社畜は2度目の人生を謳歌する

ヨナ

料理します



肉屋でのアルバイトの後、ネムスは自分の部屋にで早速、魔物の骨からスープを作る準備を始めていた。

今回と前回で稼いだ銅貨11枚のうち10枚を【ショップ】内通貨に変換する。すると10000円になったのでおそらくこっちでの銅貨の価値が反映されたのだろう。銅そのもののレートがわからないので銅の売り値が反映されたのかもしれないが。

ネムスは【10560円】をの所持金のうち5500円を使ってカセットコンロを買った。スープを作るのに必要経費だと判断したのだ。出てきたカセットコンロは何故か魔道具になっていた。ガスの代わりに魔力を消費する。カセットコンロのボンベのところには魔石をセットするようになっていた。おそらくこの世界ではガスは利用されていないのでこちらの世界の仕様に変更されたのだろう。
それから50円使って動物の骨からスープを作る方法が書かれてある本を購入した。


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簡単鶏がらスープの作り方

①鶏ガラについている汚れを流水で洗う
②鶏ガラを鍋に入れて全体が浸かるくらいに水を入れる
③強火で沸騰させて、灰汁を取る
④弱火にして3時間程度煮る
完成

ポイント:3時間煮るときに沸騰させないこと!


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「成る程。作り方自体は簡単ですね」
基本的にインスタントスープを飲んでいたネムスは作り方を確認して呟いた。

「しかし問題がありますね。貰ってきた骨がなんの骨がわからない。それに肉屋では複数種類の魔物の自体がありましたからこの骨も複数種類混ざっているということです。見分けられません」
ネムスは貰ってきた骨を見比べながらそう言った。骨はネムスの腕ほどの太さと長さのものもあれば鳥の羽のような形のもある。
「しょうがないですね。1つずつやって生きましょう」
とりあえず手頃な大きさの骨を水で洗う。水は既に井戸から汲んで【異空間収納】の中にたっぷり溜め込んでいる。
洗い終わったら【120円】で買った鍋に入れて沸騰させる。沸騰したら灰汁を取って弱火にする。弱火にしたらカセットコンロで鍋に火をかけたまま【異空間収納】にしまう。こうすれば家事を心配することもなく、鍋を火にかけていられる。


後は待つだけなのでネムスは寮の実習室に向かった。実習室は文字の勉強や計算の勉強の教材があり、少ないが本もある。
今回ネムスが実習室に向かったのは本の中に1つで魔物について書いてある本だ。せめてマネーの街付近にいる魔物くらいは把握しておこうという考えだ。


そうしてネムスは魔物の図鑑を読み始めたがあまりの種類の多さに全部覚えるのは早々に諦めることになった。マネーの街周辺だけで50種類を超えて、この世界となると1000ではきかない。
結局、マネーの街周辺の魔物に範囲を絞って覚えることにした。

ウルフ、レッドカウ、ハンターイーグル、サーベルウルフ、タイラントブル、スライム、ゴブリン、オーク、リザードマン、ファイヤーボア、クレイジーエイプ、ソルジャーシープ、、、etc

マネーの周囲には森や草原、湿地もあるため多種多様な魔物が存在する。ドラゴンのような伝説級の強い魔物はいないが結構な魔物が存在する。
何故そんな危険な場所にある街が商業都市として栄えているかといえば、『だからこそ』なのだ。魔物から採れる素材は上質なものが多いため多少危険でもそういうところには冒険者が集まり、それを目当てに商人が集まってマネーは発展してきたのだ。
防衛として結構な戦力が街に駐在しているらしい。

魔物と一口に言っても色々いる。
ゴブリンやオークのような人型、ウルフやボアなどの獣型、レイスやスケルトンなどのアンデットなど。それぞれの素材が色々なものに使われている。食料、衣服の材料、薬の材料などである。


「う〜ん、これでは分かりづらいですね」
ネムスが読んでいる本には魔物のことは書いてあったが文字の羅列だった。写真はともかく、絵もなかったのでイメージするしかない。ひとまず名前だけ覚えて部屋に戻った。


「では記念すべき1つ目です。いただきます」
部屋に戻ったネムスは既に3時間が経過していたため魔物の骨スープを取り出して味見をする。
「??確かに肉の味はしますが全然ですね。見た目も濁っていますし、少し獣臭い。味も微妙です。
ネギなどを入れた方がいいですね。生姜などの薬味も必要でしょうか。それとも使った骨がスープには向かないものだったのか。これは研究のしがいがありますね」
ネムスは日本で上から指示された仕事をやり続けるだけだったが本人の性格的には研究者向きである。


ネムスが出来上がったスープを器に移して、別の骨を鍋に入れてスープを作り始めると寮の中がガヤガヤと騒がしくなる。
「そういえば行商に行っていた人達が帰ってくると言ってましたね。お隣さんも帰ってきたのでしょうか?
まぁ、特に私に知り合いがいるわけではないですから無視していいでしょう」



それから10日、スープを作りながらアルバイトをして、情報集めをしてというのを繰り返した。ネムス自身驚くほどスープの研究にのめり込むことになった。






所持金:
銀貨1枚、銅貨9枚(19000ゴル)

【ショップ】内通貨:
5010円





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