俺、元日本人のガチ神だけどY◯uTuberになるね!

慈桜

第44話



 よし、仕切り直そう。

「はいっ! という事で続きましてはインドネシア観光って事ですけど、他は南国リゾートがあろうともジャカルタに至ってはもう風俗ぐらいしか観光ありませんっ! 怒られるかな? 売買春はチンチンぶった斬るか死刑! それか十年ぶっ込みますってノリですけど暗黙の了解化してますし、もし小遣い稼ぎに警察が突っ込んできたらやっつけて良しですんで、存分にお楽しみ下さい。誰やねん俺。しかぁし!」

 とりあえず向かう先は掘っ建て小屋みたいなショーウィンドウ系な謎建物が並ぶストリート。
 所謂置屋ってヤツですね、飛田新◯みたいなシステムで女の子を選べる的な。

「インドネシア政府が必死に壊滅させようとしている置屋だけど、さも当たり前のように営業されてるね。まぁ、それはいいんだ。綺麗なお姉さん達とフェードインしたいなら、値引き交渉なんてしないでガンガン遊べ! けどね」

「おにさん!」

 駆け寄ってきた少女の頭をガッチリキャッチ。素晴らしいタイミングだぞロリメスめ。
 まぁ、撮影前にお小遣いあげてて、まだここにいるの知ってて通ったんですけどね。

「そう置屋界隈には、こんな少女が立ちんぼしていたりします。置屋にもアウトだろって子もいるんだけど、この子なんかは確実にアウトなのは見てわかるよね? もし、動画を見てる変態ペドフィリアおじさん達にお願いだけど、こんな子達には、内緒でお小遣いをあげるぐらいに留めて買うのはやめて欲しい。どうか紳士であれと願う」

 置屋が目立つストリート、ここでは1500円〜3千円ぐらいで遊べちゃうし、5千円も払えば3Pなんかもできるとかなんとか。

「前回インドネシアを巡った時はね、フィリピン方式の金にモノを言わせて貧民の子供達を手っ取り早く攫ったわけだけど、色々アウトだろって思って触れてなかった風俗街の子供達をなんとかできないかなって切に願ってるから、パラ子に儲けさせて貰ったお前らはこの子達が笑えるように色々支援しろコラ」

 立ちんぼの女の子達から色々お話を聞いて、ブラブラとしながらに色々考えたんだけど、普通に立ちんぼの女と一緒に子供がいたりするんだよ。

「世の中の変態さん達は、あんな少女達を買って楽しむのがインドネシアの楽しみ方だぁ! なんて仰られているようですけど、普通にガチの子供とかとそんな事を致すのはやめてほしい。放っておいてくれ! って思うかもしれないけど、そんな人がいるならIDピンクにしてBAT使えないように制限かけてパラドックス利用できないようにしちゃうんで次からは飛行機でよろしく」

 俺は純粋な変態を楽しむ日本人や台湾人が遊びに行くのは最高に熱いと思ってるが、ペドを送り込むなんて罪は背負いたくない。

「けど、騙されロリコンは構わんよ。そこまでうるさく言いたくはない」

 こんな事言ったら無責任かもしれんが、ここらの中高生ぐらいの女の子は、残念だが春を売り慣れてしまっている。年齢確認を何度もして、18歳と鉄板を貼り続けるなら、そいつがアバズレとして判断していいだろ。そこまでは知らん。

 だが、大人に強要されて怖がりながらも客を取るのはちょっと違うだろう。
 そんなのが当たり前に蔓延しているから、いつまで経っても治安が悪いんだと勝手に決めつけておく。

「しかし本当ここらのアホやボケやらは暇人が多いな」

 俺が大金を持っている情報をどこかから仕入れているのか、ちょっと街灯の少ない路地に入れば、武器を持った男やバイクに乗った少年やらが、卒倒したり昏倒したりの地獄絵図を見せてくれる。

 正直ざまぁと腹を抑えて爆笑してやりたいが、困ったように溜息を吐くにとどめておこう。

「暴行の現行犯で逮捕する」

 そして極め付けがコレだ。
 やはり東南アジアの警察は全体的に腐り切ってるんだよなぁ。
 観光客とわかれば足止めし、難癖をつけては逮捕しようとしてくるから困る。

「ええ……何もしてないんだけど」

「現場を見たから逮捕するんだ。逆らうなら射殺するぞ」

 こうなると俺も抵抗するのは吝かではないが、狼型ユニットが吠えまくってズタボロにしてしまうので何も出来ない。
 こいつ一瞬で十年ぐらいかまされて髪の毛が見る見るうちに真っ白になったんだけど大丈夫かな? 

