お前ら『神器』って自覚ある?

ibis

4話

「ふーむ……」
「どうしましたか学院長?」
「ん……『セシル』か」

 暗い『学院長室』の中……学院長が豪華な椅子に座っていた。
 それと向かい合うようにして、1人の教師が立っている。

「それ……アルバトス・スカルデッドとサリス・ドゥーマの資料ですか?」
「うむ……どちらもSクラスの実力はあるのだがなぁ……」
「何か問題でも?」

 学院長が資料を見て、ため息をく。

「強すぎる……歴代の中でも、トップクラスに」
「強すぎる……ですか?サリス・ドゥーマは、確かに強いです。彼女の相手は、現3年Sクラスの代表でしたから……しかし、アルバトス・スカルデッドは……」
「気づかなかったか?あやつの後ろにいた2人の少女……あれも『神器』じゃ」

 学院長の言葉に、教師が目を見開く。

「なっ……?!3つの『神器』と契約なんて、聞いたことがないですよ?!」
「ワタシも聞くのは始めてだが……あれは『神器』だ。間違いない……そうだろう、『オルタナ』?」
「―――ああ、その通りだ」

 室内の端―――床に座り込む男が、学院長の言葉に同調する。

「『神器』の俺が言うんだ、間違いねぇよ」
「そう、ですか……」
「今年のSクラスは、『神器使い』と『神器』を合わせて18人か……」

 Sクラスの資料を見て、学院長が楽しそうに笑った。

「かかっ!……どうなるか、楽しみだ」

―――――――――――――――――――――――――

「明日届く『クラス発表通知』を見る、寮に荷物を置く、学院に行く、って事か?」
「はい、その通りですご主人様」
「……せっかく用意したのにな」
「仕方がありませんよ……学院のシステムを理解していなかったのが悪いんですから」

 今日の所は帰宅して、明日また登校しろ、とのことらしい。

「は~……疲れた~……」
「ほんの1分しか武器化してないじゃん。そんなに疲れるのか?」
「かなり、ね」

 うーんと背伸びをするリリアナ……そんなに疲れるのか。

「嘘だよー?だってアルマ、ご主人様に使ってもらうと、逆に元気になるもん!」
「ん、アルマは元気になるのか?」
「私もです。強い敵と戦った後は、元気に……えへへへへ……♪」

 ……するってーと?

「……お前、疲れてないだろ」
「なっ……はぁ?!〈グラン・セイバー〉を使ったのよ?!疲れるに決まってるでしょ?!」
「……………」
「うっ……何よその目……あたしは疲れてるのっ!」

―――――――――――――――――――――――――

「……寮だ」
「えぇ、寮ね」
「……デカいな」
「おっきいねー!」
「……今日から、ここに住むのか」
「そうですね」

 翌日の朝―――宿に、手紙が届いていた。
『アルバトス・スカルデッド殿。
 貴殿を『アーネスト学院』のSクラスに分類する事が決定した。
 ついては、必要な物をまとめ、Sクラスの寮に来るように。
              学院長』
 と書かれてあったので、荷物をまとめてやって来たのだが……
 眼前の建物を見て、驚きが隠せない。
 何これ。
 どこぞの国王の王宮じゃん。

「ほら、早く中に入りましょうよ」
「……そうだな」

 寮の中に入り、案内図のような物を見る。
 アルバトス……アルバトス……あ、あった。
 ……あれ……リリアナたちの名前も、俺の部屋と同じ所にあるんだけど……

「……なあ、俺ってリリアナたちと同じ部屋なの?」
「そうなんじゃない?」
「……えぇ?」
「なに?恥ずかしいの?12歳までは一緒にお風呂入ったり寝たりしてたじゃない」
「今俺16だけど?お年頃だけど?」

 12歳まではリリアナたちと一緒にお風呂とかに入ってたな……懐かし。
 まあ今の俺がリリアナとかと一緒に風呂入ったら、色々と情けない事になりそうだけど。

「えっと……こっちか?」
「おー!探検みたーい!」

 バタバタと、アルマが寮の中を走る。

「あ、おい!……あいつ……!」
「ご主人様、私が探してきます」
「いや、いい。お前らは俺の荷物持って部屋に行け」
「はい。わかりました」

 ソフィアに荷物を持たせ、アルマを探す。
 ……あいつ……どこ行った?

「………………お、見つけた……おいアルマ―――」

 と、アルマがいきなり抱きついてくる。
 何事か聞く前に、目の前の女が話しかけてきた。

「……そいつ、お前の、『神器』?」

 血のように真っ赤に染まった髪……人殺しのように鋭い眼……この姿には、見覚えがある。
 昨日の戦闘試験の初戦、圧倒的な力を見せた―――サリス・ドゥーマだ。

「……あんた……昨日の……クレーターの……」
「答えて。そいつは、お前の?」
「俺のって言い方は道具みたいで好きじゃないけど……まあ、俺が契約してる『神器』だな」
「……そう……なら、いい」

 赤い髪をひるがえし、サリスが近くの部屋の中に入る。

「……おいアルマ、勝手に行動―――」
「ふぇぇぇ……!怖かったぁ……!」

 涙目になり、震えながら抱きついてくる。

「……怖い思いしたくないなら、最初っから俺と一緒にいろ」
「うぅ……!わかったぁ……!」

 頭を撫で、割り当てられた部屋に向かった。

「お前ら『神器』って自覚ある?」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く