社畜は2度目の人生を謳歌する

ヨナ

趣味を探します



【異空間収納】の性能を確かめたネムスは本格的に人生を謳歌するための行動を始める。人生を謳歌する、楽しむと考えた時にネムスが1番に思いついたのは趣味を持つことだった。例え仕事があろうとも楽しめるものがあれば幸せな人生を歩めるだろうという考えである。
そう考えたがネムスはどうやって趣味を持てばいいのかわからなかった。日本にいた頃は趣味と言えるものはなく、そもそも許容範囲が広すぎて好き嫌いも曖昧だった。

趣味を作る方法を考えたネムスは結局思いつくことができず人の知識に頼ることにした。
【ショップ】のウィンドウを開く。
食料、衣服などの項目があるジャンルのところを書籍に変更して、『趣味』と検索する。そうすると『趣味』に関連した書籍の一覧が並ぶ。更に安い順に並べ替え、中古も可にすると安いもので50円のものもあった。
「ふむ。中古があるということはこの【ショップ】は実際に日本と通じているのでしょうか」
ネムスは首をひねりながら良さげな本を選んで購入する。

選んだのは『幸せな人生を送るために〜〜趣味編〜〜』という本だ。中を見ると日本語で書かれており、この世界の人には読めないだろうからちょうどいいとネムスは思った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

趣味編

科学技術が発達し、便利な世の中が出来ている現代でも人は働いて収入を得なければ生きていくことは出来ません。収入を得るためにする仕事は大変で辛いものも少なくないと思います。そんな生活でも息抜きとなる趣味があればそれなりに幸せな人生を送れると思いませんか?
ということで、その『趣味』の見つけ方、楽しみ方を教えたいと思います。


まず始めに趣味を探そうと思ってこの本を読まれている方、貴方は趣味楽しむのには向いていません。そもそも趣味を持っている人はこんな本を読まずとも趣味を謳歌しています。
ですが向いていない貴方にも趣味を見つけることができる方法を伝授したいと思います。


趣味探す方法は色々ありますが1番簡単なのは出来ることを手当たり次第やっていくことです。下手な鉄砲数打ちゃ当たるというやつですね。
ここでポイントなのは出来ることをやる・・・・・・・・ということです。趣味というのは楽しむためにやるものですから出来ないことをやって失敗して逆にストレスを溜めてしまっては意味がありません。

目安の期間は5日間くらいでしょうか。三日坊主という言葉があるように人は向いていないことには3日程度で飽きる。そんな短期間で少しでも面倒だと感じたものは続かないのでさっさと辞めて別のものを試しましょう。

それから勘違いしている人もいますが趣味は1つに絞る必要はありません。やりたいことをやりたい時にやればいいので複数趣味があっても何の問題もありません。
最初は道具が少なく、お金のかからないものから始めるといいでしょう。毎日必要となる料理を趣味とする人も多いです。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「成る程。一先ずは手当たり次第に、それから絞っていけばいい、と。まずは私に出来ることを確認しないといけませんね」
ネムスは本を読んでそう呟いた。
そうして出来ることを確認していくがネムスが出来ることをというのはかなり多い。というのも仕事・プライベート関係なく上司に色々なところへ連れ回され、色々なことを体験したからだ。
ゴルフなどの定番の接待はもちろん、彫刻や陶芸、盆栽などの個人の趣味にまで付き合わされた。もともと余計なアレンジをしないのでレシピさえあれば料理もできる。

「私に出来ることが多くてもそれがこの世界でもできるとは限りませんね。ゴルフはゴルフ場なんてありませんし、陶芸も専用の機械がなければ出来ません。
彫刻は木彫りなら木材と彫刻等があれば出来ます。後は、、、料理でもやって見ましょうか。料理はのちの商売にも繋がりますから趣味にならなかったとしても役にたつでしょう」
ネムスは趣味の候補を【ショップ】で買った手帳に書き出していく。日本では日常的に手帳を多用していたためどうしても無いと不便だと思って買ったのだ。ショップ内残高が560円になってしまったが。


「なんにせよなんの道具もなしに何かをすることは出来ませんから準備が必要でしょう。全財産が銀貨が2枚程度と考えるとかなり心許ない。明日からは掲示板を見て仕事を探しますか」
こうして今後の方針は決まった。


「それから料理なんかは出来るだけこちらの世界にあるものを使いましょう。もしも人に見られた時に出所を聞かれては困りますから。
ああ、手帳も見られないように気をつけなければ。この世界の紙よりも格段に質がいいですから騒ぎになるでしょう。常に【異空間収納】に入れておいて1人の時にのみ使用するのが1番いいでしょうね」







「社畜は2度目の人生を謳歌する」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く