《完結》虐待されてる奴隷少女を救った、異世界最強の龍騎士

執筆用bot E-021番 

第4話「奴隷少女の救出」

 カーン、カーン、カーン。


 と、村中に響きわたるような、けたたましい鐘の音が鳴り響いた。各々の家屋から村人たちが跳びだしてきた。その手には斧やらクワやらがあった。



(まさか、オレを殺そうとしてるのか?)



 そんな様子ではない。



 何か尋常ならぬ様子で、村人たちはストリートを駆けて行く。龍一郎が茂みに潜り込んでいる家の者も例外ではなかった。あわてたように家を飛び出している。空襲でもはじまるのかと思うような、あわてようだ。



 跳びだして行った中に、さっきの薄幸の少女はいなかった。



 よくわからないが、これはチャンスだ。家のトビラも開け放たれている。火事場泥棒のようで悪いが、これが少女を助ける絶好の好機に思えた。



 茂みから出る。



 周囲の者たちに気づかれないように、急いで家の中に忍び込んだ。



 幸い、明かりは灯っている。



 異世界というと中世ヨーロッパのイメージがある。でも、この世界では、電気は通っているということか。



 そう言えば外にも、たくさんの外灯があった。



 入口は土間になっていた。木製の下駄箱がある。布の靴が置かれている。ファンタジックな感じだ。



 龍一郎は裸足だったから、一足頂いておくことにした。靴を履いたまま家の中に入った。



 どこもかしこも木造だ。プラスチックなどを加工する技術がないのだろうか。



 まだ家の中に人が残っていないとも限らない。いちおう足音を忍ばせて、家の奥へと潜り込んだ。



 木製のトビラがある。ドアノブは金属製だった。わずかな隙間を開けた。中の様子をうかがう。



 広間だった。
 リビングだろうか。



 木製の長椅子と、巨木を輪切りにしたようなテーブルが置かれている。テーブルの上には食器が置かれている。食事中だったんだろうか。美味そうな肉が乗っていた。



 その向こうに、さっきの少女がいた。
 全身にコードのようなものがつながれている。



 他に人がいる様子もない。龍一郎はその少女に駆け寄った。



「おい、大丈夫か?」



 少女はボロイ布きれを着ていた。布のバスタオルを巻いているかのようだ。



 肌の露出が激しい。肩は出ている。フトモモもさらけ出していた。そのカラダのあちこちに、コードが刺さっている。



 そのコードをよく見てみると、カテーテルのように細い管になっていた。先端が針になって少女に刺さっているのだ。管の中には少女の血が通っているようだ。



「なんだ、これ?」



 これに似たものを、どこかで見たことがある。
すぐに、ひらめいた。



 献血だ。



 この無数のチューブには、少女の血が流れているのだ。まるで血の翼を広げているかのようだった。



「血を採られてるのか?」



 針は舌にまで刺さっている。これはかなり痛そうだ。



「……」



 少女は寡黙にジッと、龍一郎のことを見つめていた。



「抜いたほうが良いんだよな?」
 こくりと少女はうなずいた。



「すぐに助けてやるからな」



 少女は手足に枷をつけられていた。自分で、針を抜けないようにしているのだろう。



 医療的な知識はなかった。とりあえず一本一本を慎重に抜いていった。針は細いようで、抜いてもたいした出血はなかった。



 それでも、アザが残っている。全身アザだらけなのは、普段からこの謎の儀式が行われているからだろう。



 すべての針を抜くことに成功した。



 すると――。



 プツン。
 家の電気が消えた。

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