二番目(セカンド)の刹那
4月8日②《あたしが日菜だと思ったの?》
「小波、起きてる?」
ドアの向こうからの日菜の声で目が覚めた。
見慣れない天井。そっか俺、異世界にいるんだった。
昨日は結局、僕の家に部屋も布団も余っていたので、2人を泊めることにした。
真央に言われた事を信じてこの家の物はいろいろと使わせてもらった。
朝は電化製品がないのかと思ったが、どちらかというと電線が通ってないという感じなのか、どっかに電池でも使ってるのか分からないが、電灯があった。電線が通ってない以上は使いすぎると切れるから節電するしかないが。
「ねぇ小波?寝てるの?」
「今起きた所だよ」
「入るわよー」
その声と共にドアが開くと、眠そうに目を擦っている日菜が部屋に入ってきた
体を起こして、そのままベットに座りながら挨拶する。
「おはよう、日菜」
「おはよう。あたしが日菜だと思った?」
「あ、悪い月菜だったか?」
「いや、日菜だけどさ。よく分かるなって」
「正直、自信があったわけじゃないけど、なんとなく日菜だな、と思って」
「ふーん……なかなかやるわね」
褒められたのか?
話しながら近づいてきた日菜が、僕の隣に座った。
「それで、月菜は?」
「まだ寝てるわよ。ちょっと話があってね」
「何か今日、やることある?」
「いや、僕はまだ特に決まってないけど」
「じゃあ、あたし達と一緒に行動してくれる?」
「別にいいけど、具体的に何するんだ?」
「気のせいって可能性も高いけど、元いた方の世界での知り合いを昨日見かけた気がしてさ。他にやることもないし探しておきたいんだ」
「それに僕は必要あるのか?」
「ボディガードよ。さぁ、月菜を起こして来るわね」
日菜が部屋を出た。ボディガードっていったい何をさせられるんだ。
日菜の知り合いなら日菜達で行けばいいと思うんだが。ただ、そうなると僕が暇に一日を過ごすことになりそうなので、着いて行くのが丁度いいか。
「小波~、出てきてー」
ドアの向こうから日菜に呼ばれたので部屋を出た。
「小波さん。おはようございます」
「おはよう。月菜」
「それじゃあ、まずは朝食にするわよ」
朝食? 確かにお腹は空いている。というか昨日、何も食べなかったのでかなりペコペコだ。でも何を食わされるんだ。
という不安もある中、言われるままにリビングのテーブルに座って待つ。日菜がフライパンを使って何かしてる。月菜は何もしてないが日菜の後ろにくっついている。
「はい。これ」
……野菜炒め? キャベツと豚肉を炒めただけの単純な極めて普通の野菜炒め。だが、その『普通』はここにあるはずがない異常な物だった。キャベツと豚肉はどっから調達したんだ? そう考えると豚っぽい魔物か何かの肉なのかも……いや魔物って何だよ。この世界にそんなのはいないはず。だとしても……
「何、食べたくないの?」
「いや、そういうわけでは。ただどうやって作ったのかと思って」
「どうって適当に炒めただけよ」
「そうじゃなくて材料は?」
「ここ一応、アンタの家ってことになってるんでしょ?食材くらい置いてあるに決まってるじゃない」
「あ……そっか」
それもそうだ。なら普通に食べれるのか? 世界が違うから何とも言えないが、いずれ食べなきゃ空腹で死にかねないし、作ってもらったんだから食べるか。悪くても腹痛辺りで済む事を祈ろう。
「で、何? 食べないの?」
「食べます。頂きます」
「あの……」
そうこうしていると、月菜がご飯を持ってきた。
「ん、ありがとう」
これも特筆すべき点のない茶碗に入ったご飯。米に詳しくはないが、見た感じ日本米だろう。ここ本当に異世界か?
「じゃあ、いただきます」
僕がそう言った時には2人は既に食べ始めていた。
ドアの向こうからの日菜の声で目が覚めた。
見慣れない天井。そっか俺、異世界にいるんだった。
昨日は結局、僕の家に部屋も布団も余っていたので、2人を泊めることにした。
真央に言われた事を信じてこの家の物はいろいろと使わせてもらった。
朝は電化製品がないのかと思ったが、どちらかというと電線が通ってないという感じなのか、どっかに電池でも使ってるのか分からないが、電灯があった。電線が通ってない以上は使いすぎると切れるから節電するしかないが。
「ねぇ小波?寝てるの?」
「今起きた所だよ」
「入るわよー」
その声と共にドアが開くと、眠そうに目を擦っている日菜が部屋に入ってきた
体を起こして、そのままベットに座りながら挨拶する。
「おはよう、日菜」
「おはよう。あたしが日菜だと思った?」
「あ、悪い月菜だったか?」
「いや、日菜だけどさ。よく分かるなって」
「正直、自信があったわけじゃないけど、なんとなく日菜だな、と思って」
「ふーん……なかなかやるわね」
褒められたのか?
話しながら近づいてきた日菜が、僕の隣に座った。
「それで、月菜は?」
「まだ寝てるわよ。ちょっと話があってね」
「何か今日、やることある?」
「いや、僕はまだ特に決まってないけど」
「じゃあ、あたし達と一緒に行動してくれる?」
「別にいいけど、具体的に何するんだ?」
「気のせいって可能性も高いけど、元いた方の世界での知り合いを昨日見かけた気がしてさ。他にやることもないし探しておきたいんだ」
「それに僕は必要あるのか?」
「ボディガードよ。さぁ、月菜を起こして来るわね」
日菜が部屋を出た。ボディガードっていったい何をさせられるんだ。
日菜の知り合いなら日菜達で行けばいいと思うんだが。ただ、そうなると僕が暇に一日を過ごすことになりそうなので、着いて行くのが丁度いいか。
「小波~、出てきてー」
ドアの向こうから日菜に呼ばれたので部屋を出た。
「小波さん。おはようございます」
「おはよう。月菜」
「それじゃあ、まずは朝食にするわよ」
朝食? 確かにお腹は空いている。というか昨日、何も食べなかったのでかなりペコペコだ。でも何を食わされるんだ。
という不安もある中、言われるままにリビングのテーブルに座って待つ。日菜がフライパンを使って何かしてる。月菜は何もしてないが日菜の後ろにくっついている。
「はい。これ」
……野菜炒め? キャベツと豚肉を炒めただけの単純な極めて普通の野菜炒め。だが、その『普通』はここにあるはずがない異常な物だった。キャベツと豚肉はどっから調達したんだ? そう考えると豚っぽい魔物か何かの肉なのかも……いや魔物って何だよ。この世界にそんなのはいないはず。だとしても……
「何、食べたくないの?」
「いや、そういうわけでは。ただどうやって作ったのかと思って」
「どうって適当に炒めただけよ」
「そうじゃなくて材料は?」
「ここ一応、アンタの家ってことになってるんでしょ?食材くらい置いてあるに決まってるじゃない」
「あ……そっか」
それもそうだ。なら普通に食べれるのか? 世界が違うから何とも言えないが、いずれ食べなきゃ空腹で死にかねないし、作ってもらったんだから食べるか。悪くても腹痛辺りで済む事を祈ろう。
「で、何? 食べないの?」
「食べます。頂きます」
「あの……」
そうこうしていると、月菜がご飯を持ってきた。
「ん、ありがとう」
これも特筆すべき点のない茶碗に入ったご飯。米に詳しくはないが、見た感じ日本米だろう。ここ本当に異世界か?
「じゃあ、いただきます」
僕がそう言った時には2人は既に食べ始めていた。
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