規格外の殺し屋は異世界でも最凶!?
友達・爆笑・号泣・疑問
*フィーナ視点
それは、もはや戦闘と呼べるようなものではなく、それこそ大人が幼い子を相手にするかのような一方的な蹂躙でした。
彼が目を瞑ったと同時に彼の纏うオーラがどんどん濃くなり、再び目を開けた時私は身体が竦んで立っているのがやっとでした。
彼は一体何者なのでしょうか─────
ほどなくして、彼の周りには十数人の倒れた大男達と静まり返った街の人々だけでもう誰も野次を飛ばすものは居ませんでした。
しばらくして彼がこちらに向かってきました。そして、
「なぁフィーナさん」
「はい....」
「俺はまだこの世界に来たばかりだしあんたとも会ったばかりだからあんたにどんな過去があっても分かってやることは出来ない。」
「そう....ですよね....」
そう、彼は、いえ、彼らは昨日勝手に呼び出されただけの人なんですから良く考えれば当たり前じゃないですか…それなのに私はなぜ彼に強く当たってしまったのでしょうか…
フィーナさんから思わず自嘲の笑が溢れるが、
「ただ....」
「....??なんですか?」
彼が少し照れくさそうに頭を掻きながら何かを話そうとしています…
「いや、だから....俺はこの世界に来たばかりだって言っただろ?だからその....あんたのことも含めてこの世界の常識とやらも俺は知らないわけだ。特に人の善し悪しなんて見た目だけじゃないのは俺がよく知っている。俺はそういう事は自分の目で確かめる主義だから、言わせてもらうけど…....んぁ〜....その、あんたの事は嫌いじゃないよ。」
私には今の言葉がほとんど理解できませんでした…
「....え、えっと…それは偽装魔法をかけて接していた時の話ですよね?」
「いやいやいや、なんでそこでそうなるんだよ…。そういうの関係無しに、あんたの性格は至って綺麗だと思うし、俺基準で良ければあんたの本当の姿も凄く綺麗だと....思う、って事だよ」
「....本当ですか?....嘘じゃないんですか?」
「あぁ...と言っても口先だけじゃなんとでも言えるからな、どう取るかはあんた次第でしかない。」
「そう....ですか、なら1つだけお願いを聞いていただけませんか?それが信じる条件です。」
「言ってみ?」
「わ、私と....あの、その....とっ、友達に!
なって、いただけ...ま...せん...か?」
すると彼は目を見開き、身体を震わせながら俯いてしまいました…
「........ッ!」
やっぱりその反応ですよね、どうせそうだろうとは思っていました。いえ、少しでも期待していなかったと言えば嘘になりますが...今更です....
私がまた自嘲の笑みを浮かべ俯いたその時
「....は、はは...はははははははは!もう無理!笑いこらえるの限界!はははは!なんだよ、信じる代わりに友達になってくださいって、そんなの条件にしなくてもできるでしょ!」
笑われました…いえ、爆笑されました…
「ッ!んな!」
「ははははは!フィーナさんってほんとに友達いなかったんだー」
彼は心の底から面白がっているようで目に涙を滲ませながらお腹を抱えて爆笑していました…
「そっ、そうですよ!悪いですか!?しょうがないじゃないですか!今まで友達がいないどころか作り方すら分からなかったんですから!そんなに笑わなくてもいいじゃないですか!」
ほんとにひどいですよ…こっちは本気でしたのに...
「ははは....はぁ〜、ん、それは悪かった、んで?信じる条件が友達になってくださいだったっけ?いいよ、これからよろしくな、フィーナさん。」
「....ふぇ?」
「いや、だから、その下らなく面白い条件呑むって言ってんの、ここまで言わないとわかんないの?」
「い、いえ、そうではなく!本当にいいんですか?....だって、私ですよ?みんなに嫌われている忌み子ですよ?この世界の嫌われ者なんですよ?」
「だからさー、みんながどうとか、この世界の常識がどうとかそういうのはどうでもいいんだってば、そういう事はこの先自分で見て決めるんだから。」
本当に....
