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外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜

血迷ったトモ

第64話 試し撃ちに行こう

「おぉ…!懐かしいなぁ…。」

 聡は、スマホの画面を覗き込み、独り言をぶつぶつと言いながら、スクロールさせていく。
 今は、過去に見ていたアニメを、1話から順に見だしたところである。

 と、そこに、部屋のドアがノックされ、ティアナが外から声をかけてくる。

『お兄ちゃん?起きてる?朝ご飯出来てるよ〜?』

「え…。」

 その言葉に驚き、慌てて部屋を見渡すと、窓から朝日が入って来ていて、すっかり夜が明けているのが分かった。
 どうやら、朝を迎えたのにも関わらず、全然起きてくる気配が無い聡を、起こしに来てくれたようだ。

「あ、起きてるよ。今から行くから、大丈夫だよ。」

『うん、分かった!用意して待ってるね!』

 慌てて返事すると、ティアナは元気な声で返してから、トタトタと足音をたてて、下に降りて行く。

「マジかぁ…。」

 部屋の中が明るくなっている事に気が付かないほど、熱中してしまった事に、苦笑いの聡。この300年間、どれだけネットに飢えていたのだろうか。
 まぁ、こうしていても始まらないので、聡は少しの間、目を閉じて、全身を弛緩させる。

「…うん。これで大丈夫か。」

 数秒後、目を開けた聡の表情は、先程の寝不足の疲れた様子から、一気に活力溢れる表情へと変化していた。

「【不老不死】は便利だな。ま、多用はしたくないけど。」

 聡は、【不老不死】発動させて、疲れをとったのだ。エナジードリンク要らずの、羨ましいスキルであるが、あくまで『人間らしい生活』を望む聡には、あまり好ましくない使用方法だった。

 今回は、午前中にしたい事があったのと、午後からのエーリカとの約束の為に、仕方なく使用したまでだ。

「さて、行くか。」

 モタモタしていては、折角の食事が冷めてしまうので、聡はベッドから立ち上がって、部屋から出る。こうして、聡の慌ただしい1日は、始まりを告げたのだった。


「よっしゃ、やるか!」

 朝食後、聡はまたしても小鬼の森へと足を運んでいた。
 その理由は、今、聡が手にしている、黒光りする物騒な代物の試し撃ちである。

「流石に大地を抉るような威力は無いだろうけど、一応念の為な…。」

 適当に、聡が腕を回したぐらいの太さの木に向けて狙いを定め、軽い気持ちで引き金を引く。

『ズガン!!』

「あれ?」

 乗用車が正面衝突したかのような轟音で、弾丸が発射される。
 弾丸はそのまま、10本ちょいの木々を貫き、それらはメキメキと音を立てて、順々に倒れていく。

「嘘だろおい…。」

 そんな中、聡は威力よりも、別の事に対して驚きの声をあげていた。

「い、威力も想定以上だけど、それよりも弾丸の速度だ…。俺の目で簡単に追えたぞ…。」

 これは、聡の作った銃の性能が悪い訳では無い。寧ろ、速さも数倍はある。
 だが、聡の目はそれを正確に捉え、尚且つ余裕で追う事が出来たのだ。

「…生命力だけじゃなくて、生物としての機能その物が、人間を辞めちまってるのかよ…。笑うしかないわ。」

 そう言うが、聡の表情は全然笑っていなかった。

「こりゃあ、お兄様の銃弾掴みも、全身真っ黒の剣士の銃弾弾きも余裕で再現出来るな…。」

 ただの試し撃ちのつもりが、思わぬ事実が判明する事になり、気落ちする聡。

「…さ、さて、別の弾丸を試すか。」

 気を取り直し…ては無いが、昨日のうちに作っておいた、別の弾丸を装填する。
 次は、弾頭を固めのゴムで作った、非致死性のいわゆるゴム弾である。素手やその他の方法では、人間相手に加減を間違えてしまう可能性もある為、ゴム弾は聡にとって超重要な物になる。

「今度は頼むぞ…。」

 一抹の希望を胸に、引き金を引く聡。今度は『パンッ』と乾いた音を発してから、ゴム弾はそれなりの速度で飛翔し、木にぶち当たると、そのまま跳ね返り、あらぬ方向に転がっていく。

「おぉ!さっきよりは、若干速度は落ちてるけど、これなら普通の人間なら死なんだろう!」

 近寄って見ると、当たった所は少し凹んでいるが、人間でも十分に耐えられる威力だろう。

「他には…。いや、他は別のところでやろう…。」

 一発目の威力を思い出し、他のバリエーションの弾丸を試すのは止める聡。爆発したり、電撃が発せられたり、弾頭が炸裂したり等々、えげつないものばかりなのだ。
 こんなとこでぶっ放したら、環境破壊もいい所である。

「ま、取り敢えずは通常弾と、ゴム弾で十分だろう。使わない事に越したことはないけどな。」

 昨日作っておいたホルスターに差し、凝った肩をぐるぐる回して解す。初めて実弾を発射し、知らないうちに、身体に力がはいっていたのだろう。

「さて、時間は…もう11時か。さっさと戻らないと、エーリカとの約束に間に合わなくなるな。」

 ポケットからスマホを取り出し、時刻を確認する。
 買い物に付き合う前に、何か腹に入れておかないと、その最中に、お腹をぐーぐー鳴らす事になるだろう。

 取り敢えず、今日のところは引き上げることにしたのだった。

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