外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜
第37話 付与魔法
 「これはまさに、死屍累々ってのがピッタリな光景だな…。」
 聡は、目の前に広がる光景を見て、思わず呟いてしまう。
 マリウスとの話し合いの後、夜遅くまでまで村を救った英雄の旅立ちを祝しての、飲み会が開催され、ここでも揉みくちゃにされた聡。
 
 酒が並々と入った樽を持ち上げて、そのまま綺麗に飲み干す蟒蛇親子こと、マリウスとイルマ(この世界では飲酒は14、15歳くらいから)と勝負したり、若い頃は女の子相手にブイブイ言わせていたというオッサンが、その武勇伝を聡に語っている最中に、顔に嘘っぽい笑顔を貼り付けた奥さんにドナドナされていったりなど、それはもうカオスな状況であった。
 中には、あからさまな色仕掛けみたいな事をしてくるお姉さま方が発生したりもしたが、概ね平和的に飲み会は進行していった。
 そして次第に、1人、また1人とダウンする者が出てきて、空が白み始める頃には、聡のみが生き残っている状態であった。
「すぅ〜…。」
 聡は、自身の膝の上でぐっすりと眠っている、イルマに目をやる。いくら酒に強いといっても、流石に樽で一気飲みはやりすぎたようだ。顔を真っ赤にして、若干ダル絡みをしてきたイルマを適当にあしらっていたら、何故か聡の膝の上に収まってしまい、今に至るのだった。
「…しかし、運が良かったな。下手すれば、どこの村にも受け入れてもらえずに、あのまま荒地を彷徨う未来もあったんだよな。」
 そういう点では、聡がイルマ達に出会ったのは、非常に幸運なことであった。
「ありがとう…。」
 聡は、優しい微笑みを浮かべながら、イルマの頭を撫でる。日本に居た頃は、女の子相手にこんな事が自然に出来る性格では無かったが、何となく、今こうするべきな気がした。
「…ぅん?」
 すると、急にイルマが身動ぎしだした。
 そして、薄らと目を開けて、ぼんやりと聡の顔を見る。
「おはよう。起こしちゃったかな。」
「おはよう…。え?あれ?」
 イルマの目が、周囲をグルグルと見回している。その心中を察するに、『あれ?何で起きたらサトシさんが目の前に?』などと、混乱を起こしてるのだろう。
「ひ、膝枕!?」
 数十秒後、自身の状態を完全に把握したイルマは、大慌てでガバッと起き上がり、聡から距離をとる。
「おっと。急に起きたら、立ちくらみしちゃうよ?」
 唐突に飛び起きたイルマに、苦笑いする聡。
「さ、サトシさん…。その、昨晩はすみませんでした!」
「え?あ、記憶あるの?」
「は、はい。朧げながら…。」
 ダル絡みの最中に、何回もスキンシップをしてきて、鋼の精神でそれらを耐えきった聡。その事を思い起こし、イルマは頭から湯気が出そうな程、顔を真っ赤に染め上げて、縮こまっている。
「そうなんだ。まぁでも気にしてないから大丈夫だよ。寧ろ、イルマみたいな可愛い子に絡まれて、役得だったぐらいだよ。」
 日本に居た頃、友人の中には、酒に酔うとニヤニヤしだし、挙句の果てには男女問わずキスを仕掛けてくる、マジでヤバい奴が居たため、聡からすれば、イルマにとっての痴態は、可愛いものであった。
 
 寧ろ、今後イルマが、他の男性に対して似たような事をして、酷い目に合わされないかの方が、問題である。そんな訳で、聡は頭の中で、何か良いアイディアはないかと、模索を始める。
ー何かアクセサリーみたいな形状で、警報装置みたいなのを作るか?俺個人に対して、何らかのシグナルを発して、位置情報を送信する感じで。発動条件は…イルマに対して一定以上の害意が向けられる、対処不可能な危機が迫る、そしてイルマ自身が任意に呼びかける。うん、これにしようか。ー
 何を作るのか、頭の中で整理がついた聡は、アイテムボックスから、シルバーのチェーンに、綺麗なエメラルドがぶら下がっているネックレスを取り出す。
「サトシさん?」
 急に黙り込み、そして何かを思いついたような表情で、ネックレスを取り出した聡に対して、イルマが不思議そうに問いかける。
「ちょっと待っててね。」
「うん、分かった。」
ーさて、ここで【魔法創造】さんの出番だ。この世界では、【付与魔法】により、道具に魔法の効果をエンチャント出来る。だからまず、【付与魔法】を作ってから、設定した条件で信号を発する【信号】、そして…【魔除の盾】とでも名付けるか?まぁ、防御魔法を作って…。後は、ネックレスそのものを丈夫にするために、【強化】でも作って…。よし。ー
「【付与】!」
  手をネックレスに向けて、先程作った魔法を全て付与していく。すると、聡の手から白い光が発せられ、その光がそのままネックレスへと移動して、全体を優しく包み込む。
 【付与魔法】は、MPを込めれば込めるほど、その効果の持続時間が増えるという特製がある。しかし、同時に複数の魔法を付与したい場合、それぞれに込めるMPにバラツキがあると、対象物が自壊してしまう。
 しかし、無限のMPと、チートすぎるスキルと称号の持ち主の聡の手にかかれば、そんな心配は無用であったようだ。
「よし、出来た!」
 満面の笑みを浮かべる聡の手の上に、核攻撃にも耐えられるような自動防御機能、危機に瀕した場合、チートな聡に応援要請が送られる機能付き、更にはスキルレベル10の者が本気で放つ攻撃や魔法にも、余裕で耐え、この先数千年は劣化しない、神具級のアイテムが誕生することになったのだった。
 聡は、目の前に広がる光景を見て、思わず呟いてしまう。
 マリウスとの話し合いの後、夜遅くまでまで村を救った英雄の旅立ちを祝しての、飲み会が開催され、ここでも揉みくちゃにされた聡。
 
