陰キャな俺がハーレムに!?

絵音 聖夜

俺の過去①

 妹に初めて会ったのは俺が10歳くらいの時。妹はまだ5歳くらいということもあって、とても小さかった。出会ったのは突然だった。俺は病気で亡くなった父の顔を1度も見たことがなかった。

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 「風季。下に降りてきて。」
お母さんの真面目な声が聞こえた。俺はやりかけの宿題を放置し、急いで下に降りて行った。
「どうしたのお母さん?」
と、俺は言った。階段を降りている時下を向いて走って降りて行ったから分からなかったけど、お母さんの目の前には男性と小さな女の子がいた。こっちを向いているお母さんに俺が首を傾げると、ニコッと微笑んで
「この人が新しい風季のお父さん... 上城 光義かみしろ みつぎさんよ。そして、風季の妹になる光月みづきよ。」
「初めまして。君が風季君だね?」
男の人... 光義さんが言うと俺は「うん」と頷いた。
「今日から君の父親になるんだ。僕のことは『親父オヤジ』って呼んでいいからね。よろしく頼むよ。」
「よろしく、お願いします。」
俺は深くお辞儀をした。すると、親父が光月の背中を優しくトントンと叩いた。「ほら、紹介を」と言わんばかりに。
「えっとね、わたのなまえはね、かみしろ、みづきっていうの。よろしくね、おにいちゃん!」
と、可愛い顔を俺に向けながら話しかけてた。
「よろしく、ね。」
曖昧な感じで俺は返事をした。それでも妹はニコニコと笑いかけて俺に話向けてを語った。その後、妹と何度か買い物に行ったり、時間がある時は公園で遊んだりもした。少しずつ、ごく普通の兄妹みたいになったけどそれはすぐ終わった。

 「うわー。まだ学校来てる...。きっも!」
「あんな事されたのにねー。気持ち悪。」
俺に向けられる冷たい目線と酷い言葉。そう、いじめだ。今俺は小5。もうすぐ6年生だ。そして、俺が今こう言われているのはきっと先週の事だろう。小5の二学期くらいからいじめは続いていていたけど、先週のは正直俺も我慢の限界ピークになるくらいだった。
 先週の金曜日は雨が降っていた。土砂降りの。俺はもちろん傘を持ってきていて、それをさしながら帰ろうとした時、クラスの男子... リーダー的な感じのやつに呼ばれた。断ったけど無理やり服や腕を二人がかり引っ張られて力の弱い俺は適わなかった。そのまんま連れていかれたのは運動場にある、砂場。土砂降りのせいで泥になっている。しかも、囲むようにクラスのほとんどの人がいた。俺はランドセルを外され、傘もとられた。そう、すると泥になっている砂場に蹴飛ばされた。その衝撃で俺は体勢を崩してしまい全身... というより体の前側が泥まみれで汚れる。
「うわ、汚ねぇー!うわはは!」
「上城うんこだらけじゃん」
「やりすぎだよ〜 ぷーくすくす...」
俺はみんなから笑われた。そのあとすぐにランドセルを投げ込まれた。ランドセルもその瞬間汚れる。
「傘は... いらねえだろ。汚れてるし、どうせなら雨で洗って帰れば?俺今日傘忘れたしもらって行くわー。」
「帰ろっかぁ。あ、その前に...」
カシャッ。
カメラの音が聞こえる。
「スマホ持ってきてて良かったー。みんなにも送るね〜。」
「お、それ見せろよ... ってかもっと撮っとけば?笑」
「あー、確かに笑 こんな機会あんまないもんねー」
と、色んな角度で撮られた。
「たくさん撮ったし帰るね。グループのアルバムに入れとく笑」
「それじゃあ、残るぞ...?ぷくく」
「一生の思い出だし、いいでしょ笑」
と、帰っていく。傘はもちろん忘れたやつが持っている。みんなが帰った10分後くらいに俺は歩き始めて走りながら帰った。
 ドアを思いっきり開けると妹が現れる。
「お兄ちゃん!おかえり... お兄ちゃん?」
俺は妹に「ただいま」も言わずに洗面所に向かいお風呂ばへと入る。今日が金曜日で良かった。ランドセル洗えるから。教科書にも泥がついている。仕方がない。濡らして後で乾かそう。俺はシャワーを出して泣きながら洗った。

そして、今日。妹が俺が泥まみれになっていたことをお母さんと親父に伝えていたらしく学校に行く前酷く心配していた。けど俺は「大丈夫」といい、学校に来た。辛いけど、あー言う奴は絶対にあとから痛い目に遭うということを俺は信じている。みんなは冷たい目線と言葉を俺に浴びさせている。
「誰だよ、俺の幼なじみいじめてんのは?」
その瞬間、知っている人の声がきこえた。

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