クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

173話 嘘つき者

「竜斗、これ美味しいですよ。」
「へぇ、そうなのか。じゃ、俺も同じものを取ろうかな。」
 俺は、そう言ってシェレールと同じものを取ろうとする。
 だが、その手は、シェレールに止められてしまった。
「………あの、おかずを取りたいんですけど………」
「むぅ〜……私があげますよ。はい、あーん!」
「はぐっ!?」
 シェレールは、無理やり俺の口にそのおかずを入れた。
 俺は、一旦そのおかずを飲み込む。
「……シェレール、何するんだよ!?」
「ふんっ!」
 シェレールは、頬を膨らませそっぽを向いてしまった。
「あーあ、柊君、シェレールをさんを怒らせちゃった。」
「え?俺、なにか怒らせるようなことしたの?」
「ええ、したわよ。あれは、シェレールでも怒るわ。」
「え?……え?」
「リュウさん、師匠に謝ったほうがいいですよ?」
「………確かに今日は、怒らせてばっかりだったけど………とにかくシェレール、なんで怒ってるのか聞かせてくれないか?」
「………もう少し、私の気持ちも考えて欲しいです………」
「しぇ、シェレールの気持ち………」
 ………あ、あれ?わ、分からない………
 俺って自分の好きな子の気持ちすら分からない……のか?
「………俺って酷いやつだよな。」
「………」
「どう考えてもシェレールの気持ちが分からない………好きな子なのに……好きになったのに……」
「………竜斗……もういいですよ。」
 結局、シェレールからの情けで許してもらうしかない。
「ダメだ………」
「え?」
「俺、ちょっと席外すわ。みんなは、そのまま食べててくれ。」
「どこに行くんですか!?わ、私も………」
「シェレールも待っていてくれ………一人になりたい………」
「ぁ………」
 俺は、席を立ちパーティ会場から出る。
 気づくとそこはもう外だった。
「俺……何しに来たんだろう……」
 特に外に出る必要なんてなかった。ただ、どこかで一人になりたかった。
 まっ、そんなそれなら外でもいいのかな。
 パーティで盛り上がっている声がここまで聞こえる。
「………はぁ……みんなの楽しい雰囲気壊しちゃったかな………」
 それは、ちょっとダメだったかな……
「竜斗………」
 っ!後ろから俺の名を呼ぶ声が聞こえた。
 だが、誰の声か分からなかった。
 俺は、その声の主を確認するために後ろを振り返る。
 だが、そこには誰もいなかった。
「あ………あれ?」
「………こっち……」
 下の方から声がして服が引っ張られる。
「あ……ああ、クロム……か。どうしたんだ?」
 下を見るとクロムがちょっと心配そうな顔で俺を見ていた。
 それを見て俺は、ガッカリしてしまった。
 あれ?俺、なんでガッカリしてるんだ?
「……大丈夫?」
「ははっ、心配させて悪かったな。大丈夫、大丈夫。ちょっと考え事していて一人になりたかったからな。」
 俺、上手く笑えているかな。
 今、俺はどんな顔になってるんだろ。
「………竜斗、私……邪魔?」
「ううん、そんなことないよ。」
「………竜斗、忘れたの?」
「………え?」
「私が……嘘を見抜く能力を……持っていること……」
「ぁ………」
「でも……この能力を使わなくても分かる……竜斗……すごい泣きそうな顔……してる……」
 っ!
「ここに来たのが……シェレールじゃなくて……私だったことに……ガッカリしている……顔を見れば……分かる……よ……」
「……そうか……は、ははっ、そうだよな……俺、嘘つきだな……」
 俺は、好きな女の子の気持ちも分からないクズ野郎。そこに嘘つき者とくれば……ははっ、笑えてくるな。
 嘘をつくことに俺はもう慣れていてクロムに言われるまで全く気づかなかった。
 ……これじゃ、なんかずっと嘘をついていたみたいだな。
「………シェレールが好きって気持ちも……嘘なのかな………」
 ………だって俺は………嘘つき者だから………

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コメント

  • 空白

    応援してるぞ

    1
  • かわた

    竜斗頑張れ(*ˊ˘ˋ*)♪

    0
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