君と俺の一年
運命の出会い
俺は正しい事をしたのだろうか……彼女は幸せだったのだろうか……
キーンコーンカーンコーン……
「じゃあ、皆今日から三年生なんだから最上級生としてしっかり後輩のお手本になるようにな!」
俺の担任の前田勇気が新年度最初のホームルームの始まりに言った。
俺が通っているこの高校は埼玉県にある公立高校で偏差値はあまり高くない・・・と言うか馬鹿の分類になるかもしれない。俺はギリギリでこの高校に入学できた。
「おい鈴木! 聞いてるのか?」
そう、俺の名前は鈴木星河だ……<a href="//14316.mitemin.net/i149574/" target="_blank"><img src="//14316.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i149574/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
「鈴木!!!! お前は今日居残りだ!!!」
ヤベ……返事し忘れてた・・・新学期早々居残りか……
すみません。立ち上がって謝って席に座ると前田が全く……そう言いながら教卓に戻った
「星河も馬鹿だな……いきなり居残りかよ」
そう言うのは俺の親友の新井匠だ。こいつとは小学校からの友達で大事なダチだ。
「うるせ~よ。俺だって好きで居残りなんかしてると思ってんのかよ……全く……」
俺が匠に呆れ顔で言うと
「そこ!!! 何話してる!!!! 新井! お前も居残りだ!!!」
前田が顔を真っ赤にして息を切らし、怒っている。
「そんな~! 先生~勘弁してよ~」
匠が背を反らして天井を見上げて言うと周りが笑った。
「笑ってる場合じゃない! 全く……お前らは一年のときから変わらないな……」
前田は最後の方は少し笑いながら俺と匠を指差して言った。
「そう言えばお前たちに新しい仲間が加わるぞ! まぁ、転校生だ! 今日は学校に来られないから登校は明日からだな……明日のHRでちゃんと紹介するからな~」
前田がそう言うと周りから女子? 男子? と声が上がった
「まぁまぁ、明日にはちゃんと紹介するから今日は我慢な!」
前田がそうなだめるとえぇ~と落胆の声が上がった。ちょうどその時終礼のチャイムが鳴った。
「じゃあ今日はこれまでだから明日も遅刻せずにちゃんと来いよ~」
前田が自分のファイルを抱え言うと、はい。と声が上がり皆帰り支度を始めた。
「おい! 鈴木! 新井! お前らは居残りだろ!!!」
俺と匠が帰ろうとするとやはり見つかってしまった……
前田の後につき、職員室に着くと
「じゃあお前らはこれにハンコを押してってくれ」
そう言って渡されたのは大量の書類だった。これは? と匠が聞くと
「6月に学校でやる花火大会の案内だよ。それの学校印を押してほしいんだ。教室でやってくれ。終わったら俺の所に持ってきてくれな!」
分かりました~二人で言って職員室を出て教室に戻ると一人の女子生徒とその母親らしき女性がいた。
「どうしました?」
俺が聞くと
「すみません。この子は明日からお世話になる渡辺まりあです。お願いします」
前田が言ってた転校生か……
生徒の方を見るとポニーテールの小さい顔の子だった。
風に乗って彼女の甘い良い匂いが俺の鼻に辿り着いた。
彼女はずっと黙っているが彼女のいで立ちから分かる事があった。
雰囲気からも、清楚で純情で心に一点の曇りもない彼女の心が透けて見えるようであった。
第一印象は……可愛い。
一目惚れだと思う。
「よろしくね。俺は鈴木星河だよ」
俺が自己紹介すると
「俺は新井匠! よろしくな!」
匠も自己紹介した。が、彼女は口を開かない。
「すみません。この子恥ずかしがりで……今日も私は来ないつもりだったんですがこの子がどうしても来て欲しいって事で」
苦笑いしながらまりあの母親が言うとまりあは少し頭を下げた。<a href="//14316.mitemin.net/i149576/" target="_blank"><img src="//14316.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i149576/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
「あの子どう思う?」
彼女たちが帰った後教室で居残りの作業をしていると匠が俺に聞いてきた。
「どうって……可愛いと思うけど? お前はどうよ?」
少し照れながら言って匠に聞き返すと
