俺、元日本人のガチ神だけどY◯uTuberになるね!

慈桜

第53話



 はてさてマッチポンプ宗教も順調で、そろそろお国が戦車でも送り込んでくれるかなって思ってたりしたけど、来たのはスーツを着たお偉いさん達だ。

「初めまして。私は首席補佐官のネイサン・ペリー。他は部下とSPだ」

 目がギョロッとしたハゲたオッさんが俺に握手を求めてくるので、指先だけをギュッと握り返しておく。
 一応幼女だからな、レイヴン教のレイヴンちゃんは。

「私はレイヴン。今日は何故いらっしゃったの?」

「いやね、我らが大統領がレイヴン教を排除しようと躍起になっているのだが、それをどうしたらいいか我々は悩んでいてね」

「そう。盲目の指導者を持つと大変ね」

 どうだ! この完璧な演技力。
 日頃アレックス達と練習してるだけあるだろうが! 下北の劇団員もビックリの練習量だぞこの野郎。

「暴力に訴えかけるような愚を犯したくはない。しかし、このままでは全面的にぶつかるのも時間の問題……どうか国外に拠点を移していただけないだろうか? 勿論補償などは言い値で対応させていただく」

「本当にいいの? 加護を悪用する人達を軍隊でどうにかできるとは思わないけど」

「ええ、あの大統領は痛い目に遭わないと理解できないようなんでね」

「わかった。この地の民が救われなかったことは悲しいけど、きっと信じる者は救われる」

 取り敢えず聖堂で祈ってる一般人の願いを聞き入れてサクサク治療やらなんやらを済ませて退出するように促す。
 失命ですか、了解でーす。と言った具合だ。
 最近病院と勘違いしてるのか、聖堂で祈ってる人はみんな部位欠損やら障害があったりする。
 何時もは優しくカウンセリングして、時間を掛けて治してあげてお布施ちょーだいってするんだけど、今日は流れ作業ぐらいにテキパキ行く。

 全て空っぽになれば、後は教会ごと亜空間にナイナイするだけだ。

 信徒達は愕然としているけど、これが国の選択なのだから仕方がない。
 十分に種は蒔いたし、少し早いけど計画は次の段階に移る時だ。

「ゴルゴタの二の舞になるのは御免。だから国を変えるけど、皆の事は忘れない。その祈りは必ず届くから、いつかまたここで会いましょう」

「あぁ、お待ちくださいレイヴン様。どうか、どうかこの地にお残り下さい」

 俺の言葉に信徒達は待ってくれ待ってくれと止めるが、国の決定であるからどうする事もできないと説く。

「こちらの首席補佐官殿が大統領が出て行けと言っていて、出ていかなければ武力行使に訴える結果になってしまうと教えてくれました。争いは避けねばなりません。ですからこの地を離れます。試練の時が訪れるやも知れませんが、加護を正しく導く者達が現れると信じています」

 本当毎日飽きずにテレビクルーが来てるから、情報の拡散が捗って仕方ない。

「守護騎士よ、ここに集いなさい」

 そのまま天使の羽で全員包んで、それっぽいエフェクト出しながらに転移しちゃいます。転移先はアレックス達のアジトだけどね。

「はいお前ら第一段階ご苦労さん」

「姐御、流石です。この短期間で恐ろしいまでの大金が手に入りました」

「まだだ。今日のニュースが放送されたら、SNSなんかで一気に拡散する。能力者が暴れまくって歯止めが効かなくなったぐらいで、パープルレヴを次は神の加護として法外な値段で売る。つまりはヤク中じゃなかった層に大量に売り捌くんだ。それで恐らくは一生遊んで暮らせるぐらいの金は稼げる。お前らは俺がいなくても龍人として十分な信仰も集められるし、南の島で悠々自適な別荘暮らしもアリだし、稼ぎ足りなきゃ細々と宗教を開いて献金でも集めりゃいい。どうだ? ヘロインなんか捌かなくても金は稼げるだろ?」

「パープルレヴの売り上げだけでも一生遊んで暮らせますよ。連日全米にトラックを走らせては、同量の札束が届けられる。正直ここまで金になるとは思ってませんでした。姐御が信仰を集めれば集める程、パープルレヴの値は高騰し、今じゃヘロイン売りに戻るなんて言ってた自分が情けなくて仕方がない」

 俺が米国に来てから20日やそこらで米国中の金を掻き集めたってぐらいに稼いだんだからアレックスも驚いているだろう。

 最初はヘロインより効くっていってグラム3万円換算で少量をバイヤーに流し、次は5万円換算、そして7万円換算と日毎に値上がりさせ、噂が広まったと同時に大量出荷でグラム15万円換算、まるで末端価格の値で卸売を行い、超能力の発現が起こる頃には卸値で既にグラム30万まで上がっていた。

