異世界召喚 ~繋りを失った幼馴染の少女に異世界へ召喚されました~

ノベルバユーザー232154

17話

「今回の所は引き分けやな……」


 僕達は、夏休み、そして、今は海水浴場に来ていた……。


「何が、引き分けやねん?」

優君は、未だに、勝負を引きずっているらしい。

「まあ、文音の方が断然かわいいけどな!」

でれでれしながら語る優君……、見てるこっちが恥ずかしくなるわ!

「優君から見たらね?」


「凌君も海入ろうよ?」

ビーチパラソルの下で、海面を眺めていると、小明が声を掛けて来た。

「凌先輩、行ってください。ここは、優君と私が見てますさかい?」

気を遣わせて悪いね……。

「おおきに! じゃあ、お二人ともごゆっくり〜」

僕は、二人に声を掛け、小明の下に向かった。


 ひとしきり、海で遊んだ後、僕達は、ビーチバレーをした。当然、組は僕と小明、優君と文音ちゃんで、優君は言わずもがな、勝ちに来た、負けず嫌いなんや、昔から。フェイントあり、コートギリギリ狙いありとか……。まあ、楽しかったから良いんだけどね!


「ふぅー……、もう帰る時間になってしもうたな……」

楽しい時間は早う過ぎるもので、そろそろお暇する時間となった。

「来年、また来ればええやん?」

「せやな! 来年、また来ようや!」

「せやね! また、4人で来ようよ」

これが、地球で過ごす、最後の夏、海水浴になるとか、なんて誰が想像ついただろうか?


「今日はありがとう!」

小明の家の前、と言っても御近所なんやけど、で小明が笑顔を浮かべて言った。

「こっちこそありがとな?」

僕も笑顔で返した。

「凌君、また、行こうね?」

「また、行こな? ほな、な……」

僕は、踵を返そうとして小明に肩を掴まれた。

チュッ……! 素早い身のこなしようでキスをされ、師匠に散々鍛えられているのに、反応が出来なかった。小明は、顔を真っ赤にしていた……。

「ほな、ね、凌君!」

「ああ!」

小明は、恥ずかしいからなのか、慌てて、中に入って行った。僕は、しばし、茫然としていた。



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