異世界ぶらり。
俺、転生(転性)したっぽい。
目が覚めた。
柔らかい風が頬に当たり、ザラザラとした、そして少ししょっぱい砂の味が口いっぱいに広がる。
どこだ……ここは?
口の中の砂を唾液と一緒に吐き出そうとするが、口の中が乾いていてそれほど唾が出ることはなかった。
不意に、足に水がかかる。
先程から聞こえる音から推測するに、おそらく俺は波打ち際にいる。
視線をさまよわせれば難破した船の残骸が見えることから、どうやら嵐にでもあって流されてきたようだ。
……そんな記憶は一切ないのだが。
記憶を遡ってみる。
俺は今年になって高校に進学したばかりの、どこにでもいる普通の男子生徒だった。
クラスではあまり馴染めていたとは言えないが、成績は上の下と少し優秀な程度の学力を持っていた。
彼女はいない。
できた事すらない。
小学生の頃は、親父の友達が開いているという空手道場に通っていた。
才能がないのか、帯の色は白いまま辞めてしまった。
次に柔道をやってみたが、こっちは空手より才能があった。
だがやはりすぐにやめてしまった。
だって、痛いのとかむさいのとか本当に勘弁だったし。
中学に上がると、ラノベの影響で少し武術というものに興味を示し始めた。
だが小学生の頃のことがあって、なかなか親に言って習い始めるのもバツが悪く、暇を見つけて外で自己鍛錬をした。
自己鍛錬、と言っても、師匠のいない訓練動画だよりのものだったが。
それでも、だいたい力はついた。
術理は完璧に把握したし、たまにやっていた不良狩りもなかなか様になった。
喧嘩はかなり強くなった。
それでもラノベは好きなだけ読んでいたが。
おかげで変な豆知識がいっぱいついた。
そんな俺は高校生になってしばらくのことだ。
北海道に修学旅行に行くことになったのだが、どうやらそこから先の記憶が曖昧だ。
飛行機に搭乗して、離陸したところまでは覚えている。
雲海がすごくきれいで、一面真っ青な天空と、まるで神様の世界のような雲の絨毯の景色が、すごく神秘的だったんだ。
……でも、そこから記憶が全くない。
俺はとりあえず立ち上がると、背後に合った海へと歩いていった。
考えても仕方がない。
まずは水の確保をしないといけない。
あと火の確保。
幸い、やり方はわかっている。
海岸沿いにヤシの木があった。
あれを使って、摩擦で火をおこす。
もしくは船の中からなにか見つけて使う。
幸い、鍋などの入れ物はそこら辺に転がっているのが見えた。
海水で洗えば問題はないだろう。
俺はそう決めると、ひとまず体についた砂を払い落とそうと海に入ることにした。
……そこで、俺は絶句することになる。
それはなぜかって?
そりゃ、もちろん。水面に映っていたのが、俺の記憶の中にある自分じゃなかったからだ。
「……マジかよ」
ポツリと出した声は嗄れていた。
が、確実に俺の声ではなく、記憶にあるそれよりもずっと高音だった。
俺は、それを確認すると、急いで着ていた服を脱いだ。
するとそこには、見覚えのない膨らみが2つ。
まさかまさかまさか……!?
頭に血が登る。
動機が早くなって、耳元で鼓動が強く聞こえる。
「……ごくり」
飲み込んだ生唾がザラザラして気持ち悪い。
が、俺は構わずに履いていたズボンを下ろした。
それはもう、恐る恐る。
「マジかよ……」
するとそこには、今までともに連れ添ってきた息子の代わりに、無毛地帯の広がる、初めて見る女の子の象徴が鎮座ましましていた。
どうやら俺は、どういうわけか知らないが女の子になってしまっていたようだった。
柔らかい風が頬に当たり、ザラザラとした、そして少ししょっぱい砂の味が口いっぱいに広がる。
どこだ……ここは?
口の中の砂を唾液と一緒に吐き出そうとするが、口の中が乾いていてそれほど唾が出ることはなかった。
不意に、足に水がかかる。
先程から聞こえる音から推測するに、おそらく俺は波打ち際にいる。
視線をさまよわせれば難破した船の残骸が見えることから、どうやら嵐にでもあって流されてきたようだ。
……そんな記憶は一切ないのだが。
記憶を遡ってみる。
俺は今年になって高校に進学したばかりの、どこにでもいる普通の男子生徒だった。
クラスではあまり馴染めていたとは言えないが、成績は上の下と少し優秀な程度の学力を持っていた。
彼女はいない。
できた事すらない。
小学生の頃は、親父の友達が開いているという空手道場に通っていた。
才能がないのか、帯の色は白いまま辞めてしまった。
次に柔道をやってみたが、こっちは空手より才能があった。
だがやはりすぐにやめてしまった。
だって、痛いのとかむさいのとか本当に勘弁だったし。
中学に上がると、ラノベの影響で少し武術というものに興味を示し始めた。
だが小学生の頃のことがあって、なかなか親に言って習い始めるのもバツが悪く、暇を見つけて外で自己鍛錬をした。
自己鍛錬、と言っても、師匠のいない訓練動画だよりのものだったが。
それでも、だいたい力はついた。
術理は完璧に把握したし、たまにやっていた不良狩りもなかなか様になった。
喧嘩はかなり強くなった。
それでもラノベは好きなだけ読んでいたが。
おかげで変な豆知識がいっぱいついた。
そんな俺は高校生になってしばらくのことだ。
北海道に修学旅行に行くことになったのだが、どうやらそこから先の記憶が曖昧だ。
飛行機に搭乗して、離陸したところまでは覚えている。
雲海がすごくきれいで、一面真っ青な天空と、まるで神様の世界のような雲の絨毯の景色が、すごく神秘的だったんだ。
……でも、そこから記憶が全くない。
俺はとりあえず立ち上がると、背後に合った海へと歩いていった。
考えても仕方がない。
まずは水の確保をしないといけない。
あと火の確保。
幸い、やり方はわかっている。
海岸沿いにヤシの木があった。
あれを使って、摩擦で火をおこす。
もしくは船の中からなにか見つけて使う。
幸い、鍋などの入れ物はそこら辺に転がっているのが見えた。
海水で洗えば問題はないだろう。
俺はそう決めると、ひとまず体についた砂を払い落とそうと海に入ることにした。
……そこで、俺は絶句することになる。
それはなぜかって?
そりゃ、もちろん。水面に映っていたのが、俺の記憶の中にある自分じゃなかったからだ。
「……マジかよ」
ポツリと出した声は嗄れていた。
が、確実に俺の声ではなく、記憶にあるそれよりもずっと高音だった。
俺は、それを確認すると、急いで着ていた服を脱いだ。
するとそこには、見覚えのない膨らみが2つ。
まさかまさかまさか……!?
頭に血が登る。
動機が早くなって、耳元で鼓動が強く聞こえる。
「……ごくり」
飲み込んだ生唾がザラザラして気持ち悪い。
が、俺は構わずに履いていたズボンを下ろした。
それはもう、恐る恐る。
「マジかよ……」
するとそこには、今までともに連れ添ってきた息子の代わりに、無毛地帯の広がる、初めて見る女の子の象徴が鎮座ましましていた。
どうやら俺は、どういうわけか知らないが女の子になってしまっていたようだった。
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