屋根裏見たら異世界降臨

ノベルバユーザー198902

5話モンスターはある意味空気を読む。

もう夜だ。寝る時間が来る。もし俺が傷つけてるのだとしたら…


自分が怖い。


トントン。ドアの叩かれた音がする。


「そのー僕だよ。」


「ナツか、入っていいよ」


「どう?調子は?」


「良くもないし悪くもないな、というかナツこんな所にいて、大丈夫なのか?」


「許可もらってるし、その今日は一緒に寝よ?」


視線は同じはずなのだが、上目遣いのナツ。こういうのは久しぶりに見た。


「ってか、許可もらってもダメだよっ」


「なんで?」


「それは…」


夜、何があるか分からないから。この言葉を飲み込む。


「男だし、何されるか分からないよ?」


「ハルなら別にいい…じゃなくてしないと分かってるもん」


「でも、そうとは限らないぞ」


「あーもう、つべこべ言わないっ!ほら寝る!」


そう言うとハルキをちょっと強引に横にならせ、その隣にナツも寝る。


「今日だけだからな」


「んー、分かったよ」


疲れていたのか寝るのは早かった。そして夜。視界が写るが体は思うように動かない。


「まただ。何なんだろう」


堕天使も現れなくなった。どんどん俺から消えていく…


「ちっ、また離れなきゃ危ない。」


窓を開け飛び出す。


それをナツは見ていた。


「ハルやっぱり行った。追いかけなきゃ。」


寝ている振りをしていたがバレずに済んだ。とりあえず追いかけなきゃ。


ナツはウルフ。ウルフの魔法を使い潜在本能を引き出し、移動速度を軽々ハルキを超えてしまう。


「誰だっ」


揺らぐ視界の中で誰かが迫ってきてる。


「僕だよ。ナツだよ。」


いつもより雰囲気は違うが確かにナツだ。


「うんん、そうじゃないの。」


だめだ、もう何かを止められない。


「何が違うんだ?」


剣は持ってない。戦えない。がナツに駆けていく。


「っ!!ハル!?」


ナツの太刀と俺の手がぶつかる。がなぜか斬られない。


手をよーく見てみると確かに俺の手に太刀がぶつかっている。なのに切られない。なぜだ?どうなってる?


「今のハルはハルじゃない。目の色も違う…けど。今のハルはこっ、怖くない。」


「足が竦んでいるぞ?強がりはよせ。」


喋り方も声も違う。何より、手が剣より速く動く。風が遅く感じる。これは俺なのか?


「なんなのこの強さ。剣とは違うけど剣ほど威力はない。だけど圧倒的な手数に速さ。ハルより強い。」


俺が戦っているのか?本当に俺?このまま俺じゃ無くなるのでは?


「獣の血よ。騒ぎひととき我に力を差し出してくれ。本能をさらけ出せ!【ウルフオブブラッド】」


なんとか手数で返したい。


ガサッ


「なっ、こんな時に!?」


見た目はひょろっとし、背は高いがハンマーを持ったモンスター。


そんな時こそ乱入者は現れてしまう。

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