「まぁ、俺はタイプじゃないかな~」
机の背もたれによっかかって伸びをしながら言った。
まりあか……本当に可愛かったな……
「よし! 終わった!!! 前田に持ってくか!」
一時間ほどで作業が終わった。
前田に書類を渡して教室の自分の荷物をまとめて下駄箱に行くと
「やっと来た! 遅いよ~!」
鞄を匠に投げつけて言ったのは匠の妹で新井奈津美だ。
俺の事も本当の兄のように慕ってくれている。
「星河兄ちゃんとお兄ちゃん揃って居残りって本当に馬鹿なんじゃないの?」
俺と匠を交互に見ながら可愛らしい顔で睨んでいる。
「俺は星河に巻き込まれただけだよ!」
匠は俺に責任を擦り付けてきた。
「じゃあな!」
分かれ道に差し掛かった時に匠が言った。いつも匠と奈津美、俺で登下校している。
「星河兄ちゃんまたね~」
奈津美も手を振って言った。
「じゃ、明日な!」
俺も挨拶して俺の帰り道を歩き出した。
10分程歩いた頃、前にまりあとその母親が居た。俺に気づくとまりあは直ぐに顔を伏せてしまったが母親の方は
「あれ? 鈴木君? 帰り道こっちなの?まりあと同じだね~。これからまりあをよろしくね」
母親はそう言うと少し頭を下げた。
「いえ、こちらこそお願いします。まりあ……で良いかな?」
俺は大体の女子は名前で呼んでいるのでまりあに尋ねると、うん。と頷いた。
「この町に来たばかりだから鈴木君が近くの家で良かったわ~」
まりあの母が大げさなジェスチャーで言った。
「そうだ! さっき教室に居た奴とその妹でいつも登下校してるんだけどまりあも一緒にどう?」
是非ともそうしたい! 心の中で強く思っていると
「助かるわ~!!! ねぇ?まりあ?」
母親がまりあに聞くと
「お母さんが勝手に話を進めないでよ!」
まりあは顔を赤くして母親に言った。しかしその後
「お願いします・・・」
小さい声でまりあが言った。よっしゃ!!!!!!心の中で大きくガッツポーズして喜んだ。
「じゃあ、明日からね!毎日8時30分に迎えに行くからさ!よろしくね!」
そう言って手を振って別れた。
明日から楽しくなるぞ~!!!
今日、居残りになったのは運命だ!!!
明日からの楽しい高校生活を満喫しよう!!!
そう思っていた……
あの日までは……
キーンコーンカーンコーン……
「じゃあ、皆今日から三年生なんだから最上級生としてしっかり後輩のお手本になるようにな!」
俺の担任の前田勇気が新年度最初のホームルームの始まりに言った。
俺が通っているこの高校は埼玉県にある公立高校で偏差値はあまり高くない・・・と言うか馬鹿の分類になるかもしれない。俺はギリギリでこの高校に入学できた。
「おい鈴木! 聞いてるのか?」
そう、俺の名前は鈴木星河だ……<a href="//14316.mitemin.net/i149574/" target="_blank"><img src="//14316.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i149574/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
「鈴木!!!! お前は今日居残りだ!!!」
ヤベ……返事し忘れてた・・・新学期早々居残りか……
すみません。立ち上がって謝って席に座ると前田が全く……そう言いながら教卓に戻った
「星河も馬鹿だな……いきなり居残りかよ」
そう言うのは俺の親友の新井匠だ。こいつとは小学校からの友達で大事なダチだ。
「うるせ~よ。俺だって好きで居残りなんかしてると思ってんのかよ……全く……」
俺が匠に呆れ顔で言うと
「そこ!!! 何話してる!!!! 新井! お前も居残りだ!!!」
前田が顔を真っ赤にして息を切らし、怒っている。
「そんな~! 先生~勘弁してよ~」
匠が背を反らして天井を見上げて言うと周りが笑った。
「笑ってる場合じゃない! 全く……お前らは一年のときから変わらないな……」
前田は最後の方は少し笑いながら俺と匠を指差して言った。
「そう言えばお前たちに新しい仲間が加わるぞ! まぁ、転校生だ! 今日は学校に来られないから登校は明日からだな……明日のHRでちゃんと紹介するからな~」
前田がそう言うと周りから女子? 男子? と声が上がった
「まぁまぁ、明日にはちゃんと紹介するから今日は我慢な!」
前田がそうなだめるとえぇ~と落胆の声が上がった。ちょうどその時終礼のチャイムが鳴った。
「じゃあ今日はこれまでだから明日も遅刻せずにちゃんと来いよ~」
