外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜
第86話 目が血走ってます
『ま、マジで!?早く紹介してくれ!』
 まんまと釣り上げられた一輝は、紹介されたところで、現実に会う事など出来ないとも知らずに、歓喜の声をあげて、カメラをオンにする。
「これは、遠くに居る人間と、会話が出来る魔道具でして、久々に友人と会話していたところなんです。コイツは一輝といいます。」
 一輝の顔がドデカく映った画面をフラウに見せながら、聡は簡潔に説明をする。言葉をグダグダと並べても、余計に混乱させるだろう。
「遠くの方とお話が出来る魔道具ですか!?それは凄い物ですね!聞いた事がありません!」
 簡単な説明のお陰か、フラウは驚きの声をあげはするものの、混乱した様子は無かった。
『もしも〜し。何で俺に視線をくれないの〜?』
「まぁまて。こっちにはスマホも携帯も無いんだ。初めて見る機械に驚いてる最中だから、少し待ってくれ。」
『はぁ!?今どき携帯もスマホも無いとか、どういうこっちゃ!?持ってなくても、見たことくらいはあるやろ!?って、そっちは異世界だったか!』
「そーゆー事や。」
 驚きのあまり顔を引き攣らせながら、大声を出す一輝は、画面に映るフラウが異世界の人間である事を思い出す。
『その子が驚きから復活する前に、プロフィールくらいは教えてくれないか?』
「あぁ、そうだな。つっても、今日会ったばかりだから、深くは知らんけどな。彼女はフラウさん。種族は…。」
 聡は言葉を切って、ニヤリと意地の悪い表情を浮かべながら、勿体ぶる。スマホでは無く、フラウがその横顔を、興味深そうに見ているとは知らずに。
『しゅ、種族!?まさかフラウさんは、人間じゃ無いのか!?エルフ!?ドワーフ!?竜人族!?一体どんな種族なんだ!?』
 そんか聡の表情は意に介さず、自身の欲望に忠実な一輝は、目をギラギラと輝かせて、食い入るように聡の次の言葉を待っている。
「…何と、吸血鬼、ヴァンパイアだ。」
『キタキタキタキタ〜!!超絶ファンタジーじゃないか!!牙とか、羽とか生えてるのか!?』
 突然だが、一輝はイケメンである。聡は母から、『一輝君は、聡を引き立て役にしてるんじゃないの?』と言われる程である。
 だが、一輝は自他ともに認める、口を開くと酷く残念イケメンなのだ。お陰で、彼女いない歴=年齢の、聡とお似合いの友人同士だった。
「牙はあるぞ。実際に俺も血を吸われたよ。けど、羽は無『な、何だと貴様ぁ!?そこの超絶美少女吸血鬼のフラウさんに、血を吸われただとぉ!?うらやまけしからん!!』落ち着け…。」
 その為、自身の首筋にある、まだ治してない2つの傷口を見せながら言うと、血走った目で聡を問い詰め始める。
「さ、サトシ様?もしや私の事を、そちらの方にお伝えになったのでは無いですよね?」
 首筋を見せている聡に、フラウが不安そうに聞いてくる。そこに残る2つの傷口を見れば、誰であろうと、その傷の理由が分かるのだ。不安になるのも仕方が無いだろう。
 しかし聡は、努めて明るい口調を意識する。
「はい、フラウさんの種族の事を伝えました。その結果がこれです。どういう感情を抱いているように見えますか?」
 穏やかな微笑を浮かべ、優しく語りかけるように、真っ直ぐにフラウを見ながら言う。
「…私の目には、喜んでいるように映ります。すくなくとも、悪感情は感じられません。」
 画面の前で興奮している一輝に、フラウは何とも言えない表情をする。
 吸血鬼と伝えられて、この様に喜ぶ人間が居るなどと、今まで夢にも思わなかったのだ。
「まぁここに映ってるのは、京極一輝っていう私の親友です。ですので、私と同じく、種族に関する偏見は持っていません。ですので心配しないで下さい。」
 ここまで、完全に聡のしたいようにしている為、最後の最後までフラウの面倒を見るつもりだが、出来れば彼女自身の力だけで、今後の生活を心穏やかに送って欲しい。
 その為には、人族全員が吸血鬼というだけで、敵意を向けてくる訳では無いと、知ってもらい、少しでも気楽に過ごせればと思ったのだ。
 実際には自分自身の態度で、それを示そうとしていたのだが、幸か不幸かこうしてスマホで通話しているのを発見されたので、誤魔化しも兼ねて利用させてもらったのだ。
『何を話してるか、全然分からないんだが、話は纏まったのか?』
「おう、取り敢えずは纏まったよ。吸血鬼は、人族とは仲が悪くてな、ちょっと街に入る際に手を貸したんだ。で、その縁で、妙に話し声が聞こえたから、この部屋に来たって感じなんだ。」
『マジか。まぁ確かに吸血鬼っていうと、闇のなんちゃらとか、悪のなんちゃらとか、そういう設定も多いよな。そんなに可愛いのに…。』
 一輝は目を見開いて驚く。しかし、直ぐに納得の表情を作り、残念そうに呟く。その顔は、見る人が見れば、イケメンの憂鬱そうな表情という事で、黄色い歓声をあげそうだが、どうせ『その場に居たら、優しく抱き締めて慰めてあげられるのに!』とか思ってるのだろうが、こういう時にイケメンはずるいなと、聡は少し嫉妬してしまうのだった。
