外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜
第3話 魔王様の説明 (1)
「では、まずはこの世界の種族について、をお願いします。」
取り敢えず聡は、ステータスを順番に聞くことにし、最初に分からなかった種族の『魔王』について聞くため、この世界の全ての種族について質問する。
「分かった。この世界では、大まかに分けると人族、獣人族、エルフ族、小人族、魔族、魔物が存在する。獣人族と魔族にはその特徴となる部分、例えば猫耳に尻尾ならば猫人族になるというように、種族の中でも更に細分化されてるな。あと、魔物には種類ごとに種族が別れており、簡単に言うと、スライムなら種族はスライム、ゴブリンならゴブリンとなる。ここまでで質問は?」
情報量が多いと思ったのか、ここで一旦区切って聡が理解出来ているか、疑問な点は無いかを聞いてくる。
そのため聡は、遠慮なく質問させてもらう。
「はい!魔王様は、種族が魔王となっていましたが、これは魔族の最上位種の種族であると理解してよろしいですか?」
「あぁ、それで合っている。他には?」
「えっと、エルフ族には、色白の普通のエルフの他に、肌の黒いエルフもいますか?」
「ん?よく知っているな。異世界人とは思えない程だ。確かにエルフには、色黒のダークエルフという種族も存在する…何をやっている?」
ファンタジー感がマシマシな説明に、聡は思わずガッツポーズをしてしまい、その仕草をトイフェルは不思議に思って説明をストップしてしまう。
「あ、すみません。私の世界にある創作物と、似たような感じだったので、少し嬉しくなってしまい、取り乱しました。もう大丈夫ですので、説明をお願いします。」
慌てて聡が謝ると、トイフェルは首を捻りながら、取り敢えずは納得してくれる。
「そうか。ならばいいんだが。…コホン。では続きだ。他にはあるか?」
「あ、はい。種族に関しては大体頭に入れましたので、次はレベルについてお願いします。魔王様のレベルは表示がされていないようですが?」
「あぁ、そうだな。これは魔王特有のものだ。魔王は魔族の中から一体だけ選ばれる存在だ。基準は良く分かっていないが、ステータスやスキル、レベル等が高かったり良かったりすると、選ばれやすいようだな。」
トイフェルの言い方に、若干の疑問をおぼえた聡は口を挟む。
「選ばれるとの事ですが、誰が選んでいるのでしょうか?」
「さぁな?ただ魔王が存在する期間には、魔物が増えやすくなる傾向があるから、人と魔物の数を調整し、一定程度の均衡を保つように、世界が選んでいるのではないかという学者の見解もあるらしい。まぁ、皮肉な事に、余の敵である筈の人族側の存続に貢献しているのかと思うと、笑えてくるがな。」
ニヒルに笑いながら、トイフェルは他人事のように言う。
「なるほど。世界の均衡をとり、地上のあらゆる種族の存続を図るシステムである、という事ですか。」
魔王という個の存在を、世界よより良くする歯車のようにしか見ていない見解であると感じた聡は、眉を顰めながら頷く。
「なに、気にする事は無い。余はこの世界には愛着があるからな。その世界に必要とされているのであれば、余は喜んで自由を差し出そうではないか。」
実に清々しい笑顔で、『寧ろ誇りだ』と告げるトイフェル。
「そう、ですか。…えっと、一般的な種族のレベルはどうなっているのですか?」
あまりに重い話のため、聡は『本人がそう言うなら』と敢えて深く聞かない事にし、一般常識を求めて質問する。
「レベルは、どの種族も共通して1から999まである。一般的な村人がレベル20ほどで人生を終え、英雄でもない限り200を超えることは無い。因みに余が魔王になる前は、563であったぞ。」
「は、半端ないっすね。流石2000年近くを生きているだけはありますね。」
「クク。まぁな。しかしこの時代の英雄達は頭がおかしいのか、5人中5人とも700超で、トップの勇者は910だそうだ。普通ここまで上げるまでに、寿命を迎えるか、若しくは限界を感じて諦めるわい。何せ100を超えると、半年に1上がるかどうかという頻度になるのだからな。」
トイフェルは最初、聡からレベルの高さを褒められた事に機嫌を良くしていたが、自分達を徹底的に追い詰めた者達のレベルを思い出し、呆れた表情でグチグチと文句を言っている。
「確かに、それはおかしいですね。普通なら死んだら終わりなんだから、そんなにレベルを上げようだなんて思いませんし、何しろ人間ならば寿命は60年あるか無いかですし。」
聡もトイフェルと一緒になって頭を捻る。しかし、この世界の住人では無いため、全くちんぷんかんぷんであるので、『不思議だな』と思う程度で思考は留めておく。
「あぁ、そうだな。何か特殊な神具でも使っていたのか、それともスキルか?まぁ、今考えても遅いのだがな。あ、神具というのは、文字通り神が作ったとされている道具の事だ。聖剣となどがその代表例になる。」
「聖剣…ですか。憧れますね。」
「かくいう余も持っているが、それは置いておくとしよう。レベルについてはこれで良いか?」
何やらトイフェルが気になる事を言っていたが、今は基本情報を集めることが優先なので、次の説明に移ってもらおうと頷いておく。
「あ、はい。次はスキルについでお願いします。」
「良かろう。」
