あたしって幽霊?

星河☆

天国への道標

 あたしは死んだ。
 いつの間にか死んでいた。
 どうしてかは分からない。
 でも死んでいることは分かった。
 その理由はあたしが今いる場所にあった。








 「次、仲間雪」
 あたしの名前が呼ばれた。
 声がした方に行くと小さな可愛い目がクリクリした生物がいた。
「ウサギみたい」
「ウサギとは何だ! 僕は地獄と天国の仕分けをしているとっても偉い人なんだぞ!」
「人じゃないでしょ?」
「ムキー」
「分かったから。怒らないでウサちゃん」
「ウサちゃんじゃない!」
「じゃあ何?」
「え……っと。分かんない!」
 ガクっ。
 漫才か!
 でもこのウサちゃん何で名前分からないんだろう。
 あたしが名前考えてあげようかな……。




 「それで仲間雪、お前は天国だ。良かったな。天国でゲームをクリアすれば現世に戻れるチャンスだ。まぁ何年掛かるかは分からないけどな。じゃあな」
 ウサちゃんはそう言うとあたしを光で包んだ。










 光がおさまるとそこは楽園だった。
 まるで天国にいるみたい。
 あ、天国だった。


 あたしが天国でゲームをクリアすれば現世に戻れる。
 何か実感ないけどまぁ頑張ろう。


 さて何をしよう。
 あれ? いつの間にかポケットの中に何か入ってる。
 取り出して見てみると『天国ノート』だった。
 中を見てみるとここでやるべき事が書いてある。


 『1、住居は自分で見つけるべし。2、仕事は自分で見つけるべし。3、ゲームをクリアした者は現世に戻れる』
 等々、様々な事が書いてあった。
 住居を探すにはまず仕事をみつけないとな。


 「すみません。ここで仕事をするにはどうすれば良いんですか?」
 通りすがりの人に聞いてみた。


 「自分で開業するか会社に入るかのどっちかだよ。あんたここに来たのついさっきだろ? ブック!」
 おじいちゃんがブックと言うと本が出てきた。どうやら天国ノートとは別物らしい。


「何ですかそれは?」
「これはブックと言ってここにカードをしまえるようになっている。カードはこうやってゲインと言うとカードが現物化される」
 おじいちゃんの手にはペットボトルに入った水が出てきた。
 凄い。魔法が使えるんだ。
 瞬時に理解したあたしは、
 「ブック!」
 あれ? 何もカードがない。


「そりゃそうだよ。あんた何もカード化してないだろ? カード化するには例えばこの石をカード化したければ、カードオン! と言う。そうするとカード化される」
「へぇー。ありがとうございます。他にはどんなカードがあるんですか?」
「うーん。相手の持っているカードが分かったりするカードとか空を飛ぶカードとかいろいろあるよ。カードが欲しければウルタナに行ってごらん」
「ありがとうございます!」
「これも何かの縁だ。これを持って行きなさい」
 おじいちゃんはそう言うと水カードとお金カードをくれた。


 何度も礼を言って別れた。
 この世界の通貨はバウだ。
 おじいちゃんに三万バウを貰ったからこれで食料を買おう。






 ずっと歩いていると村に行きついた。
 お腹すいた――。
 早く食料を……。




 「いらっしゃいませー」
 この人はゲームの中の人なんだろうか?
 聞いてみよう。
 「すみません。あなたはゲームの中の人ですか?」
 すると店員のおばさんは笑った。


「あたいはゲーム参加者だよ。でもね、ここが居心地良くて現世に戻らなくても良いって思ったんだ。だからこうして店を開いているんだよ。そういう人ばかりだよ」
「何かすみません――。携帯食料を十日分下さい」
「あいよ。八千バウだよ」
「ゲイン」
 三万バウをゲインし、支払いを済ませた。
 「カードオン」
 お金をカードに戻そうとしたが出来ない。
 何でだろう。
 するとおばさんが教えてくれた。


 「カードを一回ゲインしちゃうと二度とカードに戻せないんだよ。良かったらこれあげる」
 するとおばさんは財布をくれた。
 「ありがとうございます!」






 とりあえず食料はOK。
 ウルタナって所に行ってみようかな。
 でも場所が分からない。




 『情報屋』
 と書かれた看板の下についた。




 「すみません、ウルタナってどこですか?」
 店主のおじさんに聞くと、
 「それなら千バウだよ」
 高いと思ったが仕方なく払った。
 「この獣道をまっすぐ永遠に行くと大きな町がある。そこがウルタナだよ」
 何だよ。それなら千バウも取るなよ。全く――。
 礼を言い、店を出た。












 さて、ウルタナを目指すか。

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