「本当に、いいんですか…?」
「あぁ、好きにしな」
「そう、ですか。ありがとう...ございます。」
「おぅ」
「なら、ソラ。友達として1つお願い事がありますがいいですか?」
もう....限界です…
「言ってみ?」
「もう、泣いていいですか…?と言うか、もう....我慢出来そうにないんです…だ、から、しばら、く…こう...させてくだ...さい...」
そう言って私は彼の背中に腕を回し、彼の胸に顔を埋めました。すると彼は、
「好きにしな。」
ぶっきらぼうに言いつつも、私の頭を撫でてくれました。もう、いいですよね…
「う...うっ、うぅ...うあああああああああああああああああああああ!うああああああああああああああああああああ!あああああああああああああああああああああああああああ!」
私は、泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて、泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて、十何年分の孤独を吐き出すかのように、幼い頃に自覚した“世界から否定される”事を否定してくれた人にすがりつくように、今この瞬間が夢じゃないことを噛み締めたくて、とにかく泣き続けました。彼の胸に顔をこれでもかと押しつけ、背中に回した手で服をぎゅっと掴んで、これでもかと甘えるように、縋るように感情に身を任せました。その間、彼はずっと私の髪をすくように頭を撫で続けてくれました。
これが私が生まれて初めて触れた他人の優しさ、そして初めて出会えた友達と呼べる人です。
*蒼空視点
随分と長い時間胸を貸していた。
そう言えば僕は何故こんなにもフィーナさんに対して色々してあげたいと思ったんだろうか…まさか、な…
───────────────────
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読者の皆様お久しぶりです、更新遅くなりまして申し訳ないです。なにぶん閃きとテンプレ(笑)のいじり出やっているものですから、作者の語彙力のなさも合わさってかなり時間がかかってしまうんです…。それでも!これからも不定期ではありますが頑張っていく所存ですので、引き続き【規格外の殺し屋は異世界でも最凶!?】をよろしくお願いします!
それは、もはや戦闘と呼べるようなものではなく、それこそ大人が幼い子を相手にするかのような一方的な蹂躙でした。
彼が目を瞑ったと同時に彼の纏うオーラがどんどん濃くなり、再び目を開けた時私は身体が竦んで立っているのがやっとでした。
彼は一体何者なのでしょうか─────
ほどなくして、彼の周りには十数人の倒れた大男達と静まり返った街の人々だけでもう誰も野次を飛ばすものは居ませんでした。
しばらくして彼がこちらに向かってきました。そして、
「なぁフィーナさん」
「はい....」
「俺はまだこの世界に来たばかりだしあんたとも会ったばかりだからあんたにどんな過去があっても分かってやることは出来ない。」
「そう....ですよね....」
そう、彼は、いえ、彼らは昨日勝手に呼び出されただけの人なんですから良く考えれば当たり前じゃないですか…それなのに私はなぜ彼に強く当たってしまったのでしょうか…
フィーナさんから思わず自嘲の笑が溢れるが、
「ただ....」
「....??なんですか?」
彼が少し照れくさそうに頭を掻きながら何かを話そうとしています…
「いや、だから....俺はこの世界に来たばかりだって言っただろ?だからその....あんたのことも含めてこの世界の常識とやらも俺は知らないわけだ。特に人の善し悪しなんて見た目だけじゃないのは俺がよく知っている。俺はそういう事は自分の目で確かめる主義だから、言わせてもらうけど…....んぁ〜....その、あんたの事は嫌いじゃないよ。」
私には今の言葉がほとんど理解できませんでした…
「....え、えっと…それは偽装魔法をかけて接していた時の話ですよね?」
「いやいやいや、なんでそこでそうなるんだよ…。そういうの関係無しに、あんたの性格は至って綺麗だと思うし、俺基準で良ければあんたの本当の姿も凄く綺麗だと....思う、って事だよ」
「....本当ですか?....嘘じゃないんですか?」
「あぁ...と言っても口先だけじゃなんとでも言えるからな、どう取るかはあんた次第でしかない。」
「そう....ですか、なら1つだけお願いを聞いていただけませんか?それが信じる条件です。」
「言ってみ?」
「わ、私と....あの、その....とっ、友達に!
