陰キャな俺がハーレムに!?

絵音 聖夜

俺の過去②

 そこに居たのは聖修だった。すると、俺の肩に腕をのせた。
「俺の幼なじみに文句があるんなら、俺に言え。いじめたいなら俺にしろ。」
そう言うと周りにいた人達がざわめき出した。「調子乗ってんの?」という声や女子からは「カッコイイ」とかそういう声が上がっている。でも、その声を無視して
「なんで、学校にいるの?」
俺が知りたかったのはそれ。聖修とは家が近いけど聖修は俺と違って私立の学校にいるのはありえない。
「あー、お前には言ってなかったけどこっちに転入した。」
「ふぁっ!?」
転入って普通に出来るもんだっけ!?戸惑う俺に聖修は微笑みながら
「最近のお前、元気なかったからさ。だからだよ。これを見てすぐに分かったけど?相談しろよ、お前〜」
と、余裕そうに言っている。俺にはそんな余裕はない。冷や汗でやばいくらいだ。
「それに、先週の金曜のことをお前の妹が話してくれたからな。俺に。」
妹が聖修に...。聖修は誰とでも親しめるから聖修に相談したんだろう。
「っつー事で... 風季に八つ当たりするなら俺にやれ!」
とだけ残し俺の手を引いて廊下を進んで行った。
 聖修が俺と同じクラスになるように先生に頼んで俺と同じクラスにしてもらった。その後一緒に帰れるかと思ったらいじめっ子が朝の挑発に乗って聖修を運動場の奥の方に呼んだらしい。そこは職員室からも遠いため先生はいない。いじめっ子にとっては完璧な場所だ。5人がかりで虐められそうになったらしいけど1本背負い投げという技を使って聖修はそいつらを気絶させたらしい。その間に先生を呼んで俺に起きていたことを全部説明したのだとか。すると6年だけ全員クラス替え。いじめっ子の中心となっていた5人はそれぞれ違うクラスにされ、俺と聖修は同じクラスにしてもらった。その後いじめられることは無くなり、中学生に上がった。
 中3の卒業前、ある人に呼ばれた。その人はいじめっ子グループのリーダーだった。その人は頭が良かったらしく、俺よりもいい高校に行くと聞いた。
「久しぶり。覚えてるか?俺の事。」
「ひ、久しぶり。お、覚えてるよ...」
「あの時...本当にすまなかった!」
と俺に頭を下げる。
「あの時さ俺、親に八つ当たりされててストレス溜まっててよぉ、お前に八つ当たりをしてしまった。あの後親に電話された。怒られるかと思ったらさ、まあ少し怒られたけど何より八つ当たりしてごめんって言われた。自分が嫌なことあったから八つ当たりをしてしまった。情けない、と。あん時の俺、本当に馬鹿だよな。学校違くなるし、ちゃんと謝っとこうと思って。本当にすまなかった。いや、ごめんなさい。」
と、俺に深く頭を下げた。
「お、俺は別に恨んでない、と言ったら嘘になるかもしれないけど... 謝ってくれてあ、ありがとう。スッキリした。」
と俺も頭を下げた。すると頭をあげてくれた。そして、俺にニカッと笑いかけてくれた。
「俺が言うのもあれだけど、俺普通になっちまったけど、その代わりにお前が脱陰キャしてくれること願ってるぜ。」
とだけ残して、去って行った。その後卒業式の時見かけたが、俺は話しかけれなかったし相手も俺に話しかけることはなかった。それから1度も会っていない。

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 だからといって、妹とは接していなかった。だからとても久しぶりなのだ。それにしても妹がモデル、かぁ。少し調べてみよう。俺はそんなことを思いながら部屋に入った。

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