お前ら『神器』って自覚ある?
1話
ある所に、何でも斬る事のできる『聖剣』がありました。
その『聖剣』は闇を払い、魔を討つと言われていました。
昔々に存在していたという勇者もこの『聖剣』を使っていたと言われています。
今はどこにあるのかわかりませんが……この『聖剣』を手に入れた者は、絶対的な『力』を得る事ができるそうです。
ある所に、どんな魔法も無効化する『聖盾』がありました。
その『聖盾』は所有者の事はもちろん、背後に立つ仲間の身も守ると言われています。
魔法を無効化するだけでなく、吸収して放出する事もできると言われています。
今はどこにあるのかわかりませんが……この『聖盾』を手に入れた者は、全知全能の『知恵』を得る事ができるそうです。
ある所に、攻撃を受けても傷1つ付かない『聖鎧』がありました。
その『聖鎧』は頑丈な事はもちろん、着ている人に衝撃を届ける事がないそうです。
さらに、鎧を着るだけで、傷が癒える特殊効果があるそうです。
今はどこにあるのかわかりませんが……この『聖鎧』を手に入れた者は、揺るぎない『勇気』を得る事ができるそうです。
―――――――――――――――――――――――――
『パタン』と本を閉じ、銀髪紅眼の少年はため息を吐いた。
「……で?」
「でって……なに?」
「お前ら、どの辺が『神器』なの?」
平日の真っ昼間……俺は―――『アルバトス・スカルデッド』は、ソファーに寝転がる金髪美女を起こしていた。
『リリアナ』……『聖剣』の擬人化した姿。
見てくれは金髪美女で可愛いのだが……
「ほら、買い出し行くから付いてこい」
「え~……パスで」
寝転がったまま、リリアナが眼を閉じる。
……こいつは、メチャクチャ面倒くさがりだ。
「はぁ……本当にお前は……」
「あ、ご主人様ーっ!」
「―――いっづ?!」
背後から突っ込んでくる幼女が、俺を見て嬉しそうに笑う。
「この……!おい『アルマ』!突っ込んでくるなって言ってるだろ!」
「あへへ、ごめんなさい。遊んで!」
『アルマ』……『聖盾』の擬人化した姿。
赤髪のロリで、俺の持っている『神器』の中で唯一まともな『神器』だ。
「相変わらず騒がしいですね」
「お、『ソフィア』……起きたのか」
「はい。おはようございます、ご主人様」
『ソフィア』……『聖鎧』の擬人化した姿。
黒髪で、話し方や見た目はまとも……なのだが。
「今日の予定、私が手伝う事はありますか?」
「いや……お前が手伝う事はないかな」
「あ、はぁ……♪私は必要っ、ない、ですかぁ……♪」
そう。
ソフィアはドMなのだ。
こいつには何を言っても喜ぶから……怒りたくても怒れないのだ。喜ぶから。
「ねぇご主人、買い出しならソフィアを連れて行きなさいよ。あたしめんどくさいから」
「ふざけんな、お前も行くんだよ」
「ねーご主人様、遊んでよー」
「買い出し……荷物持ち……重い荷物を持たされ、『おら、早く来いよ。遅ぇなこのクソ女!』と罵られる……♪ああ、良い……♪ご主人様!私、買い出しを手伝います!できる事なら荷物持ちを……ふへ、ふへへへ……♪」
……どいつもこいつも……!
