あたしって幽霊?
ウルタナ
あたしはウルタナを目指してひたすら歩いていた。
しばらく歩いていると上空から何かが飛んできた。
人だ――。
「よう! お前さん新人だろ?」
男が急に話しかけてきた。何だろう。
「だったら何ですか?」
「ブック! フォアシヴィリーブックゲイン!」
するとあたしのブックが出てきた。
何も唱えてないのに――。
これも何かの魔法?
でも何も魔法カードを持ってないから防ぎようがない。
「良いかい? 相手がブックと言ったら自分もすぐにブックと唱えるんだ。例え自分が何もカードを持ってないとしてもハッタリ位にはなる」
何だろうこの人――。
敵? 味方?
「あなたは何者ですか?」
「俺か? ただのおせっかい野郎だ。姉ちゃんウルタナを目指してるんだろ? 俺が護衛してやる。その代わりに――」
「お金なら払いません。と言うか払えません」
「そんな事は分かってる。この世界に来たばかりなんだから金を持ってない事くらい分かってるよ」
「じゃあ何ですか?」
「お前さんが金を作れた時に支払ってくれれば良い。俺はこの世界から出る事を諦めた。現世には戻りたくもないしな。お前さんの護衛をしてやる」
「でもあなたの事良く分からないし――」
「そらそうだ。だからウルタナに着くまでは試用期間。ウルタナに着いてからは本格的に俺を雇ってくれるか判断してくれ」
「うん。分かった。それで良いなら構いません。よろしくお願いします」
「こちらこそ。俺の名前はグルー・ホワイト」
「あたしは仲間雪。あなた外国の名前だけど何で言葉が通じるの?」
「それはこの世界の言葉に瞬時に翻訳されてるからだ」
へぇー。
でもこの人悪そうではないしね。
「よろしくホワイトさん」
「グルーで良いよ」
「分かったグルー。よろしくね」
「よろしく、雪」
こうして二人でウルタナを目指して歩き出した。
三日目の昼、やっと大きな町に辿り着いた。
「やっと着いたー」
「お疲れ様。で、俺を雇ってくれるかい?」
「うん! グルー本当に良い人だって分かったし。よろしくね」
「かしこまりました」
「え? どうしたの?」
「これからは護衛に着く身、主従関係が発生いたします。なのでこれからは雪様と呼ばせて頂きます」
「ちょっと止めてよ! そんなのグルーらしくない!」
「いえ、こればかりは仕方ありません」
「そっか――。分かった。これからよろしくね」
「はっ。よろしくお願い致します」
何か懐かしいなこの感じ。
あたしはいわゆるお嬢様だった。
執事、メイドがいたのは当たり前だった。
だからこのグルーの感じは懐かしいような感じがする。
「まずはどうしたら良いと思う?」
グルーに尋ねた。
「まずは魔法カードを買いたいところですがお金の心配がありますのでまずは仕事を探しましょう」
確かにその通りだ。
じゃないとグルーに支払うお金もないしね。
『職業紹介所』
中に入るとガラリとしていた。
「仕事を探したいのですが」
受付に行き、そう言うとお姉さんがこちらですと言って機械の前にあたしを座らせた。
何か日本のハローワークみたい。
「こちらで仕事を探せます」
「ありがとうございます」
早速探そう。
あたしが出来そうな仕事は――。
一時間後――。
ダメだ。何もない。あたしが出来る仕事が何もない。
「グルー、どうしたら良い?」
「私と雪様で出来る仕事を探しましょう。私は魔物討伐等も出来ますので」
「でもそれじゃあグルーが仕事してるって事にならない?」
「私の仕事は雪様を守る事ですのでその為なら戦います」
「そう――」
じゃあ魔物討伐隊の仕事を探そうかな。
色々検索してみた結果初心者歓迎というのがあったのでそれに登録した。
登録にはあたしのブックのナンバーとあたしの名前だけで良かった。
『他のプレイヤーがあなたにコンタクトをとりました』
ブックが出てきていきなり話し始めた。
電話みたいなもんか。
「もしもし」
『仲間雪様ですね。この度は魔物討伐隊にご参加頂きありがとうございます。つきましては今夜の七時にウルタナのヤバチョーにお集まり下さい』
「あの、こっちは二人で参加したいのですが――」
『構いませんよ』
「分かりました。ありがとうございます」
『では失礼します』
通話が切れると同時にブックも消えた。
「グルー、ヤバチョーってどこ?」
「ヤバチョーは町の東にある居酒屋です」
「そっか。まぁ仕事は見つけたから今度は魔法カード買いに行かなきゃね」
「御意のままに」
あたしとグルーは魔法カードが売っている店にやってきた。
「個別のカードは高いのね」
「カードパックというものがございます」
「カードが五枚入ってるのとかそういうやつ?」
「左様でございます」
「じゃあそれ買おう」
「御意」
そして私は一パック二百五十バウのパックを十個買った。
これは一パック七枚入っているらしい。
中を見ると――。
『カードテイクオーバーズ』『フローティング』『ボールオブファイア』
等、様々なカードが入っていた。
全てのカード、全七十枚をブックにしまった。
しばらく歩いていると上空から何かが飛んできた。
人だ――。
「よう! お前さん新人だろ?」
男が急に話しかけてきた。何だろう。
「だったら何ですか?」
「ブック! フォアシヴィリーブックゲイン!」
するとあたしのブックが出てきた。
何も唱えてないのに――。
これも何かの魔法?
