泡沫

小田 恵未里

今日も今日もとて耳をすます。
風、水、鳥、そして、人。
それらはとても心地よい音を出す。
生きているということを実感する音を出す。
目を瞑っていると、何も聞こえない。
暗闇の中で私は必死にもがく。
生きていることが全くわからない。
生きるって何だろう。
生きるって何をしているまでか生きているんだろう。
ふと左肩に何かが当たり、はっ、と目を開けると死の淵から出てきたような感じがした。
肩を叩いたのは、友達だった。
『眠っていたの?』
ゆっくりと動かされる口から出る声に、また生きていると実感して、私は笑った。
『どうしたの、急に笑って。』
友達もつられたのか笑みを浮かべた。

“あのね、私とっても嬉しいの。たくさん音が聞こえるから。”

そう、私は自らの手帳に書いた。

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