話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

どやすべ【逃げた僕には】

奥嶋光

②逃げ旅 タクシー

東京って車多いなあ、混んでてなかなか進まないや。
先程飛び乗ったタクシーは渋滞でなかなか進まない。早く遠くに行きたい気持ちを悟られないよう自分を抑えながら窓からの街並みを見ている。
曇り空だけど窓から見える緑の木々は綺麗だ、汚いけど川景色も見える。
ふと自分の地元青森県八戸市を思い出す、川があって海があって食べ物は美味しい。
自分が釣ってきた魚をお母さんが煮付けや唐揚げにしてくれた事もあったな。あー お母さんが作った飯が食いたい。
お袋の味ってのを思い出すと少しお腹が空いた感じがした。
そんな事を思っていたら少し肌寒く感じる、運転手が暑がりなせいか車内はクーラーが効き過ぎているようだった。
僕はさっき走って逃げてきて汗だくになったから、汗とクーラーのコンビネーションで体が冷えてきた。しかしクーラー弱くしてくれとは言い出せなかった、コミュ障な自分が嫌になる。
寒そうな素振りをしていたら運転手が察して話しかけてきた。

運転手「お客さん寒いですか?クーラーちょっと弱くしましょうか?」
僕「あっ はい、少し…。」

運転手は若いのに長い距離を頼んだ僕を気にしてるようだった。タクシー乗った駅から東京駅までは電車だと30分位かな。
ちゃんとこの若造は料金払えるのか?そんな事思われていたのかもしれない。

運転手「道混んでますね、電車とかバスの時間大丈夫ですか?」
僕「大丈夫です、まだ余裕あるんで。」
運転手「それは良かったです、どこかお出掛けですか?」
僕「そうですね、友達の所へ…。」

僕は適当にはぐらかした、探られているような会話に気持ちの悪さを感じたのだ。
そんな折、パトカーが横にならんだ。ギクッ、内心驚いて心臓がドキドキした。少し寒かったはずの体が熱くなった。
なんだ、信号待ちかよ。そう安心しながら警官と目が合わないように前を見た。
僕はさっき犯罪を犯してしまったのだ、現場近くから電車に乗ると駅の防犯カメラに映ると思いタクシーに乗った。
そうこうしてる内に東京駅に着いた、料金は7,000円位だった。
やけになっていたとはいえ高い、タクシーに乗った事を少し後悔した。タクシーにも防犯カメラってあるんだ、僕は馬鹿だ…。
運転手は疑いながらも料金を伝えてきたが僕がすぐ払うと笑顔になった。
運転手からのありがとうございましたーを背中で聴きながらタクシーを降りて東京駅の改札口に向かう。

「どやすべ【逃げた僕には】」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代ドラマ」の人気作品

コメント

コメントを書く