーネにそう尋ねた。
「そりゃ、キツイわよ。」
「………あんまり無理すんなよ?」
「するわよ。」
「え?」
「無理くらい普通にするわよ。倒れたっていい。魔力をすべて使っても構わない。それくらい覚悟は出来てる。」
「………どうしてそんなに頑張るんだ?」
「………だって……竜斗…ここから居なくなるでしょ?」
「っ!」
「………クロムから竜斗は、旅をしてここまで来たって言ってたからいつかはここも離れるんでしょ?」
「………ああ、そうだな。」
 まぁ、そうと言っても二人がちゃんと外に胸張って歩けるまでは一緒にいるつもりだけどな。
「……竜斗…お願いがあるんだけど……」
「お願い?」
「りゅ、竜斗が旅に出る時、あたしも竜斗について行きたい!」
 レーネは、一生に一度のお願いと言わんばかりの表情をしていた。
「………レーネ、言っておくけど俺たちは、色々なところに旅に行ってそれで色々な人に会うんだぞ?レーネが今の状態のままならついて行かせることは出来ない。」
「っ!……わ、分かってる。」
「………なら、俺とレーネで二人っきりで街を普通に歩けるようになったら一緒に旅に出よう。俺と一緒に街を探索する。それが旅に連れていく条件だ。」
「りゅ、竜斗と一緒に街を……〜っ!わ、分かった!頑張る!私、頑張るから!」
「よし!その意気だ!…………ところでなんでこの魔法の練習を俺たちが旅に出るっていう理由でやってるんだ?」
「だって、一緒に旅に出て役に立たないのは嫌だもん。せめて、足を引っ張らない程度に頑張りたい。」
「…………あ、ああ、そうだな。」
 レーネの魔法の力は、俺たちの仲間の中に入ったら俺の次に強いのだが………まぁ、せっかくやる気になってるし黙っておくか。
「さてと、休憩もここまでにして練習再開するぞ!」
「ええ、分かったわ!」

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