 言わばキロ三億円を何十トン規模で全米に拡散させたのだ。
 一度摂取してしまえばリピーターが出ないにも関わらずだ。
 1トンあたり100万人の摂取としても、これまでに100トンは優に売れてしまっている。300トンもあれば米国総人口3億人に届いてしまうにも関わらず100トンに至るまで売れ続けた。

 それは何故か。

 単純に超能力者になれるからと、瞬く間に世界中に拡散したからだ。
 メキシコ、キューバから南米へ、南米からアフリカへ。

 薬物としての需要ではなく、超能力の需要として国家規模の受注があり、総計してアレックス達の手元には卸価格だけで30兆近い金銭が転がり込んだ。
 末端価格を考えれば更に恐ろしい金額が動いたのは間違いないだろう。

「ヘロインを売ってた頃は、末端の組織まで換算しても5000億ぐらいの純利でしたが、この一月で60年分の儲けに届いちまいましたから」

 そして今も尚、注文が入り続けているが、それは俺が意図的に止めている。

「そして1億の能力者に相対する組織にグラム100万円、1万ドル程で売れば更に金が転がり込むぞ。能力者が増えすぎたらお前らが間引いてしまえばいい」

 俺としては、これで米国が国内にかかりっきりになれば、なんら問題ない。
 アレックス達のような守護者がいなければ一瞬で犯罪者の楽園になるだろうから、一先ずの作戦は完了。

「パープルレヴはもう100トン用意してやるから、上手いこと稼げよ。とりあえず俺の用事は終わったからバイバイだ」

「ま、まってくださいよ姐御!!俺たちは姐御の守護騎士ですよ? 放ったらかしにして何処に行こうってんですかい」

「いやいや、お前ら役にのめり込みすぎ。普通に日本に帰るよ。お前らも俺が誰か気付いてるだろ?」

「なら! なら俺はお供します。パープルレヴのシノギは……ミスターブラウン! お前に任せる! 」

 アジトの端っこでヘロインとパープルレヴの融合にチャレンジしていたミスターブラウンが突然に声をかけられビクゥっと反応しているが、よく内容もわからず「イエスボス!」と叫んでいる。

「自分達もお供しますよ」
「俺もだ。何より今回の仕事でボスからギャラも貰ってないんでね」
「3千億ドルも稼いだら、もう金なんていらねぇだろ」
「ボスは山分けするから自分でファミリー持てなんて言うけどボスが好きでついてきただけだしなぁ」
「それに姐さんがいなきゃ、この力は持て余すよ」
「いや、結局ネモなんだから姐さんじゃなくて兄貴なんじゃねぇのか?」

 どうやら他の龍人マフィア達も俺についてくるつもりらしい。

 いやいや、普通にダメだろ。
 能力者の管理システムがないと適度に荒らす予定がグッチャグチャになる。

「嬉しい申し出だけど断る! お前らはその力と金を使って、無い頭振り絞ってレイヴン教が受け入れられるように尽力するこったな! 」

 いつでも連絡してこいとは言ってあるし、コイツらとはここらでオサラバだ。

「ただ暫くは国内を荒らさせとけよ! 少なくとも他国のゴタゴタに首を突っ込む余裕がないぐらいにはグチャグチャになってから動け」

 そうじゃないとコイツらを儲けさせただけで終わりだからな。
 軍資金と弾薬が十分にあれば暫くは戦えるだろ。あんまり期待はしてないけど。

「じゃあお願いです。一人だけでいいです。俺らがローテーションで姐御の護衛をやらせて下さい」

「うーん、俺ユーチューバーに戻るからカメラマンとかさせるけど、それでもいいの?」

「それに勝る喜びはありませんよ我らが神よ」

 そんなこんなで先ずはアレックスを連れて日本に戻る事になった。
 いきなりボスを連れ去ってもいいものかと思ったが、本人がそれで構わないと言っているのだから気にせずに連れ帰ったんだけど、予想以上に日本が荒れてた。

「あれ、パラ子、気のせいかな? インドネシアの護衛ユニットが非常用パッケージ解放して人殺ししてるんだけど」

『ご覧になられている通りです。事の始まりは北朝鮮国籍の工作員が無差別テロを行い、それに過剰に反応した民間人が韓国籍の民間人を殺害し、在日半島勢が朝鮮総攻撃などのスローガンを掲げ事態が泥沼化しております』

