俺、元日本人のガチ神だけどY◯uTuberになるね!

慈桜

第60話

 

「ネモ様ぁ! アレックスさんスゲェんすよ! ほら! サメ捕まえたんですよ!!」

「主よ! こいつは龍人に引けを取らぬ猛者でした! ふははは!」

「かわいそうだから逃がしてあげなさい」

 ワイバーン計画に関して、ナナオと玉ちゃんとアラレちゃんが遊んでる間に、俺とアレックスで色々詰めようかと思ったら、アラレちゃんは日陰に居たいとの事でパラソルにイン、逆にアレックスが海に行きたそうにウズウズしていたので行かせてやった。
 マフィアのおっさんの癖に心はキッズなんだよな、アイツ。

 でもサメ気絶させて肩に担ぐとか無い。遊び方として絶対間違ってる。

「まず何よりはワイバーンさん達のご飯の問題だよね」

「うーん、日本国内とかなら生ゴミとか汚染物質でも食わせておけばいいかなって思ったけど、パラオだと限られるしなぁ。食わないようにも出来るけど、それも勿体無いしな」

 ワイバーンならドカ食いできる個体だから、どうせ生物創造するんなら、処理しにくいものを処理しておきたい。

「じゃあアレは? ほら、この前ナショジオでやってたじゃん。太平洋の」

「あ、ゴミベルト? それいいかも」

 これもまた、この前衛星放送の再放送見てたんだけど、どうやら太平洋には日本の倍近い面積でペットボトルとかのゴミが大陸化してるらしく、動物やらがゴミを食って死にまくってるとかなんとか。

「それならペットボトルだけに絞ろうかな? 排泄に関して効果を齎せようと思ったら食性の統一がいるんだよな」

「チビライオンが空き缶しか食べないのと一緒だよね。でもペットボトル食べて、どんなゴミにするの?」

「石油とか樹脂とか? 日本ではいずれ必要なくなるけど、パラオならかなり需要はあると思う。発電にも使えるしね」

 ぬこさんを置けば電力は一撃で解決するけど、そこまで優遇するつもりはない。
 下手に繁殖させて海外に売られたりでもしたら、タマランチ会長だしな。
 日本にプレゼントした創造生物であるから、売るなら売るで日本の利益としてもらいたいのだ。

「玉ちゃん!! 向こうにもサメいた! 
 捕まえようぜっ!」

「嫌だよ。噛まれて死ねよクソが」

 海水浴に来て、水の中で普通に呼吸できるようにしてやってるのに飛行バイクから降りないのってどうなんだろ。
  ジェットとかの感覚なのかな。
 水上オートバイ的な。

「後はなんかいるかなぁ? 」

「ラノベとかだと、飛竜とかの場合は振り落とされない為に風魔法で守ってる的な設定にしたりするけど、亜竜とかなら鞍をつけて騎乗してるイメージだけど、ヤタさんのワイバーンはそのまま乗っても大丈夫なの?」

「仮にも亜種とは言え竜だから魔法は普通だけど、属性魔法は明らかに過剰スペック。浮遊核を持ってるから、バタつく必要もないし、翼は舵取りで加速は魔法なんてのが普通。信頼関係を築いてパスが繋がっていれば魔法の効果は騎乗者にも付与されるから、そう簡単に落ちたりはしないよ」

「なんかすごいね。じゃあ他になんか詰め込む必要ないんじゃない?」

 だよな、って事で早速ワイバーンの卵を創造して行く。
 成体で創造していまうと、俺や設定した相手にしか懐かなくなるから、卵から大切にしながら鼓動を覚えさせて、生まれた後に見た者を親と認識するインプリンティングで懐かせるのが理想。

 三対のオスメスの始祖六体と三種オスメス計六体の亜種から交配していけば、かなり面白い進化をさせられるだろうと思う。
 言わばサラブレッドみたいなもんだが、ペットボトルを食べて再生利用できる優れた能力を持っているから間引く必要もない。

「それって凄く面白そうだね。僕も一つ貰っていい?」

「うわぁ……なんかめんどくさそうな奴きたー」

 ワイバーンの卵を量産していたら、青い神衣に身を包んだ若造が絡んできやがった。
 ミディアムって言うの? 耳が隠れるぐらいのゆるふわの黒髪で、神衣とおそろの青眼の神。
 見て明らかに高天原系の顔立ちなんだけど、ここってパラオだよな? なんで日本の神がいるんだろう。
 似てるだけで日本の神じゃないのかな?

