屋根裏見たら異世界降臨

ノベルバユーザー198902

11話 仲間だから。

「えっ?えっえっ?メネル?何を!?」


「こうやって起こすの。私のお母さんも、こうやって起こしてたんだ!」


「そうじゃなくて、その。あーもう!私も手伝う!!」


んっ、またメネルが俺の事を起こしてるのかな?そう考えながらゆっくりと目を開ける。


「ふぁっ?」


メネルはちょっとでかくなったんではないか?ナツはいい感じ、でかくなく小さくなく


「じゃなくて、とっとりあえず降りてもらっていい?」


「うん!起きたなら良かった。」


と、先に降りるメネル


「とりあえずおはよう。」


というハルキに対して


「うん!おはよう?」


なんか?気味なナツ


「ハルおはよう、まったくお寝坊さんなんだからぁ〜」


「メネルもおはよう!」


何気ない会話をすまし、準備等があるからこの前の酒場で待ち合わせをする。


「ふぅ待たせたな〜」


「うん待った。」


「…」


「アハハ」


「さてとりあえず今後の方針はどうする?」


「そのことなんだけどさ、私はこのパーティー抜ける。少しの間だけいるって約束だったから。」


「…」


「だからありがとうございました。またどこかで会えた…」


そこをハルキが遮る。


「今更何言ってるんだよ」


「!」


「俺達仲間だろ?」


「…」


「ここまで一緒に戦っといてそれはないぜ。」


「でも。僕には。僕にはやりたい事があるんだ。」


「復讐だろ?で、そのあとは自殺」


「えっ?」


「見てればなんとなーくは分かる。分からなくてもイアから教えてもらってるし。」


「イア!?」


「ああ、ナツの妹の」


「でも、なんで。」


「ハルキ、話についていけないんだけど」


「えっと順を追って説明するか。」


そう言いまずは変なところに転移したこと。次にそこでイアに会ったこと。イアから聞いたナツの過去の事。それでイアの魔法を一回だけ使わせてくれた事。


「と、言うわけだ。」


「なるほど!説明ありがとうハルキ!」


「でも。なんでイアは。」


「イアはすげぇ心配してたぞ!いい妹だな!」


「べっ別に。」


「すっげぇお姉ちゃんに似てたぞ!」


そう言ってナツには見えなくてもニッて笑う。


「そうなんだ。」


ハルキからは見えないが、メネルからだと見える。ナツが泣いてるのを。苦しんでるのを。


「復讐や自分を傷つけるため。それでもいいけどさ、イアは嬉しくないぞ?」


「…」


ナツが泣いてるのをハルキは気づかないまま話し続ける。


「やりたい事をやって、自分が心のそこから復讐でもなく、倒したい敵を倒してニコニコ笑ったほうがいいんじゃないかな?」


「…」


「自分を傷つけたって殺したって、イアは帰って来ないんだぞ!」


「…」


「今日や明日を生きようよ!」


俺が言えたことじゃないが。その一言を心にそっとしまう。


「もう。何言ってるかわからないよっ。」


「言いたいことがありすぎて、なんか話が変わってきちゃたな~!」


「あはは。過去になにかあったからと言って、信じられなくても。ハルキのことは信じられるから!ねっ?」


理由もないのに信じられると言うメネルがニコッと笑いながら顔を傾ける。


「なんかあったら助け合う、仲間だろ?」


「・・・うん!」


柄にもないことを言っちゃたな~。


恥ずかしい気もちよりもナツに、言葉をかけることを、選んだハルキであった。

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