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外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜

血迷ったトモ

第114話 相談

「何となく分かった。理由は聞かないでおこう。」

「助かります。」

 聡の今の精神状態を一言で表すなら、『普通じゃない』であろう。

 産まれて初めて女性にあんな事をされ、戦闘が終わってからそんなに間が空いてない事を考慮しても、明らかにテンションはおかしいし、混乱していて正常な判断能力もあまり残ってない。

「えっと、今日は一旦帰っても良いですか?少し疲れました。詳しい話は後日って事で。…ほいっと。こんな感じで拘束したので、ドラゴンでも死ぬまで解けないレベルで頑丈なやつです。」

 ここまでは、最低限の説明をしないと、人としてどうかと思ったので、気力を振り絞ってしたが、これ以上は色々とボロを出しそうだ。

 その前に退散したいので、聡は考えうる限りで、常識的な範囲内で一番頑丈な手錠と足枷、目隠しも付けてから、『鏖殺』にかけていた【ヒュプノス】を解除する。

「…うぅ。」

 すると、意味のある言葉は発さない状態だが、ちゃんと意識はあるようで、自分の状態を確認しようと、頭を動かしている。

「そうか。…分かった。『鏖殺』をたった数時間で捕らえてくるなど、常識では考えられない程の働きをしたサトシを、こうして何時までも拘束する事も出来んだろう。今日はゆっくり休んでくれ。」

「ありがとうございます。…エーリカ。」

 あっさりと聡のお願いを聞いてくれたルドガーに、頭を下げて礼を言ってから、エーリカを真っ直ぐ見る。 

「何?」

「その、なんだ。えっと、必ずちゃんとした答えは出す。少し時間が欲しいんだが…。」

 顔を赤くしながら、聡は言う。申し訳なさそうにしなければならないのだが、この話になると、自然にキスを思い出してしまい、どうしてもまともに話す事が出来ないようだ。

「えぇ、分かってるわ。自分でもいきなりすぎたって思ってるから。」

 ヘタレた事を言ってる聡を、意外にもエーリカはあっさりと許してくれる。
 その好意を有難いと思いつつも、情けない思いでいっぱいになる。

「ありがとう。次の休みはいつ?」

「えっと、明後日だけど?」

「なら、空けといてもらいたいんだけど、大丈夫かな?」

「勿論よ。楽しみにしてるわね。」

 自分の事は、自分がよく分かっている。聡は、こういう大事な事は、絶対に無理矢理にでも期限を設けないと、相手の好意に甘えてズルズルと引き摺るタイプだった。

ーエーリカが巫山戯てああするとは、到底思えないからな…。いい加減自分自身との向き合いもしないと。ー

 この300年間において、人間的な成長など必要無く、【不老不死】の影響なのか、その構造があまり変わらなかった為、聡は彼女いない歴=年齢の、残念青年のままである。

 だから自分を追い詰めて、何とかしてまともにエーリカに聞かせることが出来るような答えを、しっかりと出さねばならない。

 勇気を振り絞ってキスしたのにも関わらず、答えを保留にされたエーリカに、笑顔で見送られながら、強く自分に言い聞かせるのだった。


「はぁ〜〜。童○の俺に、一体どうしろってんだい。」

 宿に戻った聡は、頭を抱えながらベッドに倒れ込む。

 呻きながら、どうしたものかと頭を悩ませる。

「…一輝にでも相談するか。」

 疲れた表情で、聡はスマホを取り出して、電話をかける。

『お?聡?どうしたんだ?』

「ちょっと悩み事がな。今、時間は大丈夫か?」

 長くなりそうなので、空いてるのかを確認する。

『勿論大丈夫だけど。そんなに深刻な話なのか?』

「一輝の脳が、理解を拒むレベルで深刻だぞ。」

『はははっ!面白い冗談だ!異世界に転移するよりも、よっぽどやべぇ話なのか!』

 深刻な悩みだというのに、何とも脳天気な返事が返ってくる。

「もう胃が痛いから、相談に乗ってくれると、超助かるんだけど。」

『な、何か笑って悪かったよ。幾らでも聞くから、ドーンと遠慮せずに話してくれ!』

 暗いトーンで話す聡に、漸くマトモに聞かないといけないという思いが生まれたのか、やっとの事で話を聞く態度を見せる。

「えっと、この悩みを話すにあたって、前提条件として話さなくちゃならんのが―」

 こうして、異世界に来てからの自分の行動、そして亜神になってしまった事、エーリカとの関係性について、洗いざらい話す。

「―以上が、これまでの経緯だ。そして、ここからが本題何だが『いや、ちょっと待ってくれ!』…ん?何だ?」

 告白された件について、話そうと思ったところ、一輝からストップがかかる。今までの話の中に、何か質問があるのだろうか。

『いや、何だも何も、神になったって、一体全体どういう事だ!?どんな奇跡だそれ!つーか、神って存在すんのね!?』

 どうやら、亜神になってしまったという点について、ツッコミを入れたかったようだ。聡自身も、どちらかといえば、無神論者だったので、その気持ちは良く分かる。

 一輝が落ち着くまで、聡はただ宥めるしかなかった。

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