「そんな酷い言い方しないでよ。えと、先に名乗った方がいいかな? 結構高位だから、もしかしたらがあるかも……あ、でも、先に名乗られても命令権を行使したりはしないよ」

 知らぬうちに卵を横取りした目の前の男は、掌の上で転がしながらに優しく静かな神力を注ぎ存在の改変を行いながらに即座に孵化させる。

 生まれたのはワイバーンでは無く、明らかに上位竜種であるが、青い宝石のような鱗と月色の瞳の竜など見た事もない、全くの新種だと一目見て理解できる。

「ピュイィィィ!!」

 そして生まれて即座に成長を促している。しかも術式など組まずに神力のゴリ押しでだ。
 どうだ、コレがどれだけ異常な事かわかるだろと、俺に見せつけるように……。

「権能と名を語るのはアレだけど、ヒントなら……左目とは会ったんだよね?」

 あぁ……もうやだこの星。
 ジジイから天照と天鈿女と来て次コレかよ。もっと木っ端神だせよ。
 神界が定める神格だと俺なんていくら高位につけても神界ルールに従えばいつまでもカスなのね。
 例え話で簡単に言うなら、高天原が日本だとするじゃん? それ国じゃん?
 でも俺らは異界の乗っ取り野郎達だから何処まで行ってもヤクザ者程度の扱いしかされないの。

 つまり喧嘩して勝てるとしてもだよ? それイコール偉いって事にはならない。
 それは人間でも同じでしょ? つまりは神も世知辛い。

「これはこれは月読様でいらっしゃいましたか。異界の者ゆえに気付かずに申し訳ない」

「あぁ! 全然全然、そんなかしこまらないでよ。前から君には興味があったんだけど昼間に顔を出せるのは海外で信仰の残ってる土地しかなくて、ここがギリギリだったんだよ。それに最近は門で別世界繋げて、ずっと見てるでしょ? あいつ」

 確か天照と兄弟だけど仲悪いんだったかな? 詳しく覚えてないけど、天橋立の幼女が学校で習ったとか言って教えてくれた気がする。

「そうですね。最近では四六時中降臨しているようですが」

「やっぱりね。部署も管轄も全て分けちゃってるからノータッチだけど、無駄に気配は感じていたんだよ。こっちで正解だったね」

「まぁ、知らんけど。あ、違う。そのようですね、ホホホホ」

「あはは! いやいや、こっちが内輪の話をしたのが悪いのさ」

 見る見るうちに卵から孵ったばかりの竜が急成長をし続けて、かなり凶悪な存在になりつつあるけど、月読さんはニコニコと優しい笑みを浮かべてる。
 サイコパスなのかな?
 実はタメ口で突っ込んだ事おこなの? 

「しかしこれは面白い生物だね。何処までも神力を吸って存在改変ができる。この子で人類でも滅ぼすのも楽しそうじゃないかい?」

「お戯れを……。申し遅れましたが私は四柱の家神と十二の陪神を持つ〝創造・悪戯〟の権能を司る主神、ヤタと申します。権能の通りに無益な殺戮は好みません。それはあなた様も同じかと思われますが……」

「これはこれはご丁寧にありがとう。私は月夜見尊月読命、権能に関しては数多の陰陽兼ねて〝月〟の系譜に座す夜の神である」

 月読さんが口上を終えると、横の竜は亜竜程度の大きさに抑えているとは言え、既に成竜となりギュルンギュルンに威嚇してくれちゃってる。
 興奮してるピットブル状態。それよりタチ悪いけど。

「じゃあヤタさん。貴神一柱として、形式上だけのお説教をします。いいですか? 人により滅びと再生の選択肢を与える完璧な世界を改造したのは高天原及び神界に対する冒涜以外の何物でもありません。ですので私は代理の者を立て、異物の除去を行います」

