ガチホモの俺がお嬢様学園に入学させられてしまった件について
32.「最低に対する嘲弄」
 
本音を言えば淡い期待をしていた。早乙女が「櫻井は最低なんかじゃない」と否定をし、俺を必死に宥めてフォローし労わってくれるのではないかと愚直に祈っていた。
だが……そんな理想は潰え、無様にも俺は『最低』であることを肯定され……いよいよ……自らの弱さを指摘され、咎められる局面を迎えたのだ。逃げ場など存在しない。逃げる方法も存在しない。逃げることなど許されない。竿乙女は滔々と俺を追い詰める発言を続けていく。
「まずさー。ここまでの話を聞いて櫻井は『最低』であることは揺るがぬ事実だってウチは感じたね。もし、櫻井の言い分が全部本当なら、今まで櫻井が誰かの為に行動していたのは全部嘘で……ただただ不幸な人の不幸な部分を利用して、喜んでいたってことになるよね?」
「……ああ。そうだよ……」
否定など出来る筈がない。既に俺に対する非難など確定している。これ以上言い訳を重ねようなどといった発想は唾棄すべき思考だ。故に肯定をした。
「特に今回の一件に限って言えば明らかに二宮さんは苦しんで辛い状態にあるじゃん?そんな人を見た時に、『さてこいつを利用して問題を解決して、俺ってマジでイケメンじゃん。英雄じゃん』って風に考えるのは流石にクズ過ぎない?あまりにも露骨で空気読めてなくてあり得ない行動だよね。少なくとも……今回の櫻井の告白でウチの櫻井に対する好感度はガッツリと下がったって感じ」
「……っ!そうか……そう……だよな」
そんなことは分かっていた。こんな最低な告白をして肯定的に受け取る馬鹿が一体どこにいると言うのか?早乙女のその受け取り方と評価は真っ当なものなのだ。
「ウチだってさー。別に櫻井のことを『最低』だなんて風に評価したかったわけじゃないんだよ?寧ろ櫻井が話した内容が擁護可能なレベルのものだったら擁護していただろうし、擁護したかった。だけどさー。話を聞いてどう考えても櫻井が『善人』であるなんて口が裂けても言えないしフォローだって無理だなって思っちゃたんだよね。だからウチはその点において櫻井を庇うことは絶対にしないから。一応謝っておくよ、ごめんね櫻井」
「……」
「でもさー。ほんとに櫻井は善人の皮を被った悪魔みたいなもんだよねー。人の気持ちを察して配慮しているように見せかけて何にもしていないただの『愚者』。薫は櫻井になんて言ったんだっけ?『英雄気取りの我儘なナルシスト』だっけ?まさにその通りじゃん。ウチは今日まで櫻井のことを全然そんな風には思っていなかったけどさー。それを聞かされたら凄く納得しちゃったんだよね。とてもお似合いで……適切な表現……櫻井芳樹という人物の最低で最悪な部分を評価する最適な表現だよ」
「……」
「櫻井がクズだってことはまあいいとして……ウチ個人の意見としても二宮さんの学園脱出計画は現状では反対だなー。櫻井自身、ふざけた動機と粗末な作戦しか考えていないみたいじゃん?そんなんで誰が協力するんだって話。人を舐めんのも大概にしておいた方がいいと思うよ?理事長怒らせたら大変そうとかウチだって理解している範疇だし」
「……」
「結論だけどさー。まず作戦事態も見直した方がいいし、櫻井が『最低』であることは揺るがぬ事実だって話で一旦結論……ふぅーとりま疲れた」
そこで早乙女は一息をおいた。早乙女は、俺の存在について主観と客観を織り交ぜた発言を下した。それらは否定する気など到底起こさせないような完璧な指摘だった。
そして三枝と何ら変わらない断罪。普段あまり上品ではない早乙女にしては比較的に配慮をした口調で話をしていたが、それでも俺を断罪し罰しようという主目的に相違はないだろう。変わらない。……たとえ、三枝であれ早乙女であれ俺が『悪』である事実は変わらないのだ。
「なあ早乙女。……俺は最低か?」
「うん。櫻井は紛うことなく最低。これは確定的なことじゃん」
「そうか……」
「でもさー櫻井。ウチはこんなところで話を終わらせるつもりなんて毛頭にないんだよねー。ここではっきりといいこと言ってあげるからちゃんとウチの美声を聞きなよ?」
「ああ。何だよ?」
「『最低』だから……だから何って感じじゃない?」
「は?」
早乙女夢は……ここで今までの俺の抱えて込んでいた苦悩を根底からひっくり返すようなそんな発言をしたのだった。
