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全財産百兆円の男

星河☆

船上パーティー

 今日は国会議員、会社の社長、国際的に活躍する人物等が集まる船上パーティーだ。
 この会は三ヶ月に一回開かれている。
 亨はこれまで何度も招待されていたが、一度も行ったことがなかった。
 しかし今回佐藤とのデートの場として参加する事にした。


「私なんかが参加して良いの?」
「勿論平気だよ。真奈美との時間をもっと作りたいんだ」
「ふふ。ありがとう」
「じゃあ入ろうか」
「うん」
 亨は船乗り場で佐藤と西田を連れて豪華客船に入った。
 斉藤は駐車場で待っている。
 客船に入ると受付嬢が亨に声をかけた。


 「甲斐様、この度は御参加頂き誠にありがとうございます」
 受付嬢が頭を下げて言った。
 亨は客員名簿に参加者の名前、佐藤と西田、亨の名前を書いた。


「ありがとうございます。ではごゆっくりとお楽しみ下さい」
「どーもー」
 亨はダルそうに言ったが佐藤はしっかりと頭を下げて中に入った。


 「そう言えば何でこんな素敵な会に一度も参加しなかったの?」
 佐藤が亨に尋ねた。
 「すぐに分かるよ」
 亨は意味深にそう言うとウエイターからシャンパンを受け取った。


「真奈美も西田も飲みなよ」
「うん」
「私は仕事中ですので」
「そう言うなよ。今日は飲め。命令だ」
「かしこまりました」
 西田に無理矢理酒を飲ませた亨は嬉しそうに佐藤の手を繋いでメイン会場に入った。
 すると男が亨に話しかけた。


 「甲斐さん、お久しぶりです。覚えていらっしゃいますか?」
 亨は明らかに面倒くさそうだが笑顔で答えた。


「勿論ですよ。西川先生。真奈美、こちらは国会議員の西川聡先生。先生、こちらは私とお付き合いをさせて頂いております佐藤さんです」
「よろしくお願いします」
「おぉ、そうでしたか。甲斐さん、この会を是非お楽しみ下さい」
「はい。ありがとうございます」
 西川は少し頭を下げ去っていった。
 「なるほどね。亨がここに来たくない理由が何となく分かった」
 佐藤が苦笑しながらそう言って亨の肩を軽くたたいた。


「でしょ?」
「でもこういう会って大事なんじゃないの?」
「まぁそうなんだけどな。金持ちにたかる奴らが面倒でさ」
「そういう事言わないの」
「はいはい」
 するとまた男が亨に声をかけてきた。


「甲斐師匠! 来ていらしたんですか!」
「おぉ! 松原! 久しぶりだな!」
「はい! 一年ぶり位ですか?」
「もうそんなになるか。お前元気にしてたか?」
「勿論ですよ。師匠こそ何か春が来てるじゃないですか」
「師匠はやめろよ。紹介がまだだったな。こちらは俺と交際している佐藤真奈美さん。真奈美、こいつは俺の投資家仲間の松原透」
「よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。師匠とは十年前に出会ったんですがそれ以来株の事を色々教えて頂いていたんです」
「そうなの亨?」
「教えてるなんて大層なもんじゃないよ」
「いえいえ。師匠は本当にすごい人ですよ。師匠がいなかったら俺株で大損して借金まみれになってました」
「もうその辺にしておけ松原」
「はーい」
 松原はむくれた顔で返事をして料理を食べ始めた。
 「俺らも飯食おう」
 亨が佐藤と西田に言った。












 暫くして主催者の挨拶が始まった。
 「皆さま、本日はお忙しい中虎中会にお集まりいただき誠にありがとうございます。私虎中会会長の虎中光男と申します。もうお分かりの方もいらっしゃるでしょうが念のために虎中会がどんな会なのかと申しますと、虎中会は全国にある虎中会系病院を束ねます会です。本日は病院関係者、投資家の皆さま、政財界の皆さま、他多数の方にお越し頂きました。皆さま、本日は短い間ですがどうぞお楽しみ下さい」
 虎中の挨拶が終わり、皆乾杯した。
 既に飲んでいる者もいるが……。








