外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜
第58話 ぶっちゃけます
「さ、サトシ殿。あなたは、今朝ギルドに登録したばかりだと聞いているのですが、この数を、たった一度の依頼中に討伐したのですか?」
 驚愕の表情のまま、コルネリウスが聞いてくる。
「はい、そうです。戦闘は避けるつもりだったんですが、真新しい、人が襲われた痕跡を発見したので、巣の中心部に向かう途中に数匹、ニコラ様を発見してからは、余裕が無かったので、その場に居たゴブリンとゴブリンキングを皆殺しにしました。」
 そう言って、自分の手に視線を落とす聡。
ーそういえば、あれだけの命を、この手で奪ったんだよな。しかもあんな短時間で…。いや、今は気落ちしてる場合じゃない。ー
 人類に仇なす存在とはいえ、今更ながらに『命を奪った』という事実に、気が重くなる聡。
「サトシ殿?どうかされましたか?」
 急に眉を顰めた聡に、また何か、気に触る事をしてしまったのかと思い、ちょっと慌てながら聞くコルネリウス。
「いえ、何でもありません。それよりも、ニコラ様のご容態はどうですか?」
「ご心配には及びません。多少の疲労と擦り傷はあるものの、娘は健康そのものだと、医師が言っておりました。今は、大事をとって、寝かせております。」
 そんな事を話していると、隣に座っているエーリカとの距離が、どんどん詰められてきて、最初は余裕もって座れていたのに、現在では最大限端っこに寄っているのにも関わらず、その距離は拳一つ分となっていた。
「し、しかし、何だってニコラ様は、あのような危険な場所におられたのですか?」
 部屋に入って来てから感じる、彼女の熱い視線に、そろそろ居心地の悪さを隠し切れなくなってきた聡は、何とか気にしないフリをしながら、コルネリウスとの話を続ける。
「それは、えっと、お恥ずかしい話なのですが、私には子供があれしか居ませんで、少々甘やかし過ぎてしまったようなのです。それで、今日、少し強く説教したところ、納得がいかなかったようで、行商人に紛れて街から出て、森に向かったのです。」
 本当に申し訳なさそうに肩を縮こまらせながら、コルネリウスは理由を説明し始める。
「娘は、同年代に比べると、比較的魔法が使えまして、それで調子に乗ってしまったようなのです。今朝、『街の外に出て、レベル上げがしたい!』と言うので、危険だから、専門の護衛を用意するから少し日数をくれと言ったら、『護衛は要らないから、今すぐ行きたい』と言われたので、慌てて説教してしまい、少し口調が強くなってしまったのです。」
「…なるほど。それで、見返してやろうと、この付近で一番簡単な魔物が群れで居て、あまり遠くはない小鬼の森に、単身突撃したという事ですか。」
 そうこう話している内に、エーリカとの距離が、いよいよ少しでも動けば触れてしまう、という位置にまできていた。
「えっと、そ、そういえば、ルドガーさん。私が採取してきたルング草は、どうなりましたか?」
 引き攣りそうな表情に、無理矢理、自然な表情を張り付けながら問う聡。
 いきなり話を振られたルドガーは、一瞬戸惑いを見せるものの、ちゃんと答えてくれる。
「ん?あ、あぁ。ルング草なら、ギルドの方で、一旦預かってるぞ。そんな事よりも、ニコラ様から気になる情報が寄せられてるんだが。」
 しかし、ルドガーは、聡に対して、見極めるかのような視線を向けてくる。
「気になる情報ですか?」
 それを見た聡は『何かやらかしたっけ?』と内心首を傾げるが、思い当たらないので、取り敢えずルドガーの言葉を待つ事にする。
「あ〜、サトシが素手でゴブリンキングと、ゴブリンを全部倒したっていう話か?いくらサトシでも、それは無理があるだろう。ハハハハ!」
 と、そこに、ルドルフの能天気な発言が降ってくる。
 そんな能天気な発言に対し、冷や汗をダラダラかきながら、そっぽを向こうとする聡。
「…。」
「え?おい、サトシ?」
「「「「サトシ (殿)(さん) (様)?」」」」
 聡のおかしな様子に、全員が『まさか』という表情で、じっと視線を向けてくる。
 その為、とうとう聡は誤魔化しきれなくなってしまう。
「はい…。全てを素手、及び蹴りで倒しました…。」
 諦めた表情で、その情報が事実であると認める聡。
「し、真実だ…。」
「「「「…。 (絶句)」」」」
 スキル『看破』を持つルドガーによって裁定が下され、それが真実であると分かった一同は、今度こそ言葉を発されられなくなるほど、驚いてしまう。
「…まず、ゴブリンキングが、ニコラ様を襲う寸前でしたので、飛び蹴りをかまして、何メートルか吹き飛ばしました。で、その後に、保護したニコラ様を抱きかかえながら、ゴブリンキングに接近して、すれ違いざまに手刀で首を落としました。次に、集まってきていたゴブリン共は、威圧しながら攻撃を仕掛けて、5秒ほどで全滅させました。」
 もうどうにでもなれ〜の精神で、事細かにぶっちゃける聡。