こうして、魔王というものが何たるかという謎に更に深く触れていく事になったのだった。
取り敢えず聡は、ステータスを順番に聞くことにし、最初に分からなかった種族の『魔王』について聞くため、この世界の全ての種族について質問する。
「分かった。この世界では、大まかに分けると人族、獣人族、エルフ族、小人族、魔族、魔物が存在する。獣人族と魔族にはその特徴となる部分、例えば猫耳に尻尾ならば猫人族になるというように、種族の中でも更に細分化されてるな。あと、魔物には種類ごとに種族が別れており、簡単に言うと、スライムなら種族はスライム、ゴブリンならゴブリンとなる。ここまでで質問は?」
情報量が多いと思ったのか、ここで一旦区切って聡が理解出来ているか、疑問な点は無いかを聞いてくる。
そのため聡は、遠慮なく質問させてもらう。
「はい!魔王様は、種族が魔王となっていましたが、これは魔族の最上位種の種族であると理解してよろしいですか?」
「あぁ、それで合っている。他には?」
「えっと、エルフ族には、色白の普通のエルフの他に、肌の黒いエルフもいますか?」
「ん?よく知っているな。異世界人とは思えない程だ。確かにエルフには、色黒のダークエルフという種族も存在する…何をやっている?」
ファンタジー感がマシマシな説明に、聡は思わずガッツポーズをしてしまい、その仕草をトイフェルは不思議に思って説明をストップしてしまう。
「あ、すみません。私の世界にある創作物と、似たような感じだったので、少し嬉しくなってしまい、取り乱しました。もう大丈夫ですので、説明をお願いします。」
慌てて聡が謝ると、トイフェルは首を捻りながら、取り敢えずは納得してくれる。
「そうか。ならばいいんだが。…コホン。では続きだ。他にはあるか?」
「あ、はい。種族に関しては大体頭に入れましたので、次はレベルについてお願いします。魔王様のレベルは表示がされていないようですが?」
「あぁ、そうだな。これは魔王特有のものだ。魔王は魔族の中から一体だけ選ばれる存在だ。基準は良く分かっていないが、ステータスやスキル、レベル等が高かったり良かったりすると、選ばれやすいようだな。」
トイフェルの言い方に、若干の疑問をおぼえた聡は口を挟む。
「選ばれるとの事ですが、誰が選んでいるのでしょうか?」
「さぁな?ただ魔王が存在する期間には、魔物が増えやすくなる傾向があるから、人と魔物の数を調整し、一定程度の均衡を保つように、世界が選んでいるのではないかという学者の見解もあるらしい。まぁ、皮肉な事に、余の敵である筈の人族側の存続に貢献しているのかと思うと、笑えてくるがな。」
ニヒルに笑いながら、トイフェルは他人事のように言う。
「なるほど。世界の均衡をとり、地上のあらゆる種族の存続を図るシステムである、という事ですか。」
魔王という個の存在を、世界よより良くする歯車のようにしか見ていない見解であると感じた聡は、眉を顰めながら頷く。
「なに、気にする事は無い。余はこの世界には愛着があるからな。その世界に必要とされているのであれば、余は喜んで自由を差し出そうではないか。」
実に清々しい笑顔で、『寧ろ誇りだ』と告げるトイフェル。
「そう、ですか。…えっと、一般的な種族のレベルはどうなっているのですか?」
あまりに重い話のため、聡は『本人がそう言うなら』と敢えて深く聞かない事にし、一般常識を求めて質問する。
「レベルは、どの種族も共通して1から999まである。一般的な村人がレベル20ほどで人生を終え、英雄でもない限り200を超えることは無い。因みに余が魔王になる前は、563であったぞ。」
「は、半端ないっすね。流石2000年近くを生きているだけはありますね。」
「クク。まぁな。しかしこの時代の英雄達は頭がおかしいのか、5人中5人とも700超で、トップの勇者は910だそうだ。普通ここまで上げるまでに、寿命を迎えるか、若しくは限界を感じて諦めるわい。何せ100を超えると、半年に1上がるかどうかという頻度になるのだからな。」
トイフェルは最初、聡からレベルの高さを褒められた事に機嫌を良くしていたが、自分達を徹底的に追い詰めた者達のレベルを思い出し、呆れた表情でグチグチと文句を言っている。
「確かに、それはおかしいですね。普通なら死んだら終わりなんだから、そんなにレベルを上げようだなんて思いませんし、何しろ人間ならば寿命は60年あるか無いかですし。」
聡もトイフェルと一緒になって頭を捻る。しかし、この世界の住人では無いため、全くちんぷんかんぷんであるので、『不思議だな』と思う程度で思考は留めておく。
「あぁ、そうだな。何か特殊な神具でも使っていたのか、それともスキルか?まぁ、今考えても遅いのだがな。あ、神具というのは、文字通り神が作ったとされている道具の事だ。聖剣となどがその代表例になる。」
「聖剣…ですか。憧れますね。」
「かくいう余も持っているが、それは置いておくとしよう。レベルについてはこれで良いか?」
何やらトイフェルが気になる事を言っていたが、今は基本情報を集めることが優先なので、次の説明に移ってもらおうと頷いておく。
「あ、はい。次はスキルについでお願いします。」
「良かろう。」
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