小さき蒼雷の魔法使い

柊木凪

第四十九話「シオンとのデート前編」

申し訳ないです!
遅くなりました!m(__)m




 現在ライガ達はイージュの街を過ぎ、シオンが寄りたがっていた街の門前にいた。


「なあ、シオン…別にイージュの街でもよかったんじゃないか?」


 ライガはどこでも同じにしか思えなかったが、シエルからご指摘が入った。


「いえ、観光するならイージュの街よりこちらのミュールの街の方が適していると思いますよ?

イージュの街は領主ボブの噂からあまり良い町では無いらしいので…」


「だって、ライ君?ここまで来たんだしね、いいじゃん!楽しみだね!」


「…そうだな。」


 何気に異世界での初デートになるのか…前世の記憶は無いけど、楽しめる時に楽しまないとな!


 ライガは少しだけ楽しみになりつつ街へ入る順番はいよいよライガ達の番になり、ルーベンス以外では初めて街へと入った。



 このミュールの街はルーベンスと違い壁が以上に高い訳ではないがそれなりの広さのある街だ。

 この街は他の国へも行け、ルーベンスの街へも行けるので商人たちの出入りが激しい街でもあるのだ。

 シエルが観光を薦めたのはこのためでもあった。


「人が多いな…ルーベンスと同じくらいか?」


「そうですね。ルーベンスは辺境なので珍しい物が手に入りやすいのです。

そのため、商人や冒険者が集まり人が多いのです。」


「では、この街には何か別の物があるのですか?」


 カレンの言葉にシエルは首を振って答えた。


「いえ、この街自体の物はありません。

しかし、この街は他の国との中継地にもなっているので国外の商人がルーベンスよりも多いです。」


 つまりミュールの街には辺境を目指してくる冒険者や商人、そして王都に行く商人もいるのだ。

 それに加えて、国外に行く者たちのいるのだからある意味では辺境よりも多いのかもしれない。


「じゃあ、ライ君は小さいからはぐれないように手を繋いでおこう!」


「…ふっ。」


「ご主人?大丈夫ですよ!シオンもフォローして!」


「え~?可愛いのにね?(でも、戦闘になるとカッコイイよね。)」


「では、ご主人。私とシエルは先に宿を取ってくるのでごゆっくりしていて下さい。

良いぐらいの時間にお迎えに上がります。」


「では、のちほどー」


 こうして、シオンとライガを残し2人は人の中に消えて行った。


「ではって…俺らを見つけられるのか?」


「たぶん大丈夫だよ!それより行こう!」


「おいっそんなに引かなくても大丈夫だから!」


 こうしてライガとシオンも街へと繰り出した。

 街の大通りを進むと様々な屋台が並んでいた。

 知識にある屋台と似通っているが売っている物はやはり異世界だと言えるものばかりだった。

 オーク肉の串焼きやフライドフィッシュなる魚の?魔物の魚を串焼きにしたものを売っていたりしていた。


「何か買って食べてみるか?」


「そうしたいけど、お金あるの?」


「ああ、一応持ってるよ?なんならギルドに行って換金すればいい。」


「じゃあ、何か買おうかな…う~ん、あれが良い!」


 そう言ってシオンはこの先にある一つの屋台を指さしていた。

 それは、ライガも知識として知っている物に良く似ていた。


「あれは、りんご飴?」


「りんご?なにそれ?」


「いや、こっちの話だ。取り敢えず行って見よう。」


 そして、屋台の近くに行くと…やはり、りんご飴に良く似ていた。

 種類はりんごみたいに赤い実や青いブルーベリーを大きくした実だったり少ないが種類があった。


「いらっしゃい!何にする?」


「おすすめはなんだ?」


「そうだな…このミュールの実だな!この実はミュールの街の名産品なんだ!

程よい甘みにシャキッとした実だな。」


「じゃあ、ミュールの実を一つと……シオンはどうする?」


 シオンはじっくり眺め少しだけ悩んだ挙句黄緑色の実を指さした。


「これを下さいっ!」


「あいよ!二つで三十ルルになるぞ?」


 ライガが青銅貨を三枚渡すと、店主は素早く準備をして渡してくれた。


「ありがとう。」


「まいどあり。また買ってくれ!」


 ライガとシオンは店を後にして再び歩き始めた。


「ライ君これおいしいよっ!それはどんな味がするの?」


「そうだな。店主のおじさんの言ってた通り甘さ控えめの食べ物だな。

なんなら食べてみるか?」

 食事レポートが下手だからうまく伝え得られないな……。

 食べさせれば説明は要らないだろうし……。


「良いの!?」


 俺もしかして要らん事言った?


 シオンはライガの方に顔を近づけて来た。

 そして、ミュールの実を差し出すとかぶりついてきた。


「落ち着けって逃げないから!」


「そ、そうだね。……あっ!ライ君こっちもどうぞ!」


 シオンもライガの方に自分の食べかけを差し出してきた。


 まさか、異世界にこんなイベントがあるとは……。


「お、おい?」


「はやく?おいしいよ?」


「いただきます……」


 こんな状態で食べておいしいけど素材の味が分かりません!


 こうして、ライガ達のデート?は続くのだった。




皆様、柊☆黐です。

本日もお読み頂きましてありがとうございます。


デートを始めて書くので上手く書けたか判りませんが読んでいただけると嬉しいです。


シオンとライガのデートは次回も続きますのでよろしくお願いします!


次回第四十九話「シオンとのデート後篇」でお会いしましょう♪

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