なって、いただけ...ま...せん...か?」
すると彼は目を見開き、身体を震わせながら俯いてしまいました…
「........ッ!」
やっぱりその反応ですよね、どうせそうだろうとは思っていました。いえ、少しでも期待していなかったと言えば嘘になりますが...今更です....
私がまた自嘲の笑みを浮かべ俯いたその時
「....は、はは...はははははははは!もう無理!笑いこらえるの限界!はははは!なんだよ、信じる代わりに友達になってくださいって、そんなの条件にしなくてもできるでしょ!」
笑われました…いえ、爆笑されました…
「ッ!んな!」
「ははははは!フィーナさんってほんとに友達いなかったんだー」
彼は心の底から面白がっているようで目に涙を滲ませながらお腹を抱えて爆笑していました…
「そっ、そうですよ!悪いですか!?しょうがないじゃないですか!今まで友達がいないどころか作り方すら分からなかったんですから!そんなに笑わなくてもいいじゃないですか!」
ほんとにひどいですよ…こっちは本気でしたのに...
「ははは....はぁ〜、ん、それは悪かった、んで?信じる条件が友達になってくださいだったっけ?いいよ、これからよろしくな、フィーナさん。」
「....ふぇ?」
「いや、だから、その下らなく面白い条件呑むって言ってんの、ここまで言わないとわかんないの?」
「い、いえ、そうではなく!本当にいいんですか?....だって、私ですよ?みんなに嫌われている忌み子ですよ?この世界の嫌われ者なんですよ?」
「だからさー、みんながどうとか、この世界の常識がどうとかそういうのはどうでもいいんだってば、そういう事はこの先自分で見て決めるんだから。」
本当に....
「本当に、いいんですか…?」
「あぁ、好きにしな」
「そう、ですか。ありがとう...ございます。」
「おぅ」
「なら、ソラ。友達として1つお願い事がありますがいいですか?」
もう....限界です…
「言ってみ?」
「もう、泣いていいですか…?と言うか、もう....我慢出来そうにないんです…だ、から、しばら、く…こう...させてくだ...さい...」
そう言って私は彼の背中に腕を回し、彼の胸に顔を埋めました。すると彼は、
「好きにしな。」
ぶっきらぼうに言いつつも、私の頭を撫でてくれました。もう、いいですよね…
「う...うっ、うぅ...うあああああああああああああああああああああ!うああああああああああああああああああああ!あああああああああああああああああああああああああああ!」
私は、泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて、泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて、十何年分の孤独を吐き出すかのように、幼い頃に自覚した“世界から否定される”事を否定してくれた人にすがりつくように、今この瞬間が夢じゃないことを噛み締めたくて、とにかく泣き続けました。彼の胸に顔をこれでもかと押しつけ、背中に回した手で服をぎゅっと掴んで、これでもかと甘えるように、縋るように感情に身を任せました。その間、彼はずっと私の髪をすくように頭を撫で続けてくれました。
これが私が生まれて初めて触れた他人の優しさ、そして初めて出会えた友達と呼べる人です。
*蒼空視点
随分と長い時間胸を貸していた。
そう言えば僕は何故こんなにもフィーナさんに対して色々してあげたいと思ったんだろうか…まさか、な…
───────────────────
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コメント
くうはく
ご指摘感謝です!次回更新までもう暫くかかるのでなにとぞ...
くうはく
ご指摘ありがとうございます笑
作者なりに頑張ってみますね!
ノベルバユーザー232154
。や、付けてください、っていうヶ所が多数あります。
くうはく
すみません!更新遅くなりました!引き続き読み続けてくだされば光栄の限りです!