 まんまと釣り上げられた一輝は、紹介されたところで、現実に会う事など出来ないとも知らずに、歓喜の声をあげて、カメラをオンにする。
「これは、遠くに居る人間と、会話が出来る魔道具でして、久々に友人と会話していたところなんです。コイツは一輝といいます。」
 一輝の顔がドデカく映った画面をフラウに見せながら、聡は簡潔に説明をする。言葉をグダグダと並べても、余計に混乱させるだろう。
「遠くの方とお話が出来る魔道具ですか!?それは凄い物ですね!聞いた事がありません!」
 簡単な説明のお陰か、フラウは驚きの声をあげはするものの、混乱した様子は無かった。
『もしも〜し。何で俺に視線をくれないの〜?』
「まぁまて。こっちにはスマホも携帯も無いんだ。初めて見る機械に驚いてる最中だから、少し待ってくれ。」
『はぁ!?今どき携帯もスマホも無いとか、どういうこっちゃ!?持ってなくても、見たことくらいはあるやろ!?って、そっちは異世界だったか!』
「そーゆー事や。」
 驚きのあまり顔を引き攣らせながら、大声を出す一輝は、画面に映るフラウが異世界の人間である事を思い出す。
『その子が驚きから復活する前に、プロフィールくらいは教えてくれないか?』
「あぁ、そうだな。つっても、今日会ったばかりだから、深くは知らんけどな。彼女はフラウさん。種族は…。」
 聡は言葉を切って、ニヤリと意地の悪い表情を浮かべながら、勿体ぶる。スマホでは無く、フラウがその横顔を、興味深そうに見ているとは知らずに。
『しゅ、種族!?まさかフラウさんは、人間じゃ無いのか!?エルフ!?ドワーフ!?竜人族!?一体どんな種族なんだ!?』
 そんか聡の表情は意に介さず、自身の欲望に忠実な一輝は、目をギラギラと輝かせて、食い入るように聡の次の言葉を待っている。
「…何と、吸血鬼、ヴァンパイアだ。」
『キタキタキタキタ〜!!超絶ファンタジーじゃないか!!牙とか、羽とか生えてるのか!?』
 突然だが、一輝はイケメンである。聡は母から、『一輝君は、聡を引き立て役にしてるんじゃないの?』と言われる程である。
 だが、一輝は自他ともに認める、口を開くと酷く残念イケメンなのだ。お陰で、彼女いない歴=年齢の、聡とお似合いの友人同士だった。
「牙はあるぞ。実際に俺も血を吸われたよ。けど、羽は無『な、何だと貴様ぁ!?そこの超絶美少女吸血鬼のフラウさんに、血を吸われただとぉ!?うらやまけしからん!!』落ち着け…。」
 その為、自身の首筋にある、まだ治してない2つの傷口を見せながら言うと、血走った目で聡を問い詰め始める。
「さ、サトシ様?もしや私の事を、そちらの方にお伝えになったのでは無いですよね?」
 首筋を見せている聡に、フラウが不安そうに聞いてくる。そこに残る2つの傷口を見れば、誰であろうと、その傷の理由が分かるのだ。不安になるのも仕方が無いだろう。
 しかし聡は、努めて明るい口調を意識する。
「はい、フラウさんの種族の事を伝えました。その結果がこれです。どういう感情を抱いているように見えますか?」
 穏やかな微笑を浮かべ、優しく語りかけるように、真っ直ぐにフラウを見ながら言う。
「…私の目には、喜んでいるように映ります。すくなくとも、悪感情は感じられません。」
 画面の前で興奮している一輝に、フラウは何とも言えない表情をする。
 吸血鬼と伝えられて、この様に喜ぶ人間が居るなどと、今まで夢にも思わなかったのだ。
「まぁここに映ってるのは、京極一輝っていう私の親友です。ですので、私と同じく、種族に関する偏見は持っていません。ですので心配しないで下さい。」
 ここまで、完全に聡のしたいようにしている為、最後の最後までフラウの面倒を見るつもりだが、出来れば彼女自身の力だけで、今後の生活を心穏やかに送って欲しい。
 その為には、人族全員が吸血鬼というだけで、敵意を向けてくる訳では無いと、知ってもらい、少しでも気楽に過ごせればと思ったのだ。
 実際には自分自身の態度で、それを示そうとしていたのだが、幸か不幸かこうしてスマホで通話しているのを発見されたので、誤魔化しも兼ねて利用させてもらったのだ。
『何を話してるか、全然分からないんだが、話は纏まったのか?』
「おう、取り敢えずは纏まったよ。吸血鬼は、人族とは仲が悪くてな、ちょっと街に入る際に手を貸したんだ。で、その縁で、妙に話し声が聞こえたから、この部屋に来たって感じなんだ。」
『マジか。まぁ確かに吸血鬼っていうと、闇のなんちゃらとか、悪のなんちゃらとか、そういう設定も多いよな。そんなに可愛いのに…。』
 一輝は目を見開いて驚く。しかし、直ぐに納得の表情を作り、残念そうに呟く。その顔は、見る人が見れば、イケメンの憂鬱そうな表情という事で、黄色い歓声をあげそうだが、どうせ『その場に居たら、優しく抱き締めて慰めてあげられるのに!』とか思ってるのだろうが、こういう時にイケメンはずるいなと、聡は少し嫉妬してしまうのだった。
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