『君の名は』考察 : 糸守町は滅びるべきだった可能性

井口 創丁

『君の名は』考察 : 糸守町は滅びるべきだった可能性

『君の名は』考察 : 糸守町は滅びるべきだった可能性


・隕石が落ちすぎている
これは映画を見て思った方も多いだろう。とある記事によると人が隕石によって死亡する確率は160万分の1と言われている。
しかし糸守町はそれを二回以上(二回と断定しない理由は後述)起こしている。
この事から糸守町は何かの意思によって滅ぼされようとしている可能性が示唆できる。


・入れ替わりによる危険性
作中のキモとなるこの行為は実は大きな危険をはらんでいる。
端的に言えば入れ替わった先で何をしても責任を問われない点だ。
これを利用すれば世界を裏で牛耳ることも不可能ではないだろう。
世界の核となる人物を殺害しても、重要機関を破壊しても罪に問われることはないからだ。
しかし、入れ替わるためには組糸を相手に所持させる必要がある。
このリスクがあるため著名人を乗っ取ることはできないと考えられるがそう結論を出すには早計である。


・火災により技術が失われた可能性
今は組糸と口噛み酒の儀式のみが残っている宮水家ではあるが、火災が起きる前には他の何かが栄えていた可能性もある。
おばあちゃん(一葉)が入れ替わった人物を見破ることが出来たのもその失われた技術の一部なのでは無いだろうか。
そうだとするなれば宮水家は代々他人と入れ替わり繁栄を続けてきたと同時に糸守町の住人の中には宮水家を支援し栄えていた家系があっても不思議ではない。


・一葉の発言と名前
これは前の話題の補足になるのだが、一葉はかつて自身も不思議な夢を見たと言っている。
この事から入れ替わりの際の記憶を持っていないことが分かる。
先程の入れ替わりによる世界の支配において記憶が無くなるのは大きな失点だ。
だが、これは火災による技術の喪失からくるものだと考えられる。
書物で長らく伝えられていた技術は焼き消え、残された記憶を辿ってもどうもうまくいかなかったのだろう。
そのため彼女の名前には新たな世代の節目として「一」の文字が刻まれているものだと思われる。


・湖を作った隕石
劇中に語られる1200年前に落ちて湖を作ったとされる隕石だが、これにも考察する点はいくつかある。
1200年以上前からあの周囲全域に町があったとするならば半分は隕石によって吹き飛ばされている可能性が高い、仮に劇中の町が過去から規模を変えずにあったとしても近隣に隕石にが落ちて被害が一切ないということは考えられないだろう。
それでも宮水家はその場所に留まり続けたのである。
では次に一葉の糸守千年の歴史という発言を鵜呑みにし、隕石が落下した二百年後に宮水家が住み着いた場合を考えてみよう。
ティアマト彗星が落ちた後の町の状況も例として考えると二百年という時間は隕石跡を湖へと変えるには十分だろう。
しかし、記録に隕石が落ちたと記されていることや、傾斜のきつい坂が多いことから積極的に人が住もうとする場所とは思えない。


いずれの場合にも、その場所に住まなくてはいけない特別な理由があったのだ。
それは御神体の存在である。


・御神体
劇中で宮内家一行が口噛み酒を奉納した場所であり、瀧が過去へと戻った思い入れの深い場所でもあるがここが一番のキーポイントである。
その名前から察する事が出来るようにここには宮水家を支える神がいるとされる。
これまでの推論からその神は他人と入れ替わる技術などを授ける高次元の存在に他ならない。
さらに御神体の内側の壁にはティアマト彗星が描かれていたことから未来予測も可能である事がわかる。
また、御神体を中心として周囲は円状に凹んでいるためこれも隕石である可能性がある。
隕石だった場合、その中に居た神とは宇宙人に他ならない。
そして、その技術を用いて地球を裏で操る宮水家の行動は宇宙人の侵略活動の一種と捉えて差し支えないのではないだろうか。


・結論とその後
以上の事から宮水家を中心とした糸守町は地球にとって都合の良いものでは無かったため入れ替わりの技術を消そうとして隕石が何度も引き寄せられたのではないだろうか。
また、宇宙人は入れ替わりの技術を長く残すためセーブポイントとして口噛み酒を用いたとも考えられる。
結果的に入れ替わりの技術は失われたが、方法は未だに宮水家の中で生き続けている。
地球の意思は彼女たちをどうするのか、また彼女たちは再び入れ替わりの技術を伝承するのか。それは神のみぞ知るところなのだろう。


以上が私の考察だ。最後に行って見たい言葉があるのでそれを言って締めるとしよう。


信じるか信じないかはあなた次第です。


ご覧いただきありがとうございました。



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