 暫くの間、その部屋の中は、沈黙が支配したそうだ。
 驚愕の表情のまま、コルネリウスが聞いてくる。
「はい、そうです。戦闘は避けるつもりだったんですが、真新しい、人が襲われた痕跡を発見したので、巣の中心部に向かう途中に数匹、ニコラ様を発見してからは、余裕が無かったので、その場に居たゴブリンとゴブリンキングを皆殺しにしました。」
 そう言って、自分の手に視線を落とす聡。
ーそういえば、あれだけの命を、この手で奪ったんだよな。しかもあんな短時間で…。いや、今は気落ちしてる場合じゃない。ー
 人類に仇なす存在とはいえ、今更ながらに『命を奪った』という事実に、気が重くなる聡。
「サトシ殿?どうかされましたか?」
 急に眉を顰めた聡に、また何か、気に触る事をしてしまったのかと思い、ちょっと慌てながら聞くコルネリウス。
「いえ、何でもありません。それよりも、ニコラ様のご容態はどうですか?」
「ご心配には及びません。多少の疲労と擦り傷はあるものの、娘は健康そのものだと、医師が言っておりました。今は、大事をとって、寝かせております。」
 そんな事を話していると、隣に座っているエーリカとの距離が、どんどん詰められてきて、最初は余裕もって座れていたのに、現在では最大限端っこに寄っているのにも関わらず、その距離は拳一つ分となっていた。
「し、しかし、何だってニコラ様は、あのような危険な場所におられたのですか?」
 部屋に入って来てから感じる、彼女の熱い視線に、そろそろ居心地の悪さを隠し切れなくなってきた聡は、何とか気にしないフリをしながら、コルネリウスとの話を続ける。
「それは、えっと、お恥ずかしい話なのですが、私には子供があれしか居ませんで、少々甘やかし過ぎてしまったようなのです。それで、今日、少し強く説教したところ、納得がいかなかったようで、行商人に紛れて街から出て、森に向かったのです。」
 本当に申し訳なさそうに肩を縮こまらせながら、コルネリウスは理由を説明し始める。
「娘は、同年代に比べると、比較的魔法が使えまして、それで調子に乗ってしまったようなのです。今朝、『街の外に出て、レベル上げがしたい!』と言うので、危険だから、専門の護衛を用意するから少し日数をくれと言ったら、『護衛は要らないから、今すぐ行きたい』と言われたので、慌てて説教してしまい、少し口調が強くなってしまったのです。」
「…なるほど。それで、見返してやろうと、この付近で一番簡単な魔物が群れで居て、あまり遠くはない小鬼の森に、単身突撃したという事ですか。」
 そうこう話している内に、エーリカとの距離が、いよいよ少しでも動けば触れてしまう、という位置にまできていた。
「えっと、そ、そういえば、ルドガーさん。私が採取してきたルング草は、どうなりましたか?」
 引き攣りそうな表情に、無理矢理、自然な表情を張り付けながら問う聡。
 いきなり話を振られたルドガーは、一瞬戸惑いを見せるものの、ちゃんと答えてくれる。
「ん?あ、あぁ。ルング草なら、ギルドの方で、一旦預かってるぞ。そんな事よりも、ニコラ様から気になる情報が寄せられてるんだが。」
 しかし、ルドガーは、聡に対して、見極めるかのような視線を向けてくる。
「気になる情報ですか?」
 それを見た聡は『何かやらかしたっけ?』と内心首を傾げるが、思い当たらないので、取り敢えずルドガーの言葉を待つ事にする。
「あ〜、サトシが素手でゴブリンキングと、ゴブリンを全部倒したっていう話か?いくらサトシでも、それは無理があるだろう。ハハハハ!」
 と、そこに、ルドルフの能天気な発言が降ってくる。
 そんな能天気な発言に対し、冷や汗をダラダラかきながら、そっぽを向こうとする聡。
「…。」
「え?おい、サトシ?」
「「「「サトシ (殿)(さん) (様)?」」」」
 聡のおかしな様子に、全員が『まさか』という表情で、じっと視線を向けてくる。
 その為、とうとう聡は誤魔化しきれなくなってしまう。
「はい…。全てを素手、及び蹴りで倒しました…。」
 諦めた表情で、その情報が事実であると認める聡。
「し、真実だ…。」
「「「「…。 (絶句)」」」」
 スキル『看破』を持つルドガーによって裁定が下され、それが真実であると分かった一同は、今度こそ言葉を発されられなくなるほど、驚いてしまう。
「…まず、ゴブリンキングが、ニコラ様を襲う寸前でしたので、飛び蹴りをかまして、何メートルか吹き飛ばしました。で、その後に、保護したニコラ様を抱きかかえながら、ゴブリンキングに接近して、すれ違いざまに手刀で首を落としました。次に、集まってきていたゴブリン共は、威圧しながら攻撃を仕掛けて、5秒ほどで全滅させました。」
 もうどうにでもなれ〜の精神で、事細かにぶっちゃける聡。
 暫くの間、その部屋の中は、沈黙が支配したそうだ。
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