僕は間違っている
17話
白い扉の部屋の中は、あるもので埋め尽くされていた。壁中が彼杵の盗撮写真で、何枚も何枚も撮られているようだ。それに驚いたことに、どれも違う場面の写真で同じ写真が一つもない。
写真と一緒に部屋には一台のパソコンが置かれていた。それを起動すると、パスワードはかかっていなかったのですぐに中身を確認することができた。そこには様々なファイルが保存されていて、画像付きで毎日の『彼杵日記』が書かれていた。
────「今日も彼杵雪菜はとても美しかった。ああ、毎日俺に見られているのに気付かない…天然なのかい? 愛しているよ。僕だけのマイハニー」
など、日々のストーカー日記が書かれていた。
僕は思わず嘔吐しそうになるが、堪えてこの部屋とパソコンの中身を動画で撮る。そしてパソコンのユーエスビーメモリを外し、ポケットにしまった。
証拠を掴めたのはいいが、彼杵をどうしたのか本人に聞かなければ。そう思い、獅恩の部屋へ戻ろうとした時、
────ドンッッ
「暴れるな!! くそ! 颯海、気を付けろ!!目隠し外れてる!」
達秋の声が聞こえた。突如、獅恩がこちらに燎原の火の様に突進してくる。
「うっっ」
思い切り脇腹にクリーンヒットし、その場に蹲る。
「彼杵雪菜は、彼女は、俺だけのものなんだ!」
そう言いながら、手錠をかけられているのにも関わらず、僕に攻撃をしてくる。そのまま何度も繰り返される足蹴りに耐える。
「お前は、彼杵を物だと、思っているのか?」
「彼女はそれを望んでいるんだ!!」
「お前、頭イカれてるのか? 彼杵はそんなこと望む筈ない!!!! 彼杵をどこへやった!」
歯を噛み締め、痛みに堪えながらすぐさま殴り返す。みぞおちに当たったのか、床を転がり回る。
「知らない。俺は、失踪事件の犯人じゃない」
お腹を抑えながら、今更言い訳をしだす。そんなこと信じられるはずがない。
「じゃあどこにいるっていうんだよ、嘘をつくな!!」
「知らないって言ってるだろ!!」
今度は思い切り頭に足蹴りを食らう。運悪く壁にもぶつかり、「ゴツッ」と鈍い音が響く。ダメなところに当たったのか、体に力が入らない。
「颯海!!颯海!!」
達秋がこちらへ走ってくる。獅恩は殴り飛ばされ、床に這いつくばった状態になる。
「大丈夫。意識はある」
「後で病院に連れて行ってやる。少し待ってろ」
「ありがとう」
達秋に横に寝かせてもらい、安静な体制になる。少し楽だ。
数秒後、女子達も来たようで床に這いつくばった獅恩をみんなで縄で縛り付ける。
「颯海、救急車を呼んだわ。生きてなさいよ」
千夏が珍しく心配している。珠里も泣き喚いていて、僕をすごく心配してくれているようだ。慰めてあげたいけれど、あまり喋れない。冬野先輩も深刻な顔で僕を見つめている。
「千夏、これを」
鉛のように重い体をなんとか動かし、ポケットから自分のスマホとユーエスビーメモリを渡す。
「警察に、これ見せて。証拠だから」
「や、やめろ!! 見せるな!」
獅恩の大きい叫び声が聞こえてくるが、達秋が口を抑えて聞こえなくなる。
次第に救急車とパトカーが到着し、僕達はそれぞれ事情聴取をされ、救急車へ運ばれたりした。
写真と一緒に部屋には一台のパソコンが置かれていた。それを起動すると、パスワードはかかっていなかったのですぐに中身を確認することができた。そこには様々なファイルが保存されていて、画像付きで毎日の『彼杵日記』が書かれていた。
────「今日も彼杵雪菜はとても美しかった。ああ、毎日俺に見られているのに気付かない…天然なのかい? 愛しているよ。僕だけのマイハニー」
など、日々のストーカー日記が書かれていた。
僕は思わず嘔吐しそうになるが、堪えてこの部屋とパソコンの中身を動画で撮る。そしてパソコンのユーエスビーメモリを外し、ポケットにしまった。
証拠を掴めたのはいいが、彼杵をどうしたのか本人に聞かなければ。そう思い、獅恩の部屋へ戻ろうとした時、
────ドンッッ
「暴れるな!! くそ! 颯海、気を付けろ!!目隠し外れてる!」
達秋の声が聞こえた。突如、獅恩がこちらに燎原の火の様に突進してくる。
「うっっ」
思い切り脇腹にクリーンヒットし、その場に蹲る。
「彼杵雪菜は、彼女は、俺だけのものなんだ!」
そう言いながら、手錠をかけられているのにも関わらず、僕に攻撃をしてくる。そのまま何度も繰り返される足蹴りに耐える。
「お前は、彼杵を物だと、思っているのか?」
「彼女はそれを望んでいるんだ!!」
「お前、頭イカれてるのか? 彼杵はそんなこと望む筈ない!!!! 彼杵をどこへやった!」
歯を噛み締め、痛みに堪えながらすぐさま殴り返す。みぞおちに当たったのか、床を転がり回る。
「知らない。俺は、失踪事件の犯人じゃない」
お腹を抑えながら、今更言い訳をしだす。そんなこと信じられるはずがない。
「じゃあどこにいるっていうんだよ、嘘をつくな!!」
「知らないって言ってるだろ!!」
今度は思い切り頭に足蹴りを食らう。運悪く壁にもぶつかり、「ゴツッ」と鈍い音が響く。ダメなところに当たったのか、体に力が入らない。
「颯海!!颯海!!」
達秋がこちらへ走ってくる。獅恩は殴り飛ばされ、床に這いつくばった状態になる。
「大丈夫。意識はある」
「後で病院に連れて行ってやる。少し待ってろ」
「ありがとう」
達秋に横に寝かせてもらい、安静な体制になる。少し楽だ。
数秒後、女子達も来たようで床に這いつくばった獅恩をみんなで縄で縛り付ける。
「颯海、救急車を呼んだわ。生きてなさいよ」
千夏が珍しく心配している。珠里も泣き喚いていて、僕をすごく心配してくれているようだ。慰めてあげたいけれど、あまり喋れない。冬野先輩も深刻な顔で僕を見つめている。
「千夏、これを」
鉛のように重い体をなんとか動かし、ポケットから自分のスマホとユーエスビーメモリを渡す。
「警察に、これ見せて。証拠だから」
「や、やめろ!! 見せるな!」
獅恩の大きい叫び声が聞こえてくるが、達秋が口を抑えて聞こえなくなる。
次第に救急車とパトカーが到着し、僕達はそれぞれ事情聴取をされ、救急車へ運ばれたりした。
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