「つまり決闘ですね。わかります。では条件を詰めていきましょう。賭けの対象はなんですか? 神格? 権能? なんでも構いませんよ」

「いきなり脳筋やめてよ。これは形式上のモノです。賭けるのは神力、実にわかりやすいでしょう」

 さっき天照とは部署が違う的な事を言ってたよな? ってことは高天原でもいよいよ今回のワイバーンに関しては血管ピキッて来てる連中も出てきてるって考えてもいいよな。

 一神教の土地では何しても良かったのに、ちょっと関連する土地となると黙ってられなかったのか、パラオはおもいっきり一神教の土地なんだが、前大統領とやらが神道に傾倒してたし、多くの日本人が亡くなった土地であるから、なんらかの管理が出来るようになったと邪推する。

「僕は戦いが好きじゃないから、彼に力を注いでおいたよ。彼と戦い、先に傷をつけた方が勝ち、実に簡単でしょ」

 カチコミじゃゴラァ! 状態で、月読が仕方なく喧嘩仕掛けに来てるって感じかな? この神力ゴリゴリの竜とか、普通の神とかなら速攻で食われそうだけど、本気じゃないよね。よね?

「えっと、始めていいのかな?」

「どうぞどうぞ。僕としても致し方なくのことだから、快く受けてくれるなら嬉しいよ」

「断ることもできる?」

「そうなるとワイバーンとやらは禁止ね」

「りょか。全て理解した」

 でさ、俺って結構何回も言ったけど、弱くはないんだよ。
 基本マイルド兄さん気取ってる元ピザだけど、こと喧嘩にのみ極振りしてしまっている悲しい奴である事は、それとなく匂わせてきたつもりなんだけど、相手が高天原の最高神クラスになってくると話は変わる。

「綺麗に尻尾だけ斬れるかなっと」

 時間を止めてテクテクと竜の側によると、さすが月読の神力をたらふく食らってるだけあって視線はギョロリと動くけど、この間に捕縛系の術式を124つ仕掛けておいたから、神力でゴリ押しに割っても最低124秒は稼げる。
 つまり俺の勝ちなんだけど、問題は手加減が出来るかどうか。

 俺が手刀をガチで叩き込んだらパラオが海の藻屑になる可能性が高いし、勢い余って地殻津波とか起こしちゃったら日本どころか世界が終わる。
 かと言って加減したら月読の神力に当てられて俺が怪我をするかもしれない。

 なるほど性格の悪いルールだ。

 この竜の心臓を引っこ抜いたら単純な話だけど、多分殺すのはルールに入ってないから、ガチで地球爆破とかもありえる。

 つまりはあいつの提案したルールを守るしか道はない。

 どれだけの神力が与えられているのか予測して、それを抑え込みながら斬り落とす。

 これがなかなか難しい。
 天照のようにメラメラの色付きで全部神威になっちゃいました! って感じだと、こっちも神力叩き込んでしまえばいいだけだが、こいつの場合は恐ろしく静かに、そして濃密に組み込まれてる。

「まぁ、なんの問題もないけど」

「おや? やけに冷静なんだね」

「まぁねぇ。こう見えて負けず嫌いだし」

 こいつ時間停止してた事すら気付かないぐらいに神力を注ぎ込んでたんだな。どうりで死にまくるわけだぜ。

「で、勝ったけど?」

「え?」

 俺の宣言と同時に竜の尾が斬り落とされる。

 いつの間にって思うかもしれないけど、実はくっちゃべってる間に何百通りの未来を経て、唯一の正解を導き出してからサクッと斬り落として、その未来を確定した。
 つまり十二大◯の寝◯さん的な能力を、その場で創って・・・実行した。

「そんな、まさか……」

 こいつ実は結構なタヌキさん。
 こんな虫をも殺さないような優男を演出しながらに、何をしても神力が暴発して地球の半分が死滅するような仕掛けを施してた。

 つまり確実に殺しに来てたわけだけど。

「おい月読。ちょっとムカついたからお前滅していいかな?」

「あ……どうにかして見逃して貰えたりしないかな?」

 創造体のこいつを殺したとて、即座に高天原で再構築されるだけだから梅雨払いにしかならないけど、滅された事がないようで心底怯えてるみたいだ。
 無理もないよな、絶対に仕留められたはずの存在が平然として目の前に立ってるんだから何が起きてるかわかっていないのだろう。

 神体化したら化け物だろうけど、それならそれで対処法もある。

「いいよ。その代わり五分盃な」

「それはちょっと欲張りすぎないかい? 仮にも僕は高天原の最高神であるし三貴神の一柱だよ? 五分の契約をしてしまえば、君が同等の存在になると同義、それはいくらなんでも舐めすぎだ」

「いいや、舐めすぎてるのはそっちだ」

 何度でも言おう。俺は元人間の神であるから、神界での立ち位置は低い。
 それに付け加えて異界の神であるから殊更だ。
 だが、異界であるから放っておけと考えている役所脳であるから、神界の神達は異界の神たる存在をよくわかっていない。

「お前達が好き勝手に創っては放棄した第二第三世界がどうなっていると思う?」

 俺が日本に降臨する前に、天橋立で俺の神にリボンをつけて遊んでいた幼女達がいただろう?

