クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

201話 竜の群れ

 その後、俺たちは洞窟の中を進んで行った。その際、幾度も黒い火の玉が俺たちを襲ってきたが3回を超えた頃にはみんなもう慣れていて避けれるようになっていた。
「結構進みましたがまだまだ続きそうですね。」
 もう洞窟内に入ってから30分経った。
 だが、光魔法で先を照らしても全く奥が見えない。
「この洞窟は、本来魔物の巣窟として使われていたんだ。」
「魔物の巣窟ですか?一体どんな魔物なんですか?」
「昨日からずっと現れているホブゴブリンだよ。この洞窟は、そのホブゴブリンに掘られて造られたんだ。だから、この先がどれくらい続いているのかは儂には分からんのだ。」
「そうなんですね。」
 それは、結構面倒なことを。
「クロム、レーネ、疲れてないか?」
「……私は……大丈夫……まだまだ……いける……」
「あたしも全然平気よ。」
 うん、二人ともまだまだ元気そうだ。
「っと、来たな。」
 また再び黒い穴が現れその中から黒い火の玉が俺たちを襲った。
 俺たちは、それを難なく避けた。
 だが、今回は今までとは違ったことが起こった。
 普通なら黒い穴がすぐに消えるのだが今回は消える素振りがない。
『愚かな魔族と人間族よ。』
「「「「「っ!?」」」」」
 黒い穴から声が聞こえた。
 俺たちは、そのことに驚き身動き一つ取れなかった。
『幾度となくやったチャンスを全て台無しにするのだな。』
 チャンス?なんの事だ?
『だが、余も寛大。今回だけ最後のチャンスをやろう。』
 何者かの声は、そう言うと今さっきまでの比じゃないほどの威圧が俺たちを襲った。
『さぁ、逃げるが良い。余がまだ逃がすチャンスを与えてるうちにな。』
 このあまりにも大きすぎる威圧は、今さっきまでの覚悟を一瞬で壊すようなそんなプレッシャーだった。
 俺が手を繋いでる二人の幼女もものすごく震えている。
 ジゼルさんとセレスさんも額に汗を流している。
 ……………だが、誰もその場から引き返そうという者はいなかった。
 威圧が大き過ぎて足が動かなかったと最初は、思ったがみんなの顔を見てみるとそんなことは無いと思った。
 みんなの顔は、恐怖で怯えていても自分が一度決めたことを変えないといった意志を感じられる目をしていた。
 俺もそんな目ができているのだろうか。みんなのようなかっこいい目ができているのだろうか。
 でも、俺一人逃げるわけにはいかない。相手がどんなに強くても俺なら勝てる。いや、俺たちなら勝てる!だって、こんなに心が強い人たちが俺の味方なんだもん!
 俺は、能力的にはこの中で一番だ。だが、心の強さはこの中で一番弱い。
 心の強さは、いざとなった時に一番必要なもの。
 大丈夫、俺が挫けそうになってもみんなが助けてくれる。支えてくれる。
『本当に愚かな者たちよ。雑魚の分際に余に挑もうとでも言うのか。はっ、滑稽だな。』
 何者かの俺たちを馬鹿にする声が止むと半径1メートル程の黒い穴が広がり人が入れる程の大きさへと変化した。
『さぁ、愚かな挑戦者よ。この穴から余のところまでやってくるがいい!』
 そこで声は、完全に途絶えた。
 俺たちは、一旦みんなの顔を見てそして、決心して穴の中へと足を踏み入れた。
 その穴を抜けると周りは、とても広い広場だった。
 今さっきの声のやつは!?
 俺たちは、周りをキョロキョロして探すが見当たらない。
『愚かな挑戦者よ。余は、ここにおるぞ。』
 っ!
 声は、上から聞こえ上の方を見上げると俺たちは、目を見開いた。
 そこに居たのは全長10メートルほどの竜の群れと一体だけほかの竜よりも大きく黒い竜がいた。
『余は、竜の支配者、竜の頂点に立つもの。竜王だ!』
 今さっきの声があの竜王から聞こえた。
 そして、その言葉を放ち終わった瞬間、10を超える竜の群れが俺たちを襲ってきた。
「みんな!一旦下がって!」
 俺は、みんなの前に一歩踏み出して迫ってくる竜に向かって刀神ヘルメスを構え迎え打った。
 1匹、2匹と首を斬っては地面に降りる。
 これじゃ俺に分が悪い。
 飛行のスキルを使えばいいがこの多さの竜を相手にできるのだろうか。
 もし、一匹でも逃がしたらみんなに被害が……
「竜斗殿、何も一人で戦わなくていい。」
 俺が少し焦り始めた頃にジゼルさんが横にやってきた。
「確かに竜斗殿は、この中で一番強い。だが、儂にも戦う資格はある!それに戦わなくてはいけないのだ!」
 その声は決意と誰かを守るために戦うという姿勢が見られた。
 そうだよな、何一人でカッコつけてんだろ、俺。
「そうですね、ジゼルさん、お願いします。」
「うむ、背中は任せてくれ!」
 俺とジゼルさんは、一緒に竜に向かっていった。

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