「え、えぇ……そういう事はもっと早く教えてよ」

『報告に関しては悩みましたが、これも恐らくは中共の動きと一連しての特殊作戦であるので、ヤt、失礼、創造主様が干渉するのは愚策と判断しました。しかし、護衛ユニットなどの持ち込み等の対処を行なっていますので、双方に不必要な被害は出ておりません』

 確かに護衛ユニットには不殺の付与がされているから、好き勝手に暴れても簡単に相手が死ぬ事はないけど、空飛ぶパワードスーツから麻酔針で昏倒させてから踏み潰して、ババア連中が悪鬼羅刹の如く襲いかかってトドメ刺しちゃってるんだけどなぁ。

「警察は? なんでこんな状態放ったらかしなの?」

『予測こそはしていたものの防衛組織の構築が遅れてしまい、一度目の大阪にて実行された同時多発テロにて5千人以上の被害者が出た為、さすがに温厚な日本人も怒髪天を衝きました。こんなにも攻撃的な素養を内に抱えていたとは予想外でした』

 この事後報告にはさすがに俺もorz状態で己の無力を呪う他なかった。
 つか情報規制でも敷いてるのか? 向こうで活動してる時に普通にネットとかしてたけど、こんなニュース一切やってなかったぞ……。

『尚、創造主様がミッキー・ドランク大統領を翻弄する為に試行錯誤を繰り返していたのを知っていたので、全ての情報を遮断しておりましたので米国には此方の情報は知られておりません』

 やろうと思えば情報手段を石器時代レベルまでに落とせちゃうって事ね。
 それにしても国内でのテロを好き勝手に許してしまうぐらいなら、俺も国の勝ち負けとか気にせずに干渉するんだがな……ってそれを見越して隠してたのか。

 パラ子の素晴らしい気遣いに感謝と共に憤りを返そう。

「パラ子、俺が物理的に強制送還する。暴れてる暴れていないに関係なく、生き残り全てをリストアップしろ」
『完了しています』

「アレックス! 後で迎えに来る。お前は適当にそこらへんのオバハン連中守っておけ」

「容易い御用に御座いますよ」

 捕らえて国同士のやりとりを経ての強制送還なんて待ってられないし、双方無駄に血が流れるぐらいなら、一先ず転移で全員を半島に捨てに行った方がいいだろう。
 数万規模の被害は互いにやり過ぎた。

「こんにちは。そして、さよなら」

「こ、ここはどこ?」

「ソウルですよ。良かったですね、もう安全です」

 身を守る為に結構集団でいてくれるから飛ばしやすい。けど、転移先のポイントはそれでも無数にある。

「すごい数だな」
『公に発表されているのは60万程度ですが、朝鮮コミュニティの中で活動している人間は凡そ200万人程度存在していますので、テロに賛同する危険因子として全て選択しております』

「これまた数日徹夜だな」
『問題はパチンコ関係で儲けていた視聴者達の稼ぎとなるパチンコ店の経営続行が困難になってしまいそうですが、この点はどうされますか?』

「それに関しては別の方法を考える。どうせどうにかして帰ってくるだろ。金を持ってる関係者は」
『送還完了と共に資産没収の上、国内の個人データも全て抹消しているので帰国は不可能です。権利関係は全てヤタ様のモノとなっておりますので、お好きにご利用ください』

 結構パラ子さんが本気出してるみたいだな。可哀想ではあるけど、同胞が無差別テロなんかして大量殺人をしたんだから、今回に限っては我慢して欲しい。しかし金とか土地とかは既にインフレ起こしてるから全く必要ないんだけど、日本のみんなの為に何ができるか色々考えておこう。

 金は天下の回り物だし、使わなきゃただの紙切れだしな。

「こんちわー」

「女の子? あ、ネモか」

「お前友達になれそうな感じだけどすまん。一回祖国に帰ってもらう」

「えー、俺韓国人じゃないのにー。けど、まぁ、しゃあないかぁ」

 中には本当に極普通のあんちゃんとかもいる。パラ子がどんな基準で選んでいるのかは知らんが、無害を絵に描いたような奴まで飛ばすのは心が痛んだが、割り切る他無かった。
 それ程までに選ばれた人数が多かったし、俺も疲れてたんだと思う。

「さっきの眼鏡君、韓国人じゃないって言ってたよ?」
『彼は韓国コミュニティが経営する、生活保護受給会社を通して、月々数万円の謝礼を支払って不正受給をしております。仕方がないと諦めていたのも、その辺りを察したからでしょう』

「そんな奴らまで送り飛ばしてたらキリなくない?」
『ついでです。関西圏では県住市住などの当選権利なども在日コミュニティが握っており、貧しい母子家庭が六畳一間のワンルームで何万円もの家賃の支払いに追われている一方で、彼らは8千円程の家賃で3LDKのマンションで悠々自適に暮らしております。彼らは転居の際に知人などに又貸しなどをして家賃収入を得たりもしています。その権利に甘え北叟笑む日本人も同種と看做し、この機会に国外追放することを推奨します』