でも何も魔法カードを持ってないから防ぎようがない。
「良いかい? 相手がブックと言ったら自分もすぐにブックと唱えるんだ。例え自分が何もカードを持ってないとしてもハッタリ位にはなる」
何だろうこの人――。
敵? 味方?
「あなたは何者ですか?」
「俺か? ただのおせっかい野郎だ。姉ちゃんウルタナを目指してるんだろ? 俺が護衛してやる。その代わりに――」
「お金なら払いません。と言うか払えません」
「そんな事は分かってる。この世界に来たばかりなんだから金を持ってない事くらい分かってるよ」
「じゃあ何ですか?」
「お前さんが金を作れた時に支払ってくれれば良い。俺はこの世界から出る事を諦めた。現世には戻りたくもないしな。お前さんの護衛をしてやる」
「でもあなたの事良く分からないし――」
「そらそうだ。だからウルタナに着くまでは試用期間。ウルタナに着いてからは本格的に俺を雇ってくれるか判断してくれ」
「うん。分かった。それで良いなら構いません。よろしくお願いします」
「こちらこそ。俺の名前はグルー・ホワイト」
「あたしは仲間雪。あなた外国の名前だけど何で言葉が通じるの?」
「それはこの世界の言葉に瞬時に翻訳されてるからだ」
へぇー。
でもこの人悪そうではないしね。
「よろしくホワイトさん」
「グルーで良いよ」
「分かったグルー。よろしくね」
「よろしく、雪」
こうして二人でウルタナを目指して歩き出した。
三日目の昼、やっと大きな町に辿り着いた。
「やっと着いたー」
「お疲れ様。で、俺を雇ってくれるかい?」
「うん! グルー本当に良い人だって分かったし。よろしくね」
「かしこまりました」
「え? どうしたの?」
「これからは護衛に着く身、主従関係が発生いたします。なのでこれからは雪様と呼ばせて頂きます」
「ちょっと止めてよ! そんなのグルーらしくない!」
「いえ、こればかりは仕方ありません」
「そっか――。分かった。これからよろしくね」
「はっ。よろしくお願い致します」
何か懐かしいなこの感じ。
あたしはいわゆるお嬢様だった。
執事、メイドがいたのは当たり前だった。
だからこのグルーの感じは懐かしいような感じがする。
「まずはどうしたら良いと思う?」
グルーに尋ねた。
「まずは魔法カードを買いたいところですがお金の心配がありますのでまずは仕事を探しましょう」
確かにその通りだ。
じゃないとグルーに支払うお金もないしね。
『職業紹介所』
中に入るとガラリとしていた。
「仕事を探したいのですが」
受付に行き、そう言うとお姉さんがこちらですと言って機械の前にあたしを座らせた。
何か日本のハローワークみたい。
「こちらで仕事を探せます」
「ありがとうございます」
早速探そう。
あたしが出来そうな仕事は――。
一時間後――。
ダメだ。何もない。あたしが出来る仕事が何もない。
「グルー、どうしたら良い?」
「私と雪様で出来る仕事を探しましょう。私は魔物討伐等も出来ますので」
「でもそれじゃあグルーが仕事してるって事にならない?」
「私の仕事は雪様を守る事ですのでその為なら戦います」
「そう――」
じゃあ魔物討伐隊の仕事を探そうかな。
色々検索してみた結果初心者歓迎というのがあったのでそれに登録した。
登録にはあたしのブックのナンバーとあたしの名前だけで良かった。
『他のプレイヤーがあなたにコンタクトをとりました』
ブックが出てきていきなり話し始めた。
電話みたいなもんか。
「もしもし」
『仲間雪様ですね。この度は魔物討伐隊にご参加頂きありがとうございます。つきましては今夜の七時にウルタナのヤバチョーにお集まり下さい』
「あの、こっちは二人で参加したいのですが――」
『構いませんよ』
「分かりました。ありがとうございます」
『では失礼します』
通話が切れると同時にブックも消えた。
「グルー、ヤバチョーってどこ?」
「ヤバチョーは町の東にある居酒屋です」
「そっか。まぁ仕事は見つけたから今度は魔法カード買いに行かなきゃね」
「御意のままに」
あたしとグルーは魔法カードが売っている店にやってきた。
「個別のカードは高いのね」
「カードパックというものがございます」
「カードが五枚入ってるのとかそういうやつ?」
「左様でございます」
「じゃあそれ買おう」
「御意」
そして私は一パック二百五十バウのパックを十個買った。
これは一パック七枚入っているらしい。
中を見ると――。
『カードテイクオーバーズ』『フローティング』『ボールオブファイア』
等、様々なカードが入っていた。
全てのカード、全七十枚をブックにしまった。
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