クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

217話 お姫様抱っこ

 クロムからの急な告白から数日が過ぎた。
 あれからというものクロムが俺にすごくアピールしてきている。
 そんなクロムを危険視するためシェレールがずっと俺に付いてきて何かとクロムとぶつかっている。
 正直なのところ二人には仲良くして欲しいのだが今の状態じゃ無理そうだ。
 ナビ、クロムは今部屋にいるか?
(いえ、今はマスターを探しに行っているので部屋にはいません。レーネさんは、残っていますが。)
 クロム、また俺を探してるのか。
 シェレールも今、ちょうどいないしこの頃レーネと話せてなかったから話に行ってこよ。
 俺は、そう思いクロムの部屋の前へ転移した。そして、ドアをノックしてレーネを呼ぶ。
「レーネ、いるか?竜斗だけど?」
 俺がそう言うとドタドタと部屋の中から走ってくる音が聞こえた。
 そして、勢いよくドアが開けられレーネが少し顔を赤くした状態で出てきた。
「別にそんなに顔を真っ赤にするくらい早く来なくてもよかったのに。」
「あ、赤くって……ち、違うわよ!ちょっと部屋の中で運動していたから暑かっただけよ。」
「そうなのか。まぁ、いいや。部屋にはクロムはいないな?」
「う、うん、いないけど今日は何の用?」
「別に用って程じゃないけどレーネと話がしたいなって思って。」
「あ、あたしに!?ま、まぁ、別にいいけど!ほら、早く入りなさいよ。」
「ああ、ありがとう。」
 レーネは、何だか嬉しそうな顔をして部屋の中へと入っていった。俺もそれに続き部屋の中へと入っていく。
「悪いな、最近ここに来れなくて。」
「竜斗も、忙しいんだから仕方ないわよ。」
「そう言ってくれると助かる。それでどうだ?ここの生活?もうだいぶ慣れたんじゃないか?」
「ええ、まぁ大体は。って言ってもあたしは、この部屋から滅多に出ないし出たとしても食事の時に食堂へ行くくらいよ。」
「まぁ、そうだよな。偶にはこの城を探検でもしてみないか?俺も付き添うから。」
「嫌よ。外、怖いもん。」
 即否定されてしまった。
 レーネを成長させるにはもっと色々なところへ連れて行かないといけない。
 まぁ、無理強いはしないけど。
「じゃ、仕方ないな。いつか外に出たいと思った時は俺に言ってくれ。絶対について行ってやるから。」
「うん……ありがとう……あ!今からお茶出すの忘れてた。今から出すわね。」
「別に気にしなくていいぞ?」
「いいの。ちょっと待ってて。」
 レーネは、そう言って部屋の棚にあるティーセットを取ろうとした。だけどあれ、結構高い位置にあるな。取れるのか?
「あ、あれ?踏み台がない?」
「踏み台?」
 まぁ、確かにあの高さは踏み台でもないと届かないよな。
「………ないわねぇ。どこに行ったのかしら?」
 レーネは、キョロキョロと部屋の中を探すが全く見つかる様子がなかった。
「まっ、踏み台がなくてもどうにかなるわね。」
「はっ!?む、無理だろ!」
「大丈夫、大丈夫。」
 レーネは、棚に手を伸ばしティーセットを取ろうとする。
 いやいや、無理だろ!
 俺は、立ち上がりレーネを助けようとしたが一足遅かった。
 レーネの手に掛けていたティーセットが棚から落ちてきた。
 俺は、急いでレーネの元へ急ぎ転びそうになっていたレーネを抱えティーセットは時間魔法でなんとか止めれた。
「全く、無理しすぎだ。」
「ご、ごめん。無理しすぎたわ。」
 俺は、レーネに怪我もなく無事だったことに安堵した。
 だが、レーネの顔が徐々に赤くなっていくのが分かる。
「………にゃ……」
「にゃ?」
「にゃぁぁぁああああ!!!!」
 レーネは、急に猫のような鳴き声で悲鳴を上げた。
「にゃ、にゃ、にゃんで!?こ、これって、お、お、お姫様抱っこ!?」
 そして、急にレーネは暴れ出し慌てていた。
「ああ、悪い。すぐにおろすな。」
「え?」
 俺がすぐにおろすと言うとレーネが急に落ち着いた。
「………い、いや、別にまだこの状態でもいいけど………」
「ん?悪い、なんて言ったんだ?」
「な、なんでもないわよ!は、早くおろして!」
「ああ、悪い悪い。」
 俺は、そう言ってレーネをおろそうとしたその瞬間、ドアが開かれクロムが入って来た。
「……ただいま……竜斗……いなかった……シェレールは……いた……のに……あれ?」
「「……あ」」
 クロムは、俺とレーネの格好を見て固まってしまった。
「……ど……どうして……竜斗が……ここに……それに……レーネを……お姫様抱っこ……してる……」
 クロムは、そう言って部屋を出ようとした。
 俺は、急いでレーネをおろしクロムの方を掴んだ。
「く、クロム、どこに行こうとしてるんだ!?」
「……シェレールに……報告……シェレールに……何も言わずに……浮気は……許されない……だから……報告……」
「ちょ、ちょっと待とうか。誰が誰と浮気をしてるだって?」
「……竜斗が……レーネと……」
「誤解だ!俺は、ただティーセットを取ろうとして転んでしまったレーネを抱えただけだ。ほら、証拠にあそこにティーセットが浮かんでるだろ?」
「……確かに……」
 よ、良かった、ティーセットをそのままにしておいて。
「……でも……竜斗……どうして……ここに……いるの?……もしかして……私に……会いに……来てくれた?」
 クロムは、少し顔を明るくさせそう言った。
 うわぁ、否定して悲しませたくないなぁ。
 だが、ここはしっかりと否定しないとな。
「い、いや、レーネの様子を見に来たんだ。」
「……そう……なんだ……残念……」
 ああ、ちょっと寂しそうな顔してる。なんかものすごい罪悪感があるんだけど。
「あ、それよりも俺を探してたみたいだけど何か用か?」
「……ううん……特別な用って……わけじゃないの……ただ……竜斗に……会いたかった……だけ……」
「そ、そうか。」
 クロムは、そう言って俺にすり寄ってきてベッタリとくっ付いた。
「な、な、何してるの!?クロム!?」
「……何って……竜斗に……アピール……してるの……クロムにも……説明した……でしょ?」
「た、確かに竜斗に告白したって言ってたけどそこまでくっ付くなんて……」
 レーネがなんか両頬をパンパンに膨らませている。可愛い。
 そして、なぜかレーネがジリジリと俺に寄って来てレーネも俺にクロムみたいに密着とはいかないが軽く触れる程度のところに来た。
「か、勘違いしないでよね!別に竜斗にくっ付きたかったとかそんなんじゃないから!ただ除け者みたいで嫌だっただけだから!」
「そ、そうか、まぁ、いいけど。」
 俺は、それから両手に可愛い幼女を置いて時間が過ぎていくのを待っていくのだった。

コメント

  • ヴァン・ドラ

    クロムのセリフが
    「クロムにも・・・」 になってる
    気のせいだったらすいません

    1
  • ノベルバユーザー264858

    もうこの3人の女の子でイチャイチャハーレムでもいいかもですね笑

    2
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