クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

208話 決着

 再び激突する1人と1匹の攻撃。
 その攻撃は、もう崩れかけのこの場所にとっては恐怖そのものである。攻撃が激突する度にものすごい衝撃波が岩壁に伝わる。
 本当ならすぐに片を付けたいところだが竜斗は、最大の魔法を繰り出すため、隙を伺うしかなかった。
 しかも、その魔法を繰り出すには数秒間魔力を集中させることが必須である。
「そろそろ決着をつけさせてもらうぞ!」
『それはこっちのセリフだ!人間!覚悟しろ!』
 竜王は、そう言って今さっき俺に結構ダメージを与えたあの流星群のような技を出そうと力を溜める。
 チャンス!
 俺も最大の魔法を放つための力を溜める。
 これが最初で最後のチャンスだ!
 普通の俺ならここで緊張や焦りを感じ上手く魔法が出せるか分からない。だが、レーネのおかげでそんな緊張や焦りは感じてない。
 レーネには本当に感謝しないとな。
 よし!溜まった!
 だが、ここからだ。どうやってこの魔法を当てる?
 ダメだ、考えてる余裕が無い。
 竜王も力が溜まったのかあの技を繰り出す。
『さぁ、これで終わりだ。貴様との勝負、それなりに楽しめたわ。』
 竜王は、最後の言葉と言わんばかりにそう言って光の玉を上に放つ。
 その光の玉は、流星群のように俺に降り注ぐ。
 だが、今さっきよりもよく流星群が見える。大丈夫、ちゃんと避けれる。
 俺は、一つずつ確実に避ける。今さっきのような失敗をしないようにちゃんと足元も見ながら。
 っ!
 何故か分からないが竜王の死角が見える。
 あそこに周り込めば……殺れる!
 俺は、そんな期待を持ち光の玉を足場にもしながらその死角へと進む。だけどこのままじゃ竜王にずっと見られてて死角に入れない。
 なんかいいスキルはないか?
 ………っ!これだ!
 スキル 分身
 俺は、自分の分身を数十体作る。
 いや〜、本当は透明化でも良かったけどこっちの方がなんかかっこよさそうだからこっちにしてしまった。
 でも、上手くいったみたいだ。
 竜王は、俺の分身をキョロキョロと見ている。
 そして、手当たり次第に攻撃をしている。
 今だ!
 俺は、竜王の背後を取る。
「これで終わりだぁぁぁ!!!」
『っ!?し、しまっ!』
 俺は、自分が出せる最大の力を出し魔法を放った。
 その魔法は、しっかりと直撃し竜王は、地面へと落ちた。
 俺もしっかりと着地して息を整える。
「はぁはぁ……」
 変なフラグを立てたくないのであまり喋らないようにする。
 だが、その努力も束の間、竜王が微妙に動いている。
 完全に倒せなかったか。
 だけど竜王は、もう瀕死状態。大丈夫、今なら倒せる。
 俺は、竜王に近づき完全創造で簡単な剣を作る。今は、こんなガラクタぐらしか作れないがでも、今の竜王はこれで倒せる。
「さて、これでようやく決着だ。苦しむのもあと少しだ。」
『お、おのれぇ〜……』
 竜王は、抵抗の意思を持ってそう言うがその声には全く生気を感じられない。
 このまま放っておいてもいつかは死ぬだろう。
 だが、こいつにあんまり恨みなんかないからな。まぁ、一度殺されたのだが。
 だから、あんまり苦しませるようなことはしたくない。
 そう思い俺は、ガラクタの剣を振り上げる。
 だが、その瞬間今さっきまで耐えていたこの洞窟が崩れだした。
「なっ!?」
 俺は、咄嗟にその場から離れクロムたちのいる結界の中へと入っていった。
 そして、今さっきまで俺が立っていた場所は、崩れてしまい竜王は地下の方へと落下して行った。
「……竜斗……大変……崩れてる……」
「ああ、分かってる。みんな、俺に掴まって!」
 俺がそう言うとみんな、しっかりと俺の肩や手を掴んだ。
 俺は、ちゃんとみんなが掴んでいるか確認し転移した。
 転移した場所は、2匹の馬を置いている場所だ。
「ふぅ、なんとか無事に帰れましたね。」
 俺がみんなが無事なことを確認して尻もちをつきそう言った。
 そして、そんな俺にクロムとレーネが飛びついてきた。
「うわっ!?ど、どうしたんだ?」
 俺は、驚いたがちゃんと二人をキャッチした。
「……竜斗……良かった……」
「竜斗!ちゃんと生きてるのよね!?本物なのよね?」
 クロムとレーネは、俺の体をぺたぺたと触り俺がちゃんと生きているか確認しているらしい。
「ったく、今さっきも言っただろ?ちゃんと生きてるよ。」
 俺は、二人を安心させるために二人を抱きしめ頭を撫でる。
 うん、やっぱり癖になってるな、この感触。
「二人とも、竜斗は、疲れてるんだからあまり困らせちゃダメよ。」
 そんな所にセレスさんからフォローが来る。
 二人は、セレスさんの言葉を受けた数秒後、我に返り俺から離れる。
 ちょっと俺も名残惜しくなりながらも二人を離す。
「それで竜斗、あの竜王は倒せたの?」
「ん〜、たぶん倒せましたよ。トドメを刺す前に洞窟が崩れてしまったので死んだかどうかは分かりませんが……恐らく死んだと思います。」
「なら、良かった。そろそろ帰りましょ……と言いたいところだけど今日はここで野宿ね。」
 外はもう真っ暗でこの中を馬で駆けるなどまず不可能。
 俺の転移のスキルを使えばいいじゃんと思ったが今さっきの転移で俺は、もう力を尽きてしまいスキルすら使うことが出来ないのだ。
 本当なら2日で帰れる予定だったが3日目になってしまった。
 シェレール、怒ってるだろうな……

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コメント

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  • ノベルバユーザー305026

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  • パパ7年生

    転移の前に分身も使いましたね

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  • 紗奈

    全魔力を使ったはずなのに転移してますよ...

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