小さき蒼雷の魔法使い
第五十八話「条件」
「条件とはなんだ?」
バルトの出す条件がどんなものなのかが気になったライガは真っ先に内容に関して問いかけた。
「条件を言う前に聞いて置かなければならない事がある。
ライガ君たちの今後の予定が聞きたい……それによって条件も変わってくるかもしれないのでな。」
「今後か……まあ、暫くはこの街で冒険者をして資金稼ぎだな。
今回の報酬でかなり資金は出来たと思うが、資金は多くて困る事は無いし、何より目標とする額が分からないからな。」
ライガの目的は三年後の学園への入学だ。
その為の資金はいくら必要なのか聞いていないので、学園入学資金と学園に在学中の間の生活が有意義に過ごせるように出来る限り稼いでおく必要がある。
そして、稼ぐのに恐らく辺境であるこのルーベンスの街が一番効率が良いだろうと独断と偏見で決めた。
まあ、最悪魔境の奥地へ行けばAランク程度の魔物はごろごろいるから買い取ってもらえば済むだろうと考えていた。
「目標金額が分からない?君たちは何のために資金稼ぎをしているのだ?」
「ん?俺たちは三年後に10歳になるから王都の学園へと入学するために資金稼ぎをしているんだが……。」
「王都の学園と言うとアルファス王国魔剣技総合学園の事か?」
「ああ、その通りだ。」
この国の王都にある学園だから知っていて当然だが、それを聞いてどうするのだろうか……そんな事を思わないでもないライガだった。
「そうか、ではシエル同行の条件だがシエルが100日間の期間中に一人で戦闘がこなせるように出来る事が第一の条件だ。」
「第一?と言うことは他にもあるのか?」
100日間ならおよそ3ヶ月だろう。
その間でシエルが戦闘を出来るようになるのかは本人の資質も必要だが、そこに他にも条件があると厳しくなることは明らかだった。
「そうだな、第二の条件は最初の条件をクリアできれば教えよう。」
「随分と言わないじゃないか?
遅かれ早かれ言うことになるのだから今話しても一緒だろう?」
何を考えているのか分からないな……
シエルが自分で一緒に行くと決めたのなら協力してやりたいが、条件がいくつあるのかわからない上に、どんな条件を出されるのかが想像できない事がライガを悩ませる原因になっていた。
「まあ、私も出来ることならシエルに冒険者にはなって欲しくない。
それでも、大事な娘だ。
願いは極力叶えてやりたいし、考えも尊重したい。
だが、それを許可して死んでしまっては意味がないだろう?」
バルトの想いを聞き、条件をクリアしていく方法に思考を切り替えた。
「まあ、一つ目の条件は分かったけど、その条件の中には教えることに関しては何も言われていないから
俺達が教えてもいいのか?」
「そうだな、教えるのは良いだろう。」
まず、ライガの思いついたのはシエルの強化だった。
シエルが一人で戦闘がこなせると言っても戦闘に向いていなければ当然、相手にもよるが厳しいだろう。
しかし、強化にも手が出せないとシエルの才能任せになっているところだった。
それに、最悪は…………あれを使ってもらえば良かったのだが。
そして、最後の確認のためにバルトにもう一度聞いた。
「それじゃ、シエルが一人で、実力で戦えばいいのか?」
「そうだ。実力で勝ち取ればいい。辺境伯家とはそういうものだ。」
ライガとバルトがやり取りをしている中、四人は既に置いてきぼりになって来ていたので、机に用意されていたティーセットを使いお茶を入れて有意義に時間を使っていた。
「シオン、お茶のおかわりはいりますか?」
「うん!お願い~♪」
カレンは手慣れた感じでお茶を入れていると、流れに乗るようにシエルやウィドもお願いしてきた。
「カレン、私もお願いできますか?」
「分かったから、少し待ってて下さい。。」
「すまんが儂のもお願いしたいのぅ。」
「はいはい。おじいちゃんのは最後に入れてあげますから。」
「おじいちゃん……まあ、しょうがないのぅ。」
カレンの言葉に若干思うことはあったが、歳を取ったと割りきりお菓子を摘まみながら時間を使っていた。
すると、ライガ達も話が終わったのかとちらにいつの間にか混ざっていた。
「おお!このお菓子はおいしいな!」
「そうだろう!このお菓子はうちで雇っている料理人が作っているのだが中々においしくてついつい食べてしまうのだ。」
そんなライガとバルトの前にカレンが気を使ってお茶を用意した。
「ご主人?お話は終わりましたか?」
「ああ、大丈夫だ。一応話は付いたが……お前らも関係ある話をしている時に呑気にお茶を飲んでる場合じゃないだろ?
