クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

231話 謝罪

 竜斗side
「この度は本当にご迷惑をかけて申し訳ありまわけありませんでした!」
 俺は、異空間から帰ってきたあと、みんなに謝罪していた。
 俺は、急にそんなことを言い出したのでみんな、すごい困惑してしまっている。
 そこで一番に口を開いたのはユイだった。
「はぁ〜、いちいちそんなことで謝らなくていいって。」
「だけどこういうのは礼儀だろ?」
「そりゃそうだけど……まぁ、本当に気にしなくていいの。みんな、竜斗を助けたいと思ったから助けたんだし。」
「ん〜、でもなぁ〜」
「あんたも結構頑固ねぇ〜。」
「……竜斗……」
 俺とユイが話しているところにレーネに抱えられたクロムが俺の服の裾を引っ張って俺の名を呼んだ。
「ん?どうしたんだ?」
「……お礼……なら……私は……頭……撫でて……ほしい……」
「頭か?別にそんなのいつでもしてやるよ。」
 俺は、そう言ってクロムの頭を撫でてあげた。
「ふみゅ〜……」
 おお、なんかすごい気持ちよさそうな声を出してるな。
「…………」
 クロムの頭を撫でているとクロムを抱えているレーネも俺の方をじっと見てきた。
 レーネもやって欲しいのだろうか?
 試しにレーネの頭に手をやり撫でてみる。
「にゃ〜……」
 するとものすごく可愛らしい声を出した。
 2人の頭から一旦手を離す。
「「あ………」」
 うわぁ〜、めちゃくちゃ寂しそうな表情になった〜。
 おお、ごめんな、ついイタズラしたくなっちゃって。
 俺は、そう思いながら2人の頭を優しく頭を撫でる。
「ふみゅ〜……」
「にゃ〜……」
 俺が2人を愛でていると後ろからものすごい視線を感じた。
 俺は、恐る恐る後ろを振り返るとそこに居たのは頬をプク〜と膨らませたシェレールだった。
「ふ、2人とも、もういいか?」
「……ん〜……もうちょっと……して欲しい……けど……いつでも……してくれるん……だよね?」
「ああ、それくらいなら本当にいつでもするぞ。」
「……なら……私は……もう……十分……レーネは?」
「あ、あたしは、最初から頼んでないし!」
 おお、久しぶりのツンデレだな。愛いやつめ。
「じゃあ、もう二度としなくていいのか?」
「べ、別に……二度としなくていいというわけじゃ…………」
 レーネは、モジモジしながら小さな声で色々と言っている。
 まぁ、要するにずっとして欲しいというわけなのだろう。
「レーネにもまたいつでもしてやるよ。」
「………ふぅ〜ん、そんなにあたしの頭を撫でたいのなら撫でてもいいけど?」
「ああ、そうだな。またいつか撫でさせてもらってもいいか?」
「ふん、そこまでお願いされちゃ仕方ないわね。好きにすればいいわ。」
「ははっ、ありがとう。」
 俺は、そう言って2人から離れ今だに頬を膨らませてるシェレールのところへ行った。
 そして、俺が近づくとシェレールは、そっぽを向いてしまった。
「………竜斗、あんまり怒らせるんじゃないわよ。」
 シェレールを抱えているユイが隣から小さな声でそんなことを言ってきた。
「………分かってるよ。」
 俺は、ユイに一言言ってシェレールを見た。
 そして、まだそっぽを向いているのでプクッと膨れた頬に指を押し付ける。
 すると今まで膨れていたシェレールの頬はプシューと音を立てて元に戻った。
「……ふ……ふふ……」
「〜っ!ああ!今、笑いましたね!?」
「笑って……ふ……ないよ……ふふ……」
「むぅ〜!もうっもうっ!」
 シェレールは、ポコポコと俺の体を叩くが全く痛くない。
 俺は、そんなシェレールをユイから一旦預かり抱きしめた。
「っ!だ、旦那様?」
「悪いな、心配かけて。ただいま。」
 俺がそう言うと今まで我慢していたのか涙をポロポロと零した。
「う……うぅ……」
 シェレールは、俺の胸の中で声を殺そうとしているがあまり殺しきれず少し声が聞こえる。
「いつもいつも俺の方が心配かけてばっかで本当にごめん。」
 俺は、泣いてるシェレールの頭を優しく撫でながらそう呟く。
 と、そこで周りに動きがあった。
 みんな、こっちをニヤニヤと見つめながら移動していく。
 そしてユイが口パクでこう言った。
『二人っきりであとはどうぞ』
 みんな、俺たちに気を使ってくれたのか?
 はぁ、別に構わないのに。
 まっ、いっか。
「シェレール、ちょっといいか?」
 俺がそう言うとシェレールは、涙目のまま俺の方に顔を向けた。うるうるした目に意識が吸い込まれそうになるがなんとか耐え、シェレールに伝えないといけないことを伝える。
「なぁ、シェレール、1度しか言わないからちゃんと聞いててくれよ?」
「うっ……ぐすっ……なんですか?」
 俺は、一旦呼吸を整え口を開ける。
「シェレール、俺はお前が好きだ。大好きだ。もし、目の前にシェレールを救うか世界を救うかの選択肢があれば俺は迷わずにシェレールを選ぶ。それくらい俺は、お前のことが大好きなんだ。」
「嬉しいです。旦那様にそんなに思われて……私も大好きですよ。」
「ああ、分かってるよ。だけど、今回の件で一つ、思うことがあったんだ。」
 俺は、より一層真面目な顔をする。
「実は俺、偽物の中にいた時、外の景色を見てたんだ。」
「み、見てたんですか!?わ、私が怖がってるところも見ちゃったんですよね?は、恥ずかしい。」
「別に恥ずかしくはないだろ。怖いものがあったら怖いんだから。俺だって恐怖心耐性のスキルがなかったら魔物すら殺すことできなかったよ。」
 本当に恐怖心耐性には感謝してるよ。
「話が逸れちゃったな。それでな、シェレール、俺、本当のこと言うとみんなに俺が偽物かどうか分かってもらえるか怖かったんだ。」
 ナビにはみんなを信じてると言ったが心の中では今言った通りすごい怖かった。まぁ、恐らくナビには俺のそんな気持ちも分かってるんだろうけどな。
「でも、そんな心配なんてまず必要なかった。シェレールは、ちゃんと俺を見ててくれていたからな。そして、みんなも。そんなみんなを信頼できなくて本当にごめん。
「そ、そんな!別に気にしないでください!」
「そういう訳にはいかない。みんなは、ちゃんと俺のことを信じてくれていたのに……本当はみんなに言いたかったんだけど……」
 周りを見るとそこにはもう誰もいない。
 シェレールも今気づいたのか周りをキョロキョロと見ている。
「み、みんな!?ど、どこに行ったんですか!?」
「あ、あはは、なんか、俺たちのことを気にしてかどこかに場所を移してくれたらしい。」
「そ、そんな……」
「だから、後でみんなには謝るけど今はシェレールが先だ。俺が一番信頼しなくちゃいけなかったのにできなくて本当にごめん。」
「…………旦那様は、クロムとレーネにお礼として頭を撫でてあげてましたよね?」
「あ、ああ、そうだな。」
「なら、私にはもっと恋人らしいことをしてください。」
「恋人らしいこと?それって……」
 シェレールは、俺がそこまで言うと顔を少し上げ目を閉じる。
 俺もシェレールにして欲しいことに気づきゆっくりと顔を近づける。
 そして、優しくキスをした。

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