 酒が並々と入った樽を持ち上げて、そのまま綺麗に飲み干す蟒蛇親子こと、マリウスとイルマ(この世界では飲酒は14、15歳くらいから)と勝負したり、若い頃は女の子相手にブイブイ言わせていたというオッサンが、その武勇伝を聡に語っている最中に、顔に嘘っぽい笑顔を貼り付けた奥さんにドナドナされていったりなど、それはもうカオスな状況であった。
 中には、あからさまな色仕掛けみたいな事をしてくるお姉さま方が発生したりもしたが、概ね平和的に飲み会は進行していった。
 そして次第に、1人、また1人とダウンする者が出てきて、空が白み始める頃には、聡のみが生き残っている状態であった。
「すぅ〜…。」
 聡は、自身の膝の上でぐっすりと眠っている、イルマに目をやる。いくら酒に強いといっても、流石に樽で一気飲みはやりすぎたようだ。顔を真っ赤にして、若干ダル絡みをしてきたイルマを適当にあしらっていたら、何故か聡の膝の上に収まってしまい、今に至るのだった。
「…しかし、運が良かったな。下手すれば、どこの村にも受け入れてもらえずに、あのまま荒地を彷徨う未来もあったんだよな。」
 そういう点では、聡がイルマ達に出会ったのは、非常に幸運なことであった。
「ありがとう…。」
 聡は、優しい微笑みを浮かべながら、イルマの頭を撫でる。日本に居た頃は、女の子相手にこんな事が自然に出来る性格では無かったが、何となく、今こうするべきな気がした。
「…ぅん?」
 すると、急にイルマが身動ぎしだした。
 そして、薄らと目を開けて、ぼんやりと聡の顔を見る。
「おはよう。起こしちゃったかな。」
「おはよう…。え?あれ?」
 イルマの目が、周囲をグルグルと見回している。その心中を察するに、『あれ?何で起きたらサトシさんが目の前に?』などと、混乱を起こしてるのだろう。
「ひ、膝枕!?」
 数十秒後、自身の状態を完全に把握したイルマは、大慌てでガバッと起き上がり、聡から距離をとる。
「おっと。急に起きたら、立ちくらみしちゃうよ?」
 唐突に飛び起きたイルマに、苦笑いする聡。
「さ、サトシさん…。その、昨晩はすみませんでした!」
「え?あ、記憶あるの?」
「は、はい。朧げながら…。」
 ダル絡みの最中に、何回もスキンシップをしてきて、鋼の精神でそれらを耐えきった聡。その事を思い起こし、イルマは頭から湯気が出そうな程、顔を真っ赤に染め上げて、縮こまっている。
「そうなんだ。まぁでも気にしてないから大丈夫だよ。寧ろ、イルマみたいな可愛い子に絡まれて、役得だったぐらいだよ。」
 日本に居た頃、友人の中には、酒に酔うとニヤニヤしだし、挙句の果てには男女問わずキスを仕掛けてくる、マジでヤバい奴が居たため、聡からすれば、イルマにとっての痴態は、可愛いものであった。
 
 寧ろ、今後イルマが、他の男性に対して似たような事をして、酷い目に合わされないかの方が、問題である。そんな訳で、聡は頭の中で、何か良いアイディアはないかと、模索を始める。
ー何かアクセサリーみたいな形状で、警報装置みたいなのを作るか?俺個人に対して、何らかのシグナルを発して、位置情報を送信する感じで。発動条件は…イルマに対して一定以上の害意が向けられる、対処不可能な危機が迫る、そしてイルマ自身が任意に呼びかける。うん、これにしようか。ー
 何を作るのか、頭の中で整理がついた聡は、アイテムボックスから、シルバーのチェーンに、綺麗なエメラルドがぶら下がっているネックレスを取り出す。
「サトシさん?」
 急に黙り込み、そして何かを思いついたような表情で、ネックレスを取り出した聡に対して、イルマが不思議そうに問いかける。
「ちょっと待っててね。」
「うん、分かった。」
ーさて、ここで【魔法創造】さんの出番だ。この世界では、【付与魔法】により、道具に魔法の効果をエンチャント出来る。だからまず、【付与魔法】を作ってから、設定した条件で信号を発する【信号】、そして…【魔除の盾】とでも名付けるか?まぁ、防御魔法を作って…。後は、ネックレスそのものを丈夫にするために、【強化】でも作って…。よし。ー
「【付与】!」
  手をネックレスに向けて、先程作った魔法を全て付与していく。すると、聡の手から白い光が発せられ、その光がそのままネックレスへと移動して、全体を優しく包み込む。
 【付与魔法】は、MPを込めれば込めるほど、その効果の持続時間が増えるという特製がある。しかし、同時に複数の魔法を付与したい場合、それぞれに込めるMPにバラツキがあると、対象物が自壊してしまう。
 しかし、無限のMPと、チートすぎるスキルと称号の持ち主の聡の手にかかれば、そんな心配は無用であったようだ。
「よし、出来た!」
 満面の笑みを浮かべる聡の手の上に、核攻撃にも耐えられるような自動防御機能、危機に瀕した場合、チートな聡に応援要請が送られる機能付き、更にはスキルレベル10の者が本気で放つ攻撃や魔法にも、余裕で耐え、この先数千年は劣化しない、神具級のアイテムが誕生することになったのだった。
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