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外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜

血迷ったトモ

第21話 エンデ村の成り立ち (2)

「えっと、エンデ村の成り立ちについてだったよね?」

 イルマの説明から、聡による解説へと脱線してしまったが、数分後にはこうして無事元に戻る。

「えぇ。魔王への対策として、この村を設置したという所からですね。」

「うん、分かった。それでこの村は特例として、税金がかからないという売り文句の元、戦後に疲弊していたこの大陸を統一した、ディバージテッド大陸のグランド王国という国を宗主国とする、リスカント王国が移住する者を募集したの。」

「そして、こんな危ない土地に移ってきたのが、イルマさん達の御先祖様達という事ですか。」

「はい。この村は良くも悪くも孤立してるから、特に領主様が統治する必要は無いの。だから昔から特に目立った特徴の無い、というか寧ろアホ貴族の典型的な例の、ディストア領という所に属する事になったの。面倒事を押し付けるような形でね。」

 幼気ない少女に、こんな暴言を吐かせる貴族とは、どんな事をやらかしたのかと、思わず苦笑いで反芻する聡。

「あ、アホ貴族…。」

「あ、ごめんね。ちょっと口が悪かったけど、でも本当に酷い人なの。親と子がそっくりそのまま似るなんて、有り得ない話なんだけど、代々酷い性格の方が家を継ぐんだけど、今代も酷い人なの。」

 聡に頭を下げていた時よりも、深刻そうな表情だ。

「えと、その…ディス…アホ貴族は、どんな感じの酷さ何ですか?」

 イルマの口の悪さに、聡は苦笑いだったが、そういう本人も名前を速攻で忘れて、『アホ貴族』呼ばわりになっている。

「今代はアノマリー・ディストア様という方が当主なんだけど、無類の女好きで、領内から好き勝手に女性を連れ去っているの。」

「はぁ。そんな奴、本当に居るんですね。」

  アノマリーの所業に、聡は色々な意味で感心する。

「うん、そうなの。普通は物語の中でしか出てこないような、絵に書いたようなアホなの。で、それでこの国では知らない人は居ないくらいには有名なの。」

「悪名高いんですね…。」

「ディストア家の紋章が入った馬車を見たら、その場から人っ子一人居なくなるって言われてるわ。」

「ま、まるで災害みたいな扱いですね…。」

 ディストア家に体する徹底ぶりに、聡は呆れる。それだけ好き放題やってれば、何時殺されてもおかしくない筈なのに、何故やられないのだろうかと疑問にも思う聡。
 だがそんな考えも吹っ飛ぶ、衝撃の情報がイルマから発せられる。

「あはは。それは言えてるね。それで、もっとタチの悪い事に、大体6歳くらいの子から、15歳くらいの子が趣味らしくて、私と同い年くらいの子は皆怯えてるの。」

「うわぁ…。変態紳士ロリコンかよ。もう救いようがないな。いや、紳士は必要無いか。」

 最早ドン引きするしかないだろう。

「てかそうなると、イルマさんとかもろアウトじゃないですか。可愛いし、目を付けられたら、その場で攫われますよ?」

 イルマは先程聡に対して弓を放ってきた事から分かるが、どうやら衛兵のような役割を担っているらしい。厚手の長ズボンに、動きやすそうな白のワイシャツ、そしてその上に金属製の胸当てという、実に勇ましい格好だが、彼女はそれでも隠しきれない程の、色香を持っていた。

「か、可愛いだなんて、よく面と向かってそんな恥ずかしい事言えるね。」

 だが異性から褒められ慣れて無いのか、顔を赤くして照れるイルマ。14歳くらいの年頃なら、男子は恥ずかしがって、イルマのような女の子には話しかけづらいのだろうか。

「というか、今までよく無事でしたね。こんな可愛い子が居て、俺が変態紳士ロリコンなら絶対ほっときませんよ?」

「むぅ〜。私はそんなに子供っぽくないもん!もう結婚だって出来る年齢だもん!」

 聡の言葉に、説明モードから一転、年相応の子供らしい態度のイルマ。そんなイルマの変化に、聡は苦笑する。

「す、すみません。…あれ、結婚?あ、そうか。」

 苦笑しながらも、実感として知識が無く、未だに慣れないこちらの世界の決まりに、少し戸惑ってしまう。
 こちらでは男性は十代後半、女性は十代前半から結婚するのが良いとされている。
 だがその風習に直に触れてこなかった聡にとって、違和感は強いのだろう。

「え?どうしたの?」

「いえ、何でも無いですよ?そ、それよりも、そのディスなんちゃらって貴族には、この村をどうこうする気が無いのですかね?」

 戸惑った理由を話すわけにもいかないので、自身でずらしてしまった話題を、軌道変更する。
 するとイルマはすんなりと話題に乗る。
 だが、どうにも芳しくない表情をしている。

「今まではそうだったんだけどね。」

「つまり今は、その危険性が高いという事ですか?」

 思わせぶりなイルマの言葉に、面倒事を察知した聡は目頭を押さえつつ聞く。

「うん。実はね、この村の他にも、同じ理由で出来た村が3つあるんだけど、そのうちの1つで、少女を無理矢理に献上させたとかいう話が、行商人経由で流れてきたの。」

「オーマイガッ!」

 要らんところでテンプレを感じ取った聡は、吐き捨てる様に叫ぶのだった。

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