前田が自分のファイルを抱え言うと、はい。と声が上がり皆帰り支度を始めた。
「おい! 鈴木! 新井! お前らは居残りだろ!!!」
俺と匠が帰ろうとするとやはり見つかってしまった……
前田の後につき、職員室に着くと
「じゃあお前らはこれにハンコを押してってくれ」
そう言って渡されたのは大量の書類だった。これは? と匠が聞くと
「6月に学校でやる花火大会の案内だよ。それの学校印を押してほしいんだ。教室でやってくれ。終わったら俺の所に持ってきてくれな!」
分かりました~二人で言って職員室を出て教室に戻ると一人の女子生徒とその母親らしき女性がいた。
「どうしました?」
俺が聞くと
「すみません。この子は明日からお世話になる渡辺まりあです。お願いします」
前田が言ってた転校生か……
生徒の方を見るとポニーテールの小さい顔の子だった。
風に乗って彼女の甘い良い匂いが俺の鼻に辿り着いた。
彼女はずっと黙っているが彼女のいで立ちから分かる事があった。
雰囲気からも、清楚で純情で心に一点の曇りもない彼女の心が透けて見えるようであった。
第一印象は……可愛い。
一目惚れだと思う。
「よろしくね。俺は鈴木星河だよ」
俺が自己紹介すると
「俺は新井匠! よろしくな!」
匠も自己紹介した。が、彼女は口を開かない。
「すみません。この子恥ずかしがりで……今日も私は来ないつもりだったんですがこの子がどうしても来て欲しいって事で」
苦笑いしながらまりあの母親が言うとまりあは少し頭を下げた。<a href="//14316.mitemin.net/i149576/" target="_blank"><img src="//14316.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i149576/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
「あの子どう思う?」
彼女たちが帰った後教室で居残りの作業をしていると匠が俺に聞いてきた。
「どうって……可愛いと思うけど? お前はどうよ?」
少し照れながら言って匠に聞き返すと
「まぁ、俺はタイプじゃないかな~」
机の背もたれによっかかって伸びをしながら言った。
まりあか……本当に可愛かったな……
「よし! 終わった!!! 前田に持ってくか!」
一時間ほどで作業が終わった。
前田に書類を渡して教室の自分の荷物をまとめて下駄箱に行くと
「やっと来た! 遅いよ~!」
鞄を匠に投げつけて言ったのは匠の妹で新井奈津美だ。
俺の事も本当の兄のように慕ってくれている。
「星河兄ちゃんとお兄ちゃん揃って居残りって本当に馬鹿なんじゃないの?」
俺と匠を交互に見ながら可愛らしい顔で睨んでいる。
「俺は星河に巻き込まれただけだよ!」
匠は俺に責任を擦り付けてきた。
「じゃあな!」
分かれ道に差し掛かった時に匠が言った。いつも匠と奈津美、俺で登下校している。
「星河兄ちゃんまたね~」
奈津美も手を振って言った。
「じゃ、明日な!」
俺も挨拶して俺の帰り道を歩き出した。
10分程歩いた頃、前にまりあとその母親が居た。俺に気づくとまりあは直ぐに顔を伏せてしまったが母親の方は
「あれ? 鈴木君? 帰り道こっちなの?まりあと同じだね~。これからまりあをよろしくね」
母親はそう言うと少し頭を下げた。
「いえ、こちらこそお願いします。まりあ……で良いかな?」
俺は大体の女子は名前で呼んでいるのでまりあに尋ねると、うん。と頷いた。
「この町に来たばかりだから鈴木君が近くの家で良かったわ~」
まりあの母が大げさなジェスチャーで言った。
「そうだ! さっき教室に居た奴とその妹でいつも登下校してるんだけどまりあも一緒にどう?」
是非ともそうしたい! 心の中で強く思っていると
「助かるわ~!!! ねぇ?まりあ?」
母親がまりあに聞くと
「お母さんが勝手に話を進めないでよ!」
まりあは顔を赤くして母親に言った。しかしその後
「お願いします・・・」
小さい声でまりあが言った。よっしゃ!!!!!!心の中で大きくガッツポーズして喜んだ。
「じゃあ、明日からね!毎日8時30分に迎えに行くからさ!よろしくね!」
そう言って手を振って別れた。
明日から楽しくなるぞ~!!!
今日、居残りになったのは運命だ!!!
明日からの楽しい高校生活を満喫しよう!!!
そう思っていた……
あの日までは……
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