まあ、話は纏まったから明日から……楽しみだな。」
ライガの笑顔はとても……怖かった。
そして、ライガは明日からの計画を考えつつその時を楽しんだ。
皆様、柊☆黐です。
お読み頂きありがとうございます。
是非お気に入り登録といいね!をよろしくお願いします。
他サイトでは、ご報告いたしましたが、今回から暫くは不定期での、一話が書けたらその都度上げて連載致します。
しかし、不定期投稿と言っても長くて一日か二日くらい空けて1話を上げる予定です。
最近執筆の調子が良くないので一日一話が厳しくなってきました。
そんなことを言いつつ、調子が良ければ毎日上げるかも知れません。
※生活の都合と相談になります。
申し訳ありません。ごめんなさい。
投稿やその他ご要望やご指摘などありましたら、遠慮なくコメントまたはTwitterの方に連絡をお願いします。
今後も「小さき蒼雷の魔法使い」を是非とも、よろしくお願いします。
さて、次回は五十九話「強化と戦闘試験」でお会いしましょう。
お楽しみにっ♪
バルトの出す条件がどんなものなのかが気になったライガは真っ先に内容に関して問いかけた。
「条件を言う前に聞いて置かなければならない事がある。
ライガ君たちの今後の予定が聞きたい……それによって条件も変わってくるかもしれないのでな。」
「今後か……まあ、暫くはこの街で冒険者をして資金稼ぎだな。
今回の報酬でかなり資金は出来たと思うが、資金は多くて困る事は無いし、何より目標とする額が分からないからな。」
ライガの目的は三年後の学園への入学だ。
その為の資金はいくら必要なのか聞いていないので、学園入学資金と学園に在学中の間の生活が有意義に過ごせるように出来る限り稼いでおく必要がある。
そして、稼ぐのに恐らく辺境であるこのルーベンスの街が一番効率が良いだろうと独断と偏見で決めた。
まあ、最悪魔境の奥地へ行けばAランク程度の魔物はごろごろいるから買い取ってもらえば済むだろうと考えていた。
「目標金額が分からない?君たちは何のために資金稼ぎをしているのだ?」
「ん?俺たちは三年後に10歳になるから王都の学園へと入学するために資金稼ぎをしているんだが……。」
「王都の学園と言うとアルファス王国魔剣技総合学園の事か?」
「ああ、その通りだ。」
この国の王都にある学園だから知っていて当然だが、それを聞いてどうするのだろうか……そんな事を思わないでもないライガだった。
「そうか、ではシエル同行の条件だがシエルが100日間の期間中に一人で戦闘がこなせるように出来る事が第一の条件だ。」
「第一?と言うことは他にもあるのか?」
100日間ならおよそ3ヶ月だろう。
その間でシエルが戦闘を出来るようになるのかは本人の資質も必要だが、そこに他にも条件があると厳しくなることは明らかだった。
「そうだな、第二の条件は最初の条件をクリアできれば教えよう。」
「随分と言わないじゃないか?
遅かれ早かれ言うことになるのだから今話しても一緒だろう?」
何を考えているのか分からないな……
シエルが自分で一緒に行くと決めたのなら協力してやりたいが、条件がいくつあるのかわからない上に、どんな条件を出されるのかが想像できない事がライガを悩ませる原因になっていた。
「まあ、私も出来ることならシエルに冒険者にはなって欲しくない。
それでも、大事な娘だ。
願いは極力叶えてやりたいし、考えも尊重したい。
だが、それを許可して死んでしまっては意味がないだろう?」
バルトの想いを聞き、条件をクリアしていく方法に思考を切り替えた。
「まあ、一つ目の条件は分かったけど、その条件の中には教えることに関しては何も言われていないから
俺達が教えてもいいのか?」
「そうだな、教えるのは良いだろう。」
まず、ライガの思いついたのはシエルの強化だった。
シエルが一人で戦闘がこなせると言っても戦闘に向いていなければ当然、相手にもよるが厳しいだろう。
しかし、強化にも手が出せないとシエルの才能任せになっているところだった。
それに、最悪は…………あれを使ってもらえば良かったのだが。
そして、最後の確認のためにバルトにもう一度聞いた。
「それじゃ、シエルが一人で、実力で戦えばいいのか?」
「そうだ。実力で勝ち取ればいい。辺境伯家とはそういうものだ。」
ライガとバルトがやり取りをしている中、四人は既に置いてきぼりになって来ていたので、机に用意されていたティーセットを使いお茶を入れて有意義に時間を使っていた。
「シオン、お茶のおかわりはいりますか?」
「うん!お願い~♪」
カレンは手慣れた感じでお茶を入れていると、流れに乗るようにシエルやウィドもお願いしてきた。
「カレン、私もお願いできますか?」
「分かったから、少し待ってて下さい。。」
「すまんが儂のもお願いしたいのぅ。」
「はいはい。おじいちゃんのは最後に入れてあげますから。」
「おじいちゃん……まあ、しょうがないのぅ。」
カレンの言葉に若干思うことはあったが、歳を取ったと割りきりお菓子を摘まみながら時間を使っていた。
すると、ライガ達も話が終わったのかとちらにいつの間にか混ざっていた。
「おお!このお菓子はおいしいな!」
「そうだろう!このお菓子はうちで雇っている料理人が作っているのだが中々においしくてついつい食べてしまうのだ。」
そんなライガとバルトの前にカレンが気を使ってお茶を用意した。
「ご主人?お話は終わりましたか?」
「ああ、大丈夫だ。一応話は付いたが……お前らも関係ある話をしている時に呑気にお茶を飲んでる場合じゃないだろ?
まあ、話は纏まったから明日から……楽しみだな。」
ライガの笑顔はとても……怖かった。
そして、ライガは明日からの計画を考えつつその時を楽しんだ。
皆様、柊☆黐です。
お読み頂きありがとうございます。
是非お気に入り登録といいね!をよろしくお願いします。
他サイトでは、ご報告いたしましたが、今回から暫くは不定期での、一話が書けたらその都度上げて連載致します。
しかし、不定期投稿と言っても長くて一日か二日くらい空けて1話を上げる予定です。
最近執筆の調子が良くないので一日一話が厳しくなってきました。
そんなことを言いつつ、調子が良ければ毎日上げるかも知れません。
※生活の都合と相談になります。
申し訳ありません。ごめんなさい。
投稿やその他ご要望やご指摘などありましたら、遠慮なくコメントまたはTwitterの方に連絡をお願いします。
今後も「小さき蒼雷の魔法使い」を是非とも、よろしくお願いします。
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