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外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜

血迷ったトモ

第101話 嫌な予感しかしない

「ん?何か騒がしいような?」

「そうですね。何かあったのでしょうか?」

 宿での一件から3日後、聡とフラウは朝からギルドに来ていた。
 少し顔を合わせづらい雰囲気が、2人の間に漂ったりしたものの、別々に過ごす訳にもいかず、これまで幾つかクエストをこなしていた。
 
 今日も適当にクエストを受けるつもりだったのだが、ギルドの雰囲気が慌ただしいというか、怯えているかの様な感じを受けた。

 いつまでもこのまま往来に突っ立ってても、通行人の迷惑なので、取り敢えず中に入る2人。

「あ、サトシ!丁度良いところに!こっちに来て!」

 中に入った途端に、目敏くエーリカがやって来て、聡が何かを言う前に腕を絡めて、カウンターの奥へと引きずり込んでしまう。

「エーリカ?これは一体何事なんだ?」

 大慌てしているエーリカに、聡は戸惑いを隠せず、眉を顰めながら聞く。

「い、今は何も聞かずに、とにかく着いてきて。詳しい話は、ルドガーさんがするから。」

「お、OK。」

 鬼気迫る表情のエーリカに、たじろぎながらも頷いて、聡はそのまま引っ張られていく。もちろんその後ろからは、フラウが小走りで着いてきている。

 最短経路でルドガーの執務室に到着し、ノックもせずに飛び込むと、ルドガーが文句を言う間も無く聡をソファに座らせると、自身も当たり前のように隣に腰掛けるエーリカ。ちゃっかりフラウも聡の隣に座る。

「お、おう、良く来てくれたなサトシ。今から呼びに行こうかと考えていたところだ。」

「そんなに切羽詰まった状況なんですか?」

「あぁ、大分ヤバい。この街の、存続の危機ってところだ。」

 思ったよりも、深刻な状況のようで、ルドガーの山賊並の悪人面が、超極悪非道だけど物語中盤で呆気なく死ぬキャラクターレベルにまで酷くなっている。

「はい?…何かとんでもない魔物でも出現しましたか?」

 スケールの大きい話なので、聡は思わず聞き返してしまう。

「いや、そうでは無い。寧ろその方が、よっぽどマシだったぜ。」

「何があったんですか?詳しく聞かせて頂けますか?」

 厄介な魔物の方がまだマシとは、よっぽどの事なのだろう。

「…今朝、この街に商人が駆け込んで来たんだ。血相を変えてな。」

「商人ですか?」

 ただ商人が山賊やら盗賊やらに襲われて、それで駆け込んで来たのならば、それほど慌てる事では無いだろう。

「あぁ。…商人が言うには、立ち寄った村が1つ、消滅していたそうだ。」

「ほう、村が消滅ですか…って、消滅!?村人が全員、殺害されてしまっていたという事ですか!?」

 ルドガーから伝えられた、衝撃的な言葉に、聡は危うくスルーしかけてしまうところだった。

「いや、殺害では無い。村が丸ごと、物理的に消滅していたんだ。塵一つ残らずにだ。」

「はい?…塵一つ残らずに、ですか?」

 聡の記憶が確かなら、そんな事を成し遂げられる魔物や、エルフ等の長命種は、両手の指で数えられる程度である。

 だが塵一つ残らずに消したという言い方は、少し妙な感じである。破壊したでも、吹っ飛ばしたでも、クレーターを作ったでも無くだ。

「そうだ。…ここから馬で、半日の場所にある村なんだが、立ち寄った商人が言うには、跡形もなく消え去っていたそうだ。」

「…それで、ここまで慌てているという事は、その原因が分かってるという事でしょうか?」

 村が丸ごと消滅していたら、それは慌てるかもしれないが、その原因が分からなければ、気味が悪いだけだろう。

「…サトシは聞いた事ないか?こういった被害を齎す奴を。」

「…申し訳ありません。思い当たりません。」

 この300年間で、そんなとんでもない存在が誕生したのかと、聡は自身の表情が引き攣るのを感じる。

「…裏の連中の間では有名なんだが、『鏖殺』って奴が居る。冒険者達も、大体の奴は知っている、いわゆるお尋ね者なんだが、名の通り、奴が一旦暴れ出したら、その場にいる生物は皆殺しになるんだ。」

「…お尋ね者という事は、魔物では無いんですか。とんでもない奴ですね。」

 人間でそんな事が可能な奴など、そうそう現れはしない。可能なのは、勇者レベルの英雄ぐらいである。

「『鏖殺』が暴れ出すと、全ての物を消し去るんだ。どうやら奴の固有魔法らしいんだが、詳しい事は分かっていないんだ。」

「固有魔法ですか。それは何とも、恐ろしいですね。」

 固有魔法は、非常に強力である。固有魔法は、子孫に引き継がれる性質を持つ。そして、固有魔法を固有魔法たらしめるのは、その威力と効果の高さである。威力や効果が弱ければ、淘汰され、積極的に残されたりはしない。

 という事で、固有魔法で暴れ出すと、街そのものが消し飛ぶのは必至なのだ。

「場の状況から推測すると、そいつの仕業のであると見て間違い無いだろう。」

「どんな魔法なんですか?」

 消し去ってるのに、誰の仕業か分かるという事は、そんなに特徴的な痕跡が残るのかと、聡は戦慄しながらも問うのだった。

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