小さき蒼雷の魔法使い
第四十八話「帰還」
現在ライガ達は、兵士たちの案内で要塞の外に出ていた。
「久しぶりに外に出たな…。」
外に出たライガは念のため周囲を警戒し、人がたくさん向かってきているのがわかった。
感知した方角から街の方から来ていることがわかったが、敵なのか味方なのかは分からないままだ。
そのため、ライガは戦えるものに叫んだ。
「街の方から人が向かって来ている!
敵か味方か分からないから警戒しろ!」
ライガの声に、シオンとカレンが真っ先に反応し子供たちを守りやすいように左右に移動し、兵士たちも今は大人しく後ろに下がった。
状況の変化を皆が見守る中、森から徐々に人が姿を現し始めた。
人々は同じ鎧に身を包み隊列を組んで歩いてきていた。
「……。」
ライガ達は三人ともが額に冷や汗を浮かべながら相手がある程度の距離に来るまで待った。
後ろに居る奴らは普通だが、先頭に居るこいつはヤバいぞ…。
何がヤバいのか、それは俺の鑑定が弾かれた事だった。
「出来ればあいつの相手は避けたいな…実力が見えない。」
今まで鑑定は弾かれた事は無かった…それに相手のには余裕が見え隠れしていた。
「君がライガ君でいいのか?」
「人に名を聞くときは自分から名乗るんじゃないのか?」
ライガは少しの抵抗と相手の情報を引き出せれば良いと思って聞き返して見た。
「ふむ。質問を質問でかえすのは正直どうかと思うが…まあ良いだろう。
俺の名前はジーザスだ。アルファス王国騎士団長を務めているが、このくらいでいいか?」
ジーザスと名乗った男はライガを見据えていた。
「大丈夫、わかった。」
「そうか?俺はまだ喋ってもいいがな?ライガ君。」
ジーザスはライガといつしか目線を合わせて話していた。
まるで…子供と話すように。
一方ライガは話したいならもっと話して情報をよこせと言いたいところなのだが、状況が許してくれなかった。
「で、その騎士団長がどうしてこんなところに居る?」
「そうだな。この国の貴族の子供たちを浚ったから俺達が出て来た。」
当たり前のようにジーザスは答えたが本来は騎士団が動いても騎士団長が来る事は出来ない。
王国騎士団は国王と王国の最後の砦なのだから当然だ。
つまり今回の事件はそれほどに大事だったという事なのだろう
だが、ジーザスの目的はそれだけでは無かった。
この少年がじじいの言っていた奴か…だいぶ強くなってるがまだまだだな。
まあ、少年の確認が出来たし合格としようか。
「じゃあ、貴族の子供はあそこに居るから連れて行ってくれ。
俺たちはこれで…。
カレン、シオン、シエルとリル…は?」
「リルはあそこでくつろいでいます。」
シエルは端の方で休んでいるリルを見て答えた。
その様子にリルは気付いたのだろう近づいてきた。
「行くのか?」
そんなライガ達を引きとめるようにジーザスが再び声をかけた。
「待ってくれないか?
今回の件の解決した者たちとして王城へ招待されている。
だから…
「ちょっと待った!王城へってどうやって俺達が解決した事を知ったんだ?
俺たちが解決してからそんなに時間は経っていないぞ?」
「…っ。」
騎士団長は思わず息を飲んだ。
しまった…急かし過ぎた…。
まあ、話してもいいか。
「実はな、このアルファス王国の一部の上位貴族には貴族間でも情報の共有がすばやく出来るように連絡手段がある。
詳しくは国家機密に当たるため言えないがな。」
おかしいな?だったらもっと早く…ああ、俺達の実力もばれてたのか?
だとしたら、実力を確かめる意味でもこの男が来た可能性があるな…。
そもそも、王城へ招待?めんどくさい…知識的にこのままいくと貴族にされてこの国に拘束される可能性があるので、俺的には行きたくない!
「なるほど…じゃあ失礼…みんな帰るぞ!「待てって悪いようにはしないから」
「・・・。王城に行っていいことあるのか?」
ライガの嫌そう言った言葉にジーザスは迷わず答えた。
「ある!王城へ招待されているんだぞ?謁見の場で願いを言えるから欲しいものだったりを要求すれば良いだろう。」
それを聞いたライガはこう思った。
つまらないと…お金とかなら自分で稼げるだろうし何なら今回の依頼報酬である程度は手に入るだろう。
魔道具なら少しは欲しいと思うが、自分で手に入れたいので今回は頼まない。
「欲しいものがないな…現状何とかなる事ばかりだからな。」
くそっ…どうする?国王陛下より何とか連れて来いと言われている以上連れて行かなければいけないが、無理をすれば機嫌を損ねそうなんだよな。
力づくで連れて行っても良いが、その場合間違いなく三人と戦闘になった挙句この辺一帯が焼け野原だろうな。
「わかった。今回は保留にしておくから王都に来る事場合ったら王城へ来てくれ。
これを門番に見せれば王都にも王城にも入れる。」
そう言って三人に王家の家紋が入っているペンダントを貰った。
「…気が向いたらな。
よし、ルーベンスに帰るぞ!」
こうして、ライガ達の救出は終わりを告げ、ルーベンスへと向け歩いて行ったが…皆さんは覚えているだろうか?
行きにシオンがライガに行っていた言葉を…。
「ライ君!帰りの街で一緒に観光しようね?」
忘れてた…帰る前にデートだな。
皆様、柊☆黐です。
本日もお読み頂きありがとうございます。
是非お気に入り登録をしていいね!をお願いしたいです…お願いします。
そして、一応今回で救出は区切りです。事後処理等は後々書いていく予定です。
※やってしまったタイトル詐偽...
帰還させれなかったよ...