「あーはいはい、わかりました。頑張ります、頑張ったらいいんでしょ」

 なんかテロ対策だったのにパラ子にいいように使われてるけど、それで何処ぞの母子家庭の奥さんの生活の助けになるんだったら、喜んでついで・・・に頑張りましょう。

「お願いだからやめて! 日本に返して!!」

「おお、泣いて喜んでおりますね」

 もう終盤は完全に感覚の麻痺だよね。
 ヒヨコから育てた鶏を屠殺する時に、飼い主が泣き噦るのは見ていて痛ましいけど、養鶏場でオートカッターでスパパパンっと一気に殺されるのはエグいって感想だけって言うか……なんだよこの例え、わかりにくいわ。

 なんしか慣れてしまった。
 転移する度におばちゃんが膝から崩れ落ちて手を伸ばしながら泣くんだけど、なんか面白くすらある。
 劇団嘆きのババアって感じ。

「馬鹿な奴らに騙されないで! おばちゃん達は日本が好きだから日本に住んでるの!」

「うん。俺も何の恨みもないんだよ。だけどね、今はテロとかで危ないでしょ? だから助けてるんだよ」

 実際に殺して殺されての泥沼の応酬が繰り広げられている以上は、こんな普通のおばちゃんでも突発的に殺されたりするかも知れない。
 資産没収とかはパラ子のやり過ぎだって思うけど、死ぬよりはマシだと思って頂く他ないだろう。

『楽しそうですね』

「まさか」

 折角パチンコが視聴者のいい金蔓になっていたのに、この一件で片付けてしまうと手乗り青ライオンで荒稼ぎしてた連中がかわいそうだなって思ってただけだ。

 いっそのこと俺が経営? いや、アホくさい。何故ひたすら損しなければならないって話になってくるな。
 当初はアバター利用の迷宮なんか用意したらジジババでも楽しめるかと思ったりもしたが、やはり楽で興奮できてがミソとなるとパチンコに限りなく近いゲーム性が必要になる。

 ギャンブルと言えばバイナリーオプションとかがすぐに思い浮かぶよな。
 5秒足10秒足で上げ下げ狙ってチケット買い入れってヤツ。

「逆にバイナリーオプションとかを内部連動させて、箱の入金を投資額として、配当から手数料としてのパーセンテージを抜いて還元するテレビゲームとかどう?」

『……何の話をされているのでしょうか?』

「パチンコに変わる遊びを考案してる」

『なるほど、顧客は液晶パチンコを楽しんでいるように見えて、その実は箱規模での投資と為替操作を行い、配当を受け取れるわけですね。しかしそれだと私が常日頃に行っている資産運用となんら違いがないのですが? 規模も箱を構えるデメリットの比ではありませんし』

 そうなんだよなぁ……パラ子ってば既に日本規模で資産運用しまくって配当分配とかやってるから、いまさら金と手間をかけてパチンコ型投資店とか作る必要ないのが現状。
 パチンコに命かけてた連中とかには申し訳ないけど、当面泣いてもらうしかないか。

 仕事やめた連中とかには申し訳ないから、何かそれに変わる金儲けは提供するつもりではある。

「どうしてこんな酷い事をするの? 日本は日本人のモノじゃないのに」

「うん。そうだね。だけど、これはお互いの為だよ。んじゃ」

「待って!考え直して!! こんなの絶対間違えてる」

「まぁ、いいじゃない。たまたま日本で生まれただけなんだから、たまたま祖国に帰ることもあるかもしれないし」

 本当に自己主張の強い人種である。
 さすが世界最優秀民族を自称するだけはある。我々その他の劣等民族も見習わねばならぬ部分も多々あるな。知らんけど。

 転移無双で強制送還しまくってるけど、この動画は投稿しない方が良さそうだな。
 いくらお互いの為と言っても、またレイシストガー!って叩かれそうだ。

 誹謗中傷は元々多いけど、パチンコ屋狙い撃ちし始めてから人権団体の結託コメが増えて来てたからな。

 レイシストどうこうの前に、俺ってば見た目からして少数派のクソ外人なんだけどなぁとか思いつつ、根本的に言えば人種差別云々以前に、俺、人ですらないしね。

「どう? パラ子。この調子で行けばどれぐらいで終わりそう?」
『42時間後には完了します』

「は、はは。そうですか……」

 ままならないものですねぇ……。










「俺、元日本人のガチ神だけどY◯uTuberになるね! 」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く