外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜
第85話 見付かりました
宿に戻った聡は、アデリナに生暖かい目を向けられながらも、どうにか自身の隣の部屋に、フラウの部屋とり、夕食までの時間は自由時間として、一旦解散にした。
 フラウは禁断症状から漸く解放されたばかりで、体力的にも精神的にも消耗が激しいだろうと、聡が気を遣ったのだ。
「お?電話か。一輝か!懐かしいな。」
 スマホを見ていると、大学の友人である、京極一輝からの連絡がくる。それに、聡は思わず目を輝かせる。小学生時代からの、古い友人で、趣味もそれなり合ったので、10年以上仲良くしていた。
「もしもし。久しぶり。」
『おう、久しぶり…って、一週間前に遊びに出掛けたばっかりじゃないか?』
「あぁ、そういえばそうだったな。すっかり忘れてたわ。」
 一輝からのツッコミに、聡は苦笑いしながら謝る。遠い記憶の彼方を探ると、確かにその通りであり、『久しぶり』というセリフは相応しく無かった。
『おいおい!一週間会わなかっただけで、爺さんにでもなっちまったのか?』
「はははは。まさか。浦島太郎じゃあるまいし。」
 聡は笑うが、紛れもない事実なので、その顔は引き攣っている。
「それよりも、どうかしたのか?」
『いやいやいや。『どうかしたのか?』じゃ無いだろ。海外に拉致されたとか、普通に心配するだろ。』
「あ〜、なるほどな。まぁ命に別状は無いから、普通に安心してくれ。」
『電話が通じるって事は、それなりにインフラが整った所なのか?』
 一輝の言葉に、どう答えたものかと、少し悩む聡。家族には、余計な心配をかける可能性がある為、本当の事は言わなかったが、友人の1人くらいになら、話してしまっても、別に良いのではと考えたのだ。
「…いや、インフラは整ってないよ。その辺を、馬車が走り、鎧を着た兵士が歩き回ってるぐらいの文明レベルだ。」
『はぁ!?馬車!?鎧を着た兵士!?そこは一体どんな片田舎なんだ!?』
 一輝は驚く。それは当然だろう。現代の地球の何処に、そんな場所があるというのか。
「そして、冒険者なんて存在も居る。」
『…冒険者だって?そいつはまるで…。』
「異世界みたい、だろ?」
 聡は一輝に、真実を告げる事に決めた。こうして同郷の人間と話している中で、誰にも話せないのは、結構ストレスを感じるので、本音を話せる人間が欲しかったのだ。
『おいおい…。まさか、本当に異世界なのか?自分で言っといて、アホらしくなってくるんだけど。』
「残念な事に、大正解だ。今から俺が魔法を使ってる様子を、電話しながら映すか?」
『マジで言ってるのか?だとしたら、ものすげぇ見せて欲しいんだが。』
 魔法という言葉に、予想以上に食いつく一輝。オタクの血が騒ぐらしい。
「じゃあ、軽く映すぞ。」
『おぉ。何か文明レベルが丸分かりな内装の部屋に居るのな。』
 カメラに写った映像を見て、何とも失礼な事を言う一輝。
「まぁそう言うなよ。それよりも、まずは手品地味たものから。…ほいっ。」
『おおぉ!?何も無い空間から、日本で持ってたら、即お縄にかかりそうな、物騒な直剣が!』
「期待通りに、凄い良い反応してくれるな。んじゃあ、お次は…【ライト】…あ、眩しすぎっ!」
 光属性の【ライト】は、ただ単に光を放つだけの、明かりにしか使えない魔法である。
 普通の魔法を放つと、宿が全壊するので、態々気を遣ったのだが、異様に眩し過ぎる光が、聡の目を襲う事になってしまった。
『す、すげぇ…って、うわぁ!?め、目がぁ、目がァァァ!』
 画面の向こう側にも届いたようで、一輝はどこぞの大佐みたいな悲鳴をあげながら、騒いでいる。
 普通の宿の中でこんだけ騒いでいれば、当然に隣の部屋にも丸聞こえなのだが、運の悪い事に、隣の部屋の住人は、聡に恩義を感じているフラウの部屋であった為、心配して駆け付けて来てしまう。
『さ、サトシ様!?一体何を騒がれてるのですか!?な、中に入らせていただきます!』
「よ、よし。【ライト】を解除して…って、え?」
 外からかけられた、フラウの言葉を聡が理解するよりも早く、『ガチャリ』と無慈悲にも開け放たれる部屋のドア。
『お、収まったか…って、何その超絶美少女!?何で聡の部屋に入って来てるんだ!?』
 身体ごとドアの方を向いたので、自然とカメラがフラウの姿を捉えてしまい、それを見た一輝が大声で聡を問い詰める。
「ぎ、銀色の板から、人間の声が?そ、それは一体何ですか?良く分からない言語のようですね。それに、サトシ様も先程まで、同様に理解出来ない言語を使っていたようですが…。」
 本来であれば、召喚の魔法陣の効果で、日本語を話していても、こちらの世界の人々に通じるようになっていたが、時間は大量にあったので、言語を学び、普段は効果をオフにして、普通に生活していたのだ。その為、聡が電話した時に使っていた日本語は、フラウには理解出来なかったのだ。
「あ、フラウさん…。これはその、何と言いますか…。おい一輝。お前もカメラをオンにしろ。超絶美少女を紹介してやろう。」