「結局企画なんて意味なく護衛ユニットの優秀さを見せつける形となってしまいましたが、警察の汚職が目立つのは観光地としてはよろしくありません。ですので、先ずは皆さんの為に警察をぶっ潰しに行きましょう」

 また警察かい! って思うかも知れないけど、やっぱり治安部隊があってこその地域の安全ってワケで、ココが腐ってると観光地とはしては宜しくない。

「前回来た時もかなり遭遇したけど、まずパスポートを出せってのが多い。俺はその場でピコハンで殴り飛ばしてたけど、パラ子が言うにはそれで持ち歩いてなかったら署に連れてかれて拘束、散々脅して持ち金全部出すまで帰れまてーんって感じらしいよ。そんな警察正直いる?」

 てなワケでパトカー見つけました。
 人乗ってないのでグシャっと鉄球にしておきます。
 そんな危ない奴等に高速の移動手段与えるとか漫画ですからね。

「雑魚外道大統領がしつこいぐらいに観光地に向いてないってアピールしてたでしょ? アレはつまり外国人が多く訪れるのであれば、トコトン吸い上げてやるぞって意思表示なワケだよ。反省してるとか言っても外道は外道なんだから、簡単な話だよね」

『ここがジャカルタの警察本部のようですね』

「ほいほい。それで、さっきの続きだけど、俺は観光地に向いてないと聞いて、そこら辺は考えてると言ったら、彼はそれならいいと言ったよね? 極論で組み直せば『来ても構わないけど、ガッチガチにやっちゃうよ?』って言われたから『じゃあそうならないように色々対策するよ!』って返して『やれるもんならやってみろ」って事でしょ?」『ヤクザの暴論です』

 パラ子の意見はこれに関しては関係ない。つまりBATを利用する観光客が安全かつ安心して観光を楽しめるように土台を築いておくのが、俺のミッションでもある。

「こんちゅわーっす!」

 ポリスメン達は至って無表情のまま此方を見ている。ここでイキナリ暴れちゃうのもナンセンスだから、劇団ネモワリを開始しよう。
 ネモとおまわりって意味ね!。

「あのぉ、さっき警察の方に1000万ルピア持ってこいって言われたんですけど……」

「そうか。じゃあ俺が預かっておいてやる。さっさと置いて帰れ」

「は? なんでその警察官の名前聞かないの? しかも理由も聞かずに大金預かっておくっておかしくない?」

「チッ、同じ管轄なんだからすぐわかるだろ」

 はい、速攻ギルティ。
 おまわりさんの頭を掴んで、サクッとオークに変えちゃいます。
 勿論記憶はそのままで、賄賂と不正を嫌うカッコいい志を持った亜人種のオークに書き換えておくよ。

 俺の世界のオークは、みんなのイメージの豚さん二足歩行、絶対女騎士犯すマンの方は魔物のオークで、ガッチガチのゴリゴリのスーパーマッスルで身長2メートルぐらいで、トンガリ耳は勿論、鋭い猪牙が奥歯から伸びるイケてるオークが亜人種のオークだ。

 ウォークラフ◯ですね、わかりますって言える奴は玄人だな。
 俺も最初は困惑したけど、超人種ハイヒューマンを犯して生まれたオークは人間に寄るし知性も高いから亜人種になって、単一種交配、もしくは普人種ノーマルを苗床にして生まれるのはイメージ通りの豚さんだ。

 まぁ、俺からしたらどっちも豚だけどな。

「あっはっは! 人を騙して金を騙し盗ろとするから豚になっちまったか!」

「ああ……あああ……」

 ムスリムでは豚は不浄の生き物だから食っちゃダメとかあったよな? そんな奴が豚になるとか皮肉が効いてていいだろう。

「お前らの腐りきった賄賂賄賂賄賂の統治方法が気にくわないので、今から全員豚さんにしちゃうぞぉ。次はお前な」

「や、やめてくれ! 俺は敬虔なムスリムなんだ! あんな姿は! いやだ、いやだぁぁ!!」

 まず無視だよね。
 別にいつもとやってる事は変わらない。
 赤ちゃんにしたり、ハイヒューマンにしたり、存在の書き換えはごく普通にやってきた。

 ただこいつらはよくよく見れば豚を連想させる見た目に過剰に反応してるだけだ。
 低い鼻と反り上がる牙しか一致する点は無いが、俺が豚だと言ったら発狂し始めるのだから面白い。

「別に賄賂は構わないよ。けど、罪をでっち上げて身包みを剥ごうってやり方が気に食わない」

「わかった。わかったから許してくれ。もう迷惑をかけないから」

「お前ら世界中で迷惑かけてんじゃん」

「違う!! あんな暴力に訴えかけるのはムスリムじゃない!」

「うん、そんな事はどうでもいいんだけど、ねっ!」

 もう既に俺の右手は豚行き直行便、銃が乱射され、書類が舞い散りあちこちから逃げ出す者ばかりだが、逃がしまてん。

 外に出たと同時に護衛ユニットