クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

252話 お説教

「しぇ、シェレール、そろそろ足が痛いんですけど……」
「はい?なんですか?」
「いや、だから……足が……」
「なんですか?」
「………いえ、なんでもありません。」
 俺は、食堂からシェレールに無理やり連れ戻され部屋に入った途端、正座しなさいと言われたのでその場に座り込んだ。そして、今、シェレールがそんな俺の膝の上に乗り数十分が過ぎている。
 なんのお説教もなくずっとこのままなのである。そろそろクロムの部屋にも行かないといけないから……仕方ない、ここは演技でもして誤魔化すか。
「しぇ、シェレール、さすがにもう足の限界が……」
「それじゃ、クロムの部屋には行けませんよね?だって、足が痛いんですよね?」
「うっ、い、いや、少し、時間が経てばすぐに治ると思うんだ。だから………」
「治させるわけないでしょう?」
「っ!」
 シェレールは、ニッコリと笑ったまま俺にそう告げた。う、うぅ、この時のシェレールがどんな敵よりも一番怖いんだよな。
 だけど、レーネと約束はしてあるんだ。ここはしっかりと話せばシェレールなら分かってくれる!
「シェレール、聞いてくれ。」
「はい、なんですか?」
「俺は、昨日、レーネに魔法の練習をしてあげるって言ったんだ。今さっきまで忘れていたけど……でも、約束はちゃんと守りたい!だから、シェレール、頼むから俺をクロムの部屋に行かせてくれないか?」
「知りません。」
「………え?」
「だから、知りませんって。私は、旦那様がそんな約束したなんて知りませんでした。旦那様も朝から私とイチャイチャして約束を忘れてしまいました。これで大丈夫です。」
「え?あ、え?や、約束を破るのは……」
「それなら私とした約束はどうなるんですか?」
「シェレールとした約束?」
「私、付き合い始めた時に言ったはずなんですが……私以外の女性と過度な接触はしないでくださいって。」
「あっ………で、でも、あれは過度な接触じゃない……」
「抱きしめてあげたりするのが過度な接触ではないと?」
「うぐっ……」
 シェレールは、俺の方を向き体を押してその場に倒された。
「私が優しいだけの女とは思わないでくださいね?私、旦那様のためならなんだってする覚悟あるんですよ?」
 シェレールの表情はなんの冗談もついてないというものだった。
「私から旦那様を奪おうっていう女の部屋に何度も何度も行かせると思いますか?旦那様、私、そこまで優しくありませんよ?」
 シェレールは、そう言って俺の顔に自分の顔を近づけて俺の口内に舌を入れてキスをした。
 シェレールは、どこか必死になって俺とキスをしているように見えた。恐らく本当に俺が奪われるんじゃないかと心配しているようだった。
「………シェレール、ごめん。」
 俺は、シェレールを一旦離し謝った。
「………別に私は怒ってませよ?旦那様がずっと私と一緒にいてくれるなら私が怒る必要もありませんから。」
「………確かにそうだ。俺がこれからずっとシェレールと一緒にいれば問題なんてない。でも……ごめん。今日はレーネと約束があるんだ。確かにシェレールとの約束は破ったかもしれない。けど……その……都合がいいとは思うんだけど……今回の約束はちゃんと守りたい。」
「………………それは、私の約束よりもレーネちゃんの約束の方が大事だと言いたいんですか?」
「違うっ!俺って結構忘れやすいタイプなんだ。シェレールの約束だってレーネの約束だって今日、思い出した。思い出したならせめて俺は、ちゃんとその約束を守りたい。もちろんシェレールの約束も守る。過度な接触は控えるから。だから、今回は頼む!」
「…………ダメです。」
「………やっぱりダメか?」
「当たり前です。…………過度な接触は控えるじゃなくて過度な接触はしないって言ってください!」
「…………え?そっち?」
「……しないって言わないと行かせませんから。」
「っ!わ、分かった!しない!ぜったいにしない!」
「約束ですよ?もし、破ったらこれからずっと私のそばにいてもらいますからね?寝る時もお風呂もトイレだって。ずっと一緒にいてもらいます。」
 トイレもかぁ〜。さすがにトイレは、嫌だな〜。
「………分かった。」
「ふふっ、それなら行きましょう。」
 俺は、シェレールに手を引かれて部屋を出る。少し足が痺れていたがまぁ、歩ける程度だったので我慢した。
 ところで
「なんでシェレールも来てるんだ?」
「え?当たり前じゃないですか。さすがにもう一人であんな所に行かせるわけありませんよ。
「あ、あんなところって。……でも、部屋にはレーネもいるんだけど?」
「別に構わないじゃないですか。」
「だけど、あいつ、まだ人を怖がっていて……」
「旦那様、これからレーネちゃんをずっとそのままで居させる気ですか?」
「え?居させる気って?」
「だから、そのまま人を怖がったまま生きていかせる気ですか?と聞いてるんです。」
「い、いや、さすがにそうはさせないけど……」
「なら、私が手伝ってあげますよ。私は、旦那様の様子が見れてレーネちゃんは人を怖がらなくする練習ができて一石二鳥じゃないですか。」
「そ、そうなのか?」
「そうです!さっ、早く行きましょ!」
 な、なんかシェレールに上手く騙された気分だけど……まぁ、いいか。レーネにもそろそろ誰かと接触させようかと思ってたし。
 でも、さすがに今さっきのシェレールは怖かったな。

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コメント

  • ノベルバユーザー328077

    うん。うざい

    0
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