「異界と名付けてゴミ箱扱いしている無数の世界だよ」

 あの子達は学校を卒業した後に、まず第三世界を創造し運営する。
 つまり剣と魔法の異世界だ。
 そこで世界の仕組みを学び、不都合が生じた場合は地球の輪廻システムから魂を購入し、異世界転生をさせてから、家神陪神候補にするのが普通だ。

 家神が育てば、自分は第二世界の運営に移行する。
 ここは魔法ありきの科学世界だ。
 やりようによってはサイバーパンクやスチームパンクと言った様々な顔を見せる。魔法がある分に信仰も得やすいので、かなり勉強になる世界だろう。
 ここでも不都合があれば、転生や転移によってのご都合主義が罷り通るので、そのまま代理神を立てる事ができる。

 そして地球がある宇宙の果てにて、地球と同等の世界創造を行い、第一世界の創造を行う。

 その第二第三世界の神々を尽く滅し従え管理下に置く事を生業としているのが俺たちで、神界の神達は、俺達を放棄されたゴミ箱の世界で星を一つ二つ経営してるだけのゴミ神だとしか思っていない。

「そのゴミ箱がなんだって言うの?」

「じゃあわかりやすく言うけど、四の家神と十二の陪神って言ったけど、それは俺が認めているだけであって全員が主神だとしたら?」

「まさか。ありえないよ、そんなのは。だって主神は皆第一世界の創造にかかりきりの筈だ。よくわかっていないようだけど、代理神を滅しても主神と言う事にはならないよ?」

「代理神に関しては一柱程度ならそうだろう。だが百を越えて降したり滅したりすれば、世界融合すら可能な創造の権能が手に入る。まぁ、そんな事せずとも主神を殺せば容易く手に入るがな」

 つまり簡単に言えば、俺達は他所の神を殺しまくってますキラッ! ってことなんだけど通じてるかな?

「そんな馬鹿な話はない。そんな事をすれば邪神とされて神界に干渉できなくなるはず。もう少しまともな嘘をついた方がいい」

「ああ、もう。分からず屋さんなんだから。えいっ」

 説明が面倒になってきたので、月読さんの手を握って、色々不都合があるから隠蔽してる部分を見せてあげると、優男の笑顔は凍りつき、次第に冷や汗が流れ始める。
 ようやっと、俺がどんな存在かを理解してくれたようだ。

「そんな……そんな馬鹿な……」

「ね? だから五分だと都合いいでしょ?」

「そう……だね」

 よっしゃー。降って湧いたような話だけど、これで最高神のうちの一柱と同等の発言権ゲット。
 こりゃいいバカンスになったぜおい!

 言わば木っ端はこれで喧嘩も売れなくなるから、生命の創造がやりやすくなる。

「でもさ、俺ユーチューバーになりたいだけだから、神格の事とか他言しないでね?」

「……そうだな、約束しよう。だが、命令としては受けないよ? 五分と言ったのは君だからね」

 わかってう! 六四なんかで俺が上に立ってしまえばガチで高天原と戦争になりかねんから、脅して五分で精一杯だけど、相手はあの月読だ。

 五分盃を交わせば、月読への祈りの半分が俺に神力として分配される。
 俺への祈りなんてたかが知れてるから、圧倒的にお得感満載だ。

 天照みたいに神威ぶっ放しで来られたらキツかったけど、平和主義のフリして即ハメボンバーかまそうとしたコイツが悪いから、有り難く利用させてもらう。

「じゃあツクッち。一緒に動画撮ろうか」

 そしてパラオの管理は彼にさせる。これは決定事項だ。ふはははは! 圧倒的ではないか俺様ふはぁぁ!






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