クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

236話 まだ始まりません

 竜斗side
「むぅ〜、開始早々なんなんですか。」
 シェレール、いきなりあんなことになって機嫌悪そうだな。
「そろそろ機嫌治せよ。もうあいつらがシェレールを狙うことなんてないんだろうし。」
 あの後、あの男たちは………言えない。俺の口からは。言えるのはせめて俺が相手してやれば良かったってことだけ……
 まっ、あいつらのことはもう忘れよう。
「シェレール、どこか行きたいところでもあるか?」
「いえ、私は特にないので今日は旦那様に任せてもいいですか?」
「分かった。じゃあ、まずはブラブラと適当に歩くか。」
「そうですね。」
 俺とシェレールは、手を繋ぎながら歩く。
 もう何度と繋いだその手だからもう恥ずかしくはないと思っていたが人に見られてると思うとやはりまだ恥ずかしいという気持ちはある。
 シェレールもそうなのか少し頬を染めて俺にピタッとくっついて歩いている。
「そういえばこのごろあまりデートなんてしてなかったな。最後にしたのは魔大陸でのデートだったよな。」
「そうですね。この頃クロムや他のみんなも何だか旦那様を取ろうとしている気がするんですが………旦那様、まさかとは思いますが私と以外にほかの女性とこんな風にデートなんてしてませんよ?」
 怖い!怖いよ、シェレール!今さっき、あんなもの見せられたからなおさら怖い!
「大丈夫だって。俺は、ちゃんとシェレール一筋だ。」
「大丈夫ですよね?信じますよ?」
「ああ、信じてくれ。」
 俺は、一旦手を離しシェレールの頭に手を乗せる。
「俺は、みんなのことも好きだ。ああ、言っておくがこの好きってやつは別に恋愛感情の好きってやつじゃないからか。仲間としての友情的な好きだ。みんなのことは信頼してるし大切だと思ってる。だけど俺は、みんなの中でもシェレールだけは特別な存在なんだ。シェレールだけは、俺の初恋の相手で恋人。俺は、シェレール以外とはこういうことをするつもりは無いよ。」
「………分かりました、信じます。」
「ありがとう、シェレール。」
「やっぱり旦那様は、旦那様ですね。」
「ん?どういうことだ?」
「すごい強くて格好良くて、とても優しくて……昨日まではこの体には偽物が入っていたんですよね。」
 シェレールは、そう言いながら俺の体をぺたぺたと触る。
「私、最初は旦那様が偽物だった分からなかったんです。だから……普通に接してしまって……でも、こう見てみればよく分かるんですよね。旦那様は、旦那様なんだってことが。」
 そう語るシェレールの目は、どこか儚げで少し目がうるうるとしていた。
「私、いっぱい旦那様に信じてますって言ってるのに……最初、旦那様が偽物だって分かりませんでした。…………旦那様、ごめんなさい。」
「ったく、すごい深刻そうな話をするからどんな話かと思えばそんな話かよ。」
 俺は、ため息を吐きながらシェレールの頭に乗せていた手をシェレールの頬にやり零しそうになっている涙を拭う。
「俺は、別に気にしてないよ。もし、それでシェレールがそのままずっと騙されて続けていたら少し怒ってしまったかもしれないけど……ちゃんとすぐに分かってくれたじゃないか。たぶん俺だってシェレールが偽物だったとしてもすぐには気づかないよ。でも、こうやって時間を置いてしっかりと見ればちゃんとシェレールが本人だって分かる。………ったく、デートなのに涙流してるんじゃねぇよ。」
「うっ、うぅ……」
 シェレールは、その後、溜めていた涙を零し始めた。
 さすがにここじゃ人に着くのでどこか店の裏に入り隠れた。
「シェレール、少しは落ち着いたか?」
 俺がそう言うとシェレールは、コクリと頷いた。
「すいません、せっかくの大事なデートなのにいきなりこんなところに来てしまって。」
「ははっ、いきなりって言ったらあのナンパの方が酷かったって。」
「ふふっ、そうですね。………私、もっと旦那様のことが知りたいです。もう二度と間違えないように。」
「ああ、そうだな。俺もシェレールのこともっと知りたいよ。誕生日のことだって昨日知ったことだし……もっと他のこともいっぱい知りたい。」
「ふふっ、そうですね!では、今回のデートでさらに旦那様のことを知ろうと思います!」
「ああ、そうだな。それじゃ、一分一秒無駄になんてできないな。行こうぜ!」
「はい!」
 俺とシェレールは、お互いに手を繋ぎ直しようやくデートを始めた。

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