クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!
243話 誘い
食堂へやって来るといつもと同じようにクロムが俺たちのために席を開けていてくれた。
「悪いな、いつも。あと、おはよう。」
「……ううん……気にしないで……おはよう……」
「クロム、おはようございます。」
「……シェレールも……おはよう……」
クロムに挨拶を終えると俺は、クロムの隣にいるレーネにも声をかける。
「レーネ、おはよう。少しはこの生活にも慣れたか?」
「竜斗、おはよう。だいぶ慣れたわ。」
「そうか、良かった。偶には城の外にでも……」
「やだ!」
「そうだよな……」
レーネは、相変わらず外に出ようとはしない。このままずっとクロムの部屋で過ごさせるのも可哀想なんだよな。リライトの山に行ったことがあるから恐らく外には出れると思うんだよな。
う〜ん、どうしたものか。
「旦那様、考え事ですか?」
「まぁ、ちょっとな。でも………」
「気にしないでくれってそういうつもりなんですよね?」
シェレールは、俺の言う言葉を見透かしたかのようにそう言った。恐れ入ったよ。
「気にしないでくれって言われても気にしますよ。私の旦那様が悩んでいるならそれを助けるのが私の役目なので。」
「…………なら、頼ろうかな。」
俺がそう言うとシェレールは、にぱぁっと顔を明るくさせ元気に返事をした。
「はい!」
「それじゃあ、シェレール、質問してもいいか?」
「はい、なんでも質問してください!」
「もし、シェレールの友人に外が怖くて外に出れない人がいたらどうする?無理やりにでも外に出すか、それとも友人の思うようにさせるか。」
「そうですね………」
シェレールは、人差し指を顎に当てて考える。
「私なら無理やりにではなく外はこんな世界ですよって教えてから相手が行きたいと願ったら一緒に外に出ますね。」
「あ〜、外の楽しさを教える……かぁ。やったこと無かったな。今度試してみるよ。ありがとう、シェレール。」
「お役に立てたみたいでよかったです。それよりも旦那様、朝食の手が止まっていますよ。」
シェレールは、そう言って俺の皿の上にあった食べかけのパンを取り一口サイズにちぎって俺の口元に寄せる。
「ちゃんと食べないと元気出ませんよ。はい、あ〜ん。」
「ははっ、ありがとう。あ〜ん。」
俺は、シェレールにちぎってもらったパンを食べる。
「ふふっ、はい、次です。」
シェレールは、その後もパンをちぎっては俺の口元に寄せて食べさせる。
そして、いつの間にかシェレールのところには俺の朝食の皿が空っぽになっておいてあった。
「結局、全てシェレールに食べさてもらったんだが……」
「ふふっ、いい食べっぷりでしたよ。」
「シェレールの方は、もう食べ切ってるのか?」
「私は、旦那様が考え込んでいるうちに食べ終わりましたから。」
「くっ、いつの間に。」
俺とシェレールが笑いながらそう話していると隣にいたクロムから袖を引っ張られた。
「……竜斗……今日……私の……部屋に来て……」
「クロムの部屋?なんかあったのか?」
「……むっ……なにないと……竜斗を……誘っちゃ……ダメなの?」
「あ、いや、そういう訳じゃないぞ。分かった、この後行けばいいんだな?シェレールは……」
「……レーネが……いるから……」
「だよな……」
俺は、恐る恐るシェレールの方を向くと目を見開き俺を見ていた。その瞳には光がなくめちゃくちゃ怖かった。
「………シェレール……今日は俺、クロムの部屋に行くんだけど……部屋にはレーネがいるから……」
「はい、分かってますよ?私は、一人で大人しく旦那様の部屋でお留守番してますね?」
シェレールは、少し口調を強くしてそう言い放った。
そのシェレールには少し殺気すら感じられたのだが……
「……じゃ……シェレールの……許可も……でたし……この後……直接行こ?」
「ん……あ……あ〜、す、少し、部屋に戻って顔とか洗ってきてもいいか?」
本当は、少し、シェレールのご機嫌を宥めてないと帰った後、俺がどうなるか分からないからな。
「……ん……そういうことなら……分かった……なら……お茶とか……準備……してる……」
「ああ、ありがとう。それじゃ、俺は、部屋に戻るな。多分30分後には着くと思う。」
「……うん……待ってる……」
俺は、シェレールの手を引っ張りクロムとレーネに手を振って部屋に帰る。
そして、部屋に戻るといきなりシェレールが部屋の真ん中で正座をした。
「シェ、シェレール、どうしたんだ?」
「いえ、私は待ってますから早く行ってきてはどうですか?私は、ここでずっと待ってますから!」
シェレールは、待ってるという単語を強く強調してそう言い放つ。
今日は、すごい怒ってるな。
まぁ、確かに昨日デート行ったあとで他の女の子と会うのはシェレールとしては辛いだろう。もし、逆の立場だったら俺も怒りそうだ。シェレールが俺とのデート後に他の男と会うってなったら辛いな。
かと言ってシェレールをクロムの部屋に連れていくとレーネが怖がってしまうからな。もう少し慣らせてからじゃないと。
「シェレール、確かにお前の怒る気持ちもわかるよ。でも、今日のところは許してくれないか?この通り!」
俺は、シェレールに向かって土下座を披露する。
さすがにこれは効いたのかシェレールがおどおどし始めた。
「そ、そこまでしなくてもいいですよ!少し、嫉妬したくらいですから!」
あの怒りようが少しってガチでキレたらなんか殺されてしまいそうだな。
「こ、この前も言いましたが旦那様が多くの人と仲良くすることは私にとってすごい嬉しいことなんです!でも、クロムは……ほら、旦那様のことを好きですし……その危ないので…」
「………安心してくれ。」
俺は、シェレールを抱きしめてそう言った。
「俺は、シェレールが一番って言っただろ?だから、安心してくれ。」
「………それでもやっぱり心配ですよ………でも、旦那様の友好関係も大切にして欲しいですし……うぅ、困りました。」
シェレールは、本当に俺のことを気にしてくれていてすごい考え込んでいる。
「なら、俺が帰ったらシェレールのして欲しかったことがあったよな?頭を撫でたり抱きしめたりとか色々と。それを全部やってあげるよ。」
「本当ですか!?」
「ああ、約束するよ。」
シェレールは、目をキラキラとさせて自分の世界に入ってしまった。
「………ふふっ……旦那様、早く行ってきてください。そして、早く帰ってきてくださいね?」
「あ、ああ、分かってる。」
「それじゃ、行ってらっしゃい。」
シェレールは、ご機嫌よく俺を送り出してくれた。
「行ってきます。」
俺も最後にシェレールに優しくキスをして部屋を出て行った。
さて、クロムの部屋に向かうか。
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