 亨は虎中と話していた。


「甲斐さん、この度は御参加頂き本当にありがとうございます」
「いえいえ、とんでもないです」
「甲斐さんが出資して下さった病院は何とか持ち直す事が出来ました。ありがとうございます」
「そうでしたか。良かったです」
「これからもどうぞよろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いします。では失礼します」
 亨は佐藤のもとへ戻った。


 「亨って虎中さんとも知り合いなの?」
 佐藤が亨に聞いた。


「まぁね。経営難だった病院に出資して恩を売った」
「何それ」
 佐藤は苦笑した。
 料理を食べながら二人で話していた。










 「それでは皆様今日はこれでおひらきにさせて頂きます。誠にありがとうございました」
 虎中が挨拶をして虎中会のパーティーは終わった。






 船を降りた三人はそのまま駐車場へ行き、斉藤が待つ車へ乗った。
 「このまま真奈美の家で良い?」
 亨が佐藤に聞いた。


「うん。お願い」
「斉藤、頼むよ」
「かしこまりました」
 斉藤は車を発進させた。






 三十分程で佐藤の家に着いた。


「今日はありがとう。楽しかった。またね」
「うん。ばいばい」
 斉藤が後部座席のドアを開けて佐藤が出てアパートに入っていった。
 佐藤が降りると佐藤は運転席に戻り、車を発進させた。












 十五分程で亨の家に着いた。




 家に入った亨は橋本を呼んだ。


「白ワインを持ってきてくれ。一杯で良いから」
「銘柄はいかがなさいましょう」
「モンテスアルファで」
「かしこまりました」
 亨は注文すると自分の部屋に行った。


 ドアがノックされた。
 亨が返事をすると橋本がワインを持って入ってきた。


「モンテスアルファでございます」
「ありがとう。おやすみ」
「おやすみなさい」
 亨はテレビで野球中継を見ながらタバコを吸ってワインを飲んでいた。








 暫くすると亨は眠くなり、ベッドに行き、眠りに着いた。










 午前七時、携帯の目覚ましが鳴った。
 「んー」
 唸りながら目覚ましを止め、起き上がり、タバコを吸い始めた。
 ベッド横のテーブルにはモーニングティーが置かれていた。
 モーニングティーは毎日橋本が置いている。
 亨はテレビを付け、朝のニュースを見ながらタバコを吸って、モーニングティーを飲んでいた。








 「おはようございます」
 亨は朝食を食べにリビングへ下りていくと、メイド、執事が挨拶した。
 「おはよう」
 亨も挨拶をして椅子に座った。
 フレンチトースト、スクランブルエッグ、プチトマトのサラダが食卓に並んでいる。


 「いただきます」
 亨は両手を合わせ、食事を始めた。










 食事を終え、スムージーを飲んでいると亨の携帯が鳴った。
 佐藤だった。


「もしもし? どうしたの?」
『朝早くにごめんね。ちょっとお願いがあって――』
「どうした?」
『仕事の話なんだけど、週刊文秋で経済について連載記事を書いてくれないかなと思って』
「マジ? 俺が?」
『亨じゃなきゃダメなの。勿論報酬は十分に払う。どう?』
「まぁ良いけど――。これからは仕事の話は西田に電話してね。プライベートな事は直接俺で良いからさ」
『うん分かった。じゃあ詳しい話は西田さんにするから。またね』
「うん。ばいばい」
 電話を切った亨は朝から愛する人の声を聞けて嬉しそうだ。


 「西田ちょっと」
 亨は西田を呼び、今佐藤との会話を話した。


「では詳細は私が決めて宜しいのですね?」
「あぁ、頼むよ」
「かしこまりました」
 亨は自分の部屋に戻り、パソコンで株価をチェックした。

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