本音を言えば淡い期待をしていた。早乙女が「櫻井は最低なんかじゃない」と否定をし、俺を必死に宥めてフォローし労わってくれるのではないかと愚直に祈っていた。
だが……そんな理想は潰え、無様にも俺は『最低』であることを肯定され……いよいよ……自らの弱さを指摘され、咎められる局面を迎えたのだ。逃げ場など存在しない。逃げる方法も存在しない。逃げることなど許されない。竿乙女は滔々と俺を追い詰める発言を続けていく。
「まずさー。ここまでの話を聞いて櫻井は『最低』であることは揺るがぬ事実だってウチは感じたね。もし、櫻井の言い分が全部本当なら、今まで櫻井が誰かの為に行動していたのは全部嘘で……ただただ不幸な人の不幸な部分を利用して、喜んでいたってことになるよね?」
「……ああ。そうだよ……」
否定など出来る筈がない。既に俺に対する非難など確定している。これ以上言い訳を重ねようなどといった発想は唾棄すべき思考だ。故に肯定をした。
「特に今回の一件に限って言えば明らかに二宮さんは苦しんで辛い状態にあるじゃん?そんな人を見た時に、『さてこいつを利用して問題を解決して、俺ってマジでイケメンじゃん。英雄じゃん』って風に考えるのは流石にクズ過ぎない?あまりにも露骨で空気読めてなくてあり得ない行動だよね。少なくとも……今回の櫻井の告白でウチの櫻井に対する好感度はガッツリと下がったって感じ」
「……っ!そうか……そう……だよな」
そんなことは分かっていた。こんな最低な告白をして肯定的に受け取る馬鹿が一体どこにいると言うのか?早乙女のその受け取り方と評価は真っ当なものなのだ。
「ウチだってさー。別に櫻井のことを『最低』だなんて風に評価したかったわけじゃないんだよ?寧ろ櫻井が話した内容が擁護可能なレベルのものだったら擁護していただろうし、擁護したかった。だけどさー。話を聞いてどう考えても櫻井が『善人』であるなんて口が裂けても言えないしフォローだって無理だなって思っちゃたんだよね。だからウチはその点において櫻井を庇うことは絶対にしないから。一応謝っておくよ、ごめんね櫻井」
「……」
「でもさー。ほんとに櫻井は善人の皮を被った悪魔みたいなもんだよねー。人の気持ちを察して配慮しているように見せかけて何にもしていないただの『愚者』。薫は櫻井になんて言ったんだっけ?『英雄気取りの我儘なナルシスト』だっけ?まさにその通りじゃん。ウチは今日まで櫻井のことを全然そんな風には思っていなかったけどさー。それを聞かされたら凄く納得しちゃったんだよね。とてもお似合いで……適切な表現……櫻井芳樹という人物の最低で最悪な部分を評価する最適な表現だよ」
「……」
「櫻井がクズだってことはまあいいとして……ウチ個人の意見としても二宮さんの学園脱出計画は現状では反対だなー。櫻井自身、ふざけた動機と粗末な作戦しか考えていないみたいじゃん?そんなんで誰が協力するんだって話。人を舐めんのも大概にしておいた方がいいと思うよ?理事長怒らせたら大変そうとかウチだって理解している範疇だし」
「……」
「結論だけどさー。まず作戦事態も見直した方がいいし、櫻井が『最低』であることは揺るがぬ事実だって話で一旦結論……ふぅーとりま疲れた」
そこで早乙女は一息をおいた。早乙女は、俺の存在について主観と客観を織り交ぜた発言を下した。それらは否定する気など到底起こさせないような完璧な指摘だった。
そして三枝と何ら変わらない断罪。普段あまり上品ではない早乙女にしては比較的に配慮をした口調で話をしていたが、それでも俺を断罪し罰しようという主目的に相違はないだろう。変わらない。……たとえ、三枝であれ早乙女であれ俺が『悪』である事実は変わらないのだ。
「なあ早乙女。……俺は最低か?」
「うん。櫻井は紛うことなく最低。これは確定的なことじゃん」
「そうか……」
「でもさー櫻井。ウチはこんなところで話を終わらせるつもりなんて毛頭にないんだよねー。ここではっきりといいこと言ってあげるからちゃんとウチの美声を聞きなよ?」
「ああ。何だよ?」
「『最低』だから……だから何って感じじゃない?」
「は?」
早乙女夢は……ここで今までの俺の抱えて込んでいた苦悩を根底からひっくり返すようなそんな発言をしたのだった。
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