「はぁ……じゃあリリアナは留守番しとくか?」
「えぇ、そうするわ」
「そんじゃ……アルマ、ソフィア、買い出しに行くぞ」
「おー!行こ行こー!」
「はい。了解しましたご主人様……荷物持ち……ふへへへ……♪」
玄関の扉を開ける前、俺はリリアナに聞こえるように言った。
「……買い出し終わったら、飯でも食って帰って来るか」
俺の言葉に、リリアナがピクッと反応する。
「あ、アルマお肉がいい!」
「肉か……ソフィアは?」
「ご主人様が用意してくれた物ならば、何でも構いません……『俺が用意した物なら何でも良いんだろ?ほら、雑草食えよ』……うへへへへ……♪」
喜ぶアルマと、色んな意味で喜ぶソフィアと共に外へ出る。
「んじゃ、ちょっと行ってくるから」
「もう!わかったわよ!付いていくわよ!だからあたしにも肉食べさせてよ!」
お前も肉がいいのかよ。
その『聖剣』は闇を払い、魔を討つと言われていました。
昔々に存在していたという勇者もこの『聖剣』を使っていたと言われています。
今はどこにあるのかわかりませんが……この『聖剣』を手に入れた者は、絶対的な『力』を得る事ができるそうです。
ある所に、どんな魔法も無効化する『聖盾』がありました。
その『聖盾』は所有者の事はもちろん、背後に立つ仲間の身も守ると言われています。
魔法を無効化するだけでなく、吸収して放出する事もできると言われています。
今はどこにあるのかわかりませんが……この『聖盾』を手に入れた者は、全知全能の『知恵』を得る事ができるそうです。
ある所に、攻撃を受けても傷1つ付かない『聖鎧』がありました。
その『聖鎧』は頑丈な事はもちろん、着ている人に衝撃を届ける事がないそうです。
さらに、鎧を着るだけで、傷が癒える特殊効果があるそうです。
今はどこにあるのかわかりませんが……この『聖鎧』を手に入れた者は、揺るぎない『勇気』を得る事ができるそうです。
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『パタン』と本を閉じ、銀髪紅眼の少年はため息を吐いた。
「……で?」
「でって……なに?」
「お前ら、どの辺が『神器』なの?」
平日の真っ昼間……俺は―――『アルバトス・スカルデッド』は、ソファーに寝転がる金髪美女を起こしていた。
『リリアナ』……『聖剣』の擬人化した姿。
見てくれは金髪美女で可愛いのだが……
「ほら、買い出し行くから付いてこい」
「え~……パスで」
寝転がったまま、リリアナが眼を閉じる。
……こいつは、メチャクチャ面倒くさがりだ。
「はぁ……本当にお前は……」
「あ、ご主人様ーっ!」
「―――いっづ?!」
背後から突っ込んでくる幼女が、俺を見て嬉しそうに笑う。
「この……!おい『アルマ』!突っ込んでくるなって言ってるだろ!」
「あへへ、ごめんなさい。遊んで!」
『アルマ』……『聖盾』の擬人化した姿。
赤髪のロリで、俺の持っている『神器』の中で唯一まともな『神器』だ。
「相変わらず騒がしいですね」
「お、『ソフィア』……起きたのか」
「はい。おはようございます、ご主人様」
『ソフィア』……『聖鎧』の擬人化した姿。
黒髪で、話し方や見た目はまとも……なのだが。
「今日の予定、私が手伝う事はありますか?」
「いや……お前が手伝う事はないかな」
「あ、はぁ……♪私は必要っ、ない、ですかぁ……♪」
そう。
ソフィアはドMなのだ。
こいつには何を言っても喜ぶから……怒りたくても怒れないのだ。喜ぶから。
「ねぇご主人、買い出しならソフィアを連れて行きなさいよ。あたしめんどくさいから」
「ふざけんな、お前も行くんだよ」
「ねーご主人様、遊んでよー」
「買い出し……荷物持ち……重い荷物を持たされ、『おら、早く来いよ。遅ぇなこのクソ女!』と罵られる……♪ああ、良い……♪ご主人様!私、買い出しを手伝います!できる事なら荷物持ちを……ふへ、ふへへへ……♪」
……どいつもこいつも……!
「はぁ……じゃあリリアナは留守番しとくか?」
「えぇ、そうするわ」
「そんじゃ……アルマ、ソフィア、買い出しに行くぞ」
「おー!行こ行こー!」
「はい。了解しましたご主人様……荷物持ち……ふへへへ……♪」
玄関の扉を開ける前、俺はリリアナに聞こえるように言った。
「……買い出し終わったら、飯でも食って帰って来るか」
俺の言葉に、リリアナがピクッと反応する。
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「肉か……ソフィアは?」
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