ごめんなさいm(__)m
次回は第四十九話「デート」でお会いしましょう♪
「久しぶりに外に出たな…。」
外に出たライガは念のため周囲を警戒し、人がたくさん向かってきているのがわかった。
感知した方角から街の方から来ていることがわかったが、敵なのか味方なのかは分からないままだ。
そのため、ライガは戦えるものに叫んだ。
「街の方から人が向かって来ている!
敵か味方か分からないから警戒しろ!」
ライガの声に、シオンとカレンが真っ先に反応し子供たちを守りやすいように左右に移動し、兵士たちも今は大人しく後ろに下がった。
状況の変化を皆が見守る中、森から徐々に人が姿を現し始めた。
人々は同じ鎧に身を包み隊列を組んで歩いてきていた。
「……。」
ライガ達は三人ともが額に冷や汗を浮かべながら相手がある程度の距離に来るまで待った。
後ろに居る奴らは普通だが、先頭に居るこいつはヤバいぞ…。
何がヤバいのか、それは俺の鑑定が弾かれた事だった。
「出来ればあいつの相手は避けたいな…実力が見えない。」
今まで鑑定は弾かれた事は無かった…それに相手のには余裕が見え隠れしていた。
「君がライガ君でいいのか?」
「人に名を聞くときは自分から名乗るんじゃないのか?」
ライガは少しの抵抗と相手の情報を引き出せれば良いと思って聞き返して見た。
「ふむ。質問を質問でかえすのは正直どうかと思うが…まあ良いだろう。
俺の名前はジーザスだ。アルファス王国騎士団長を務めているが、このくらいでいいか?」
ジーザスと名乗った男はライガを見据えていた。
「大丈夫、わかった。」
「そうか?俺はまだ喋ってもいいがな?ライガ君。」
ジーザスはライガといつしか目線を合わせて話していた。
まるで…子供と話すように。
一方ライガは話したいならもっと話して情報をよこせと言いたいところなのだが、状況が許してくれなかった。
「で、その騎士団長がどうしてこんなところに居る?」
「そうだな。この国の貴族の子供たちを浚ったから俺達が出て来た。」
当たり前のようにジーザスは答えたが本来は騎士団が動いても騎士団長が来る事は出来ない。
王国騎士団は国王と王国の最後の砦なのだから当然だ。
つまり今回の事件はそれほどに大事だったという事なのだろう
だが、ジーザスの目的はそれだけでは無かった。
この少年がじじいの言っていた奴か…だいぶ強くなってるがまだまだだな。
まあ、少年の確認が出来たし合格としようか。
「じゃあ、貴族の子供はあそこに居るから連れて行ってくれ。
俺たちはこれで…。
カレン、シオン、シエルとリル…は?」
「リルはあそこでくつろいでいます。」
シエルは端の方で休んでいるリルを見て答えた。
その様子にリルは気付いたのだろう近づいてきた。
「行くのか?」
そんなライガ達を引きとめるようにジーザスが再び声をかけた。
「待ってくれないか?
今回の件の解決した者たちとして王城へ招待されている。
だから…
「ちょっと待った!王城へってどうやって俺達が解決した事を知ったんだ?
俺たちが解決してからそんなに時間は経っていないぞ?」
「…っ。」
騎士団長は思わず息を飲んだ。
しまった…急かし過ぎた…。
まあ、話してもいいか。
「実はな、このアルファス王国の一部の上位貴族には貴族間でも情報の共有がすばやく出来るように連絡手段がある。
詳しくは国家機密に当たるため言えないがな。」
おかしいな?だったらもっと早く…ああ、俺達の実力もばれてたのか?
だとしたら、実力を確かめる意味でもこの男が来た可能性があるな…。
そもそも、王城へ招待?めんどくさい…知識的にこのままいくと貴族にされてこの国に拘束される可能性があるので、俺的には行きたくない!
「なるほど…じゃあ失礼…みんな帰るぞ!「待てって悪いようにはしないから」
「・・・。王城に行っていいことあるのか?」
ライガの嫌そう言った言葉にジーザスは迷わず答えた。
「ある!王城へ招待されているんだぞ?謁見の場で願いを言えるから欲しいものだったりを要求すれば良いだろう。」
それを聞いたライガはこう思った。
つまらないと…お金とかなら自分で稼げるだろうし何なら今回の依頼報酬である程度は手に入るだろう。
魔道具なら少しは欲しいと思うが、自分で手に入れたいので今回は頼まない。
「欲しいものがないな…現状何とかなる事ばかりだからな。」
くそっ…どうする?国王陛下より何とか連れて来いと言われている以上連れて行かなければいけないが、無理をすれば機嫌を損ねそうなんだよな。
力づくで連れて行っても良いが、その場合間違いなく三人と戦闘になった挙句この辺一帯が焼け野原だろうな。
「わかった。今回は保留にしておくから王都に来る事場合ったら王城へ来てくれ。
これを門番に見せれば王都にも王城にも入れる。」
そう言って三人に王家の家紋が入っているペンダントを貰った。
「…気が向いたらな。
よし、ルーベンスに帰るぞ!」
こうして、ライガ達の救出は終わりを告げ、ルーベンスへと向け歩いて行ったが…皆さんは覚えているだろうか?
行きにシオンがライガに行っていた言葉を…。
「ライ君!帰りの街で一緒に観光しようね?」
忘れてた…帰る前にデートだな。
皆様、柊☆黐です。
本日もお読み頂きありがとうございます。
是非お気に入り登録をしていいね!をお願いしたいです…お願いします。
そして、一応今回で救出は区切りです。事後処理等は後々書いていく予定です。
※やってしまったタイトル詐偽...
帰還させれなかったよ...
ごめんなさいm(__)m
次回は第四十九話「デート」でお会いしましょう♪
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