 フラウに説明する為、上手いこと一輝を餌で釣り上げ、自身のやりやすいように、状況を整える聡。何でこうなったと、後悔が押し寄せてくるが、取り敢えずはフラウに説明するのが先だ。
 痛む頭を押さえながら、聡は軽く溜息をつくのだった。
 フラウは禁断症状から漸く解放されたばかりで、体力的にも精神的にも消耗が激しいだろうと、聡が気を遣ったのだ。
「お?電話か。一輝か!懐かしいな。」
 スマホを見ていると、大学の友人である、京極一輝からの連絡がくる。それに、聡は思わず目を輝かせる。小学生時代からの、古い友人で、趣味もそれなり合ったので、10年以上仲良くしていた。
「もしもし。久しぶり。」
『おう、久しぶり…って、一週間前に遊びに出掛けたばっかりじゃないか?』
「あぁ、そういえばそうだったな。すっかり忘れてたわ。」
 一輝からのツッコミに、聡は苦笑いしながら謝る。遠い記憶の彼方を探ると、確かにその通りであり、『久しぶり』というセリフは相応しく無かった。
『おいおい!一週間会わなかっただけで、爺さんにでもなっちまったのか?』
「はははは。まさか。浦島太郎じゃあるまいし。」
 聡は笑うが、紛れもない事実なので、その顔は引き攣っている。
「それよりも、どうかしたのか?」
『いやいやいや。『どうかしたのか?』じゃ無いだろ。海外に拉致されたとか、普通に心配するだろ。』
「あ〜、なるほどな。まぁ命に別状は無いから、普通に安心してくれ。」
『電話が通じるって事は、それなりにインフラが整った所なのか?』
 一輝の言葉に、どう答えたものかと、少し悩む聡。家族には、余計な心配をかける可能性がある為、本当の事は言わなかったが、友人の1人くらいになら、話してしまっても、別に良いのではと考えたのだ。
「…いや、インフラは整ってないよ。その辺を、馬車が走り、鎧を着た兵士が歩き回ってるぐらいの文明レベルだ。」
『はぁ!?馬車!?鎧を着た兵士!?そこは一体どんな片田舎なんだ!?』
 一輝は驚く。それは当然だろう。現代の地球の何処に、そんな場所があるというのか。
「そして、冒険者なんて存在も居る。」
『…冒険者だって?そいつはまるで…。』
「異世界みたい、だろ?」
 聡は一輝に、真実を告げる事に決めた。こうして同郷の人間と話している中で、誰にも話せないのは、結構ストレスを感じるので、本音を話せる人間が欲しかったのだ。
『おいおい…。まさか、本当に異世界なのか?自分で言っといて、アホらしくなってくるんだけど。』
「残念な事に、大正解だ。今から俺が魔法を使ってる様子を、電話しながら映すか?」
『マジで言ってるのか?だとしたら、ものすげぇ見せて欲しいんだが。』
 魔法という言葉に、予想以上に食いつく一輝。オタクの血が騒ぐらしい。
「じゃあ、軽く映すぞ。」
『おぉ。何か文明レベルが丸分かりな内装の部屋に居るのな。』
 カメラに写った映像を見て、何とも失礼な事を言う一輝。
「まぁそう言うなよ。それよりも、まずは手品地味たものから。…ほいっ。」
『おおぉ!?何も無い空間から、日本で持ってたら、即お縄にかかりそうな、物騒な直剣が!』
「期待通りに、凄い良い反応してくれるな。んじゃあ、お次は…【ライト】…あ、眩しすぎっ!」
 光属性の【ライト】は、ただ単に光を放つだけの、明かりにしか使えない魔法である。
 普通の魔法を放つと、宿が全壊するので、態々気を遣ったのだが、異様に眩し過ぎる光が、聡の目を襲う事になってしまった。
『す、すげぇ…って、うわぁ!?め、目がぁ、目がァァァ!』
 画面の向こう側にも届いたようで、一輝はどこぞの大佐みたいな悲鳴をあげながら、騒いでいる。
 普通の宿の中でこんだけ騒いでいれば、当然に隣の部屋にも丸聞こえなのだが、運の悪い事に、隣の部屋の住人は、聡に恩義を感じているフラウの部屋であった為、心配して駆け付けて来てしまう。
『さ、サトシ様!?一体何を騒がれてるのですか!?な、中に入らせていただきます!』
「よ、よし。【ライト】を解除して…って、え?」
 外からかけられた、フラウの言葉を聡が理解するよりも早く、『ガチャリ』と無慈悲にも開け放たれる部屋のドア。
『お、収まったか…って、何その超絶美少女!?何で聡の部屋に入って来てるんだ!?』
 身体ごとドアの方を向いたので、自然とカメラがフラウの姿を捉えてしまい、それを見た一輝が大声で聡を問い詰める。
「ぎ、銀色の板から、人間の声が?そ、それは一体何ですか?良く分からない言語のようですね。それに、サトシ様も先程まで、同様に理解出来ない言語を使っていたようですが…。」
 本来であれば、召喚の魔法陣の効果で、日本語を話していても、こちらの世界の人々に通じるようになっていたが、時間は大量にあったので、言語を学び、普段は効果をオフにして、普通に生活していたのだ。その為、聡が電話した時に使っていた日本語は、フラウには理解出来なかったのだ。
「あ、フラウさん…。これはその、何と言いますか…。おい一輝。お前もカメラをオンにしろ。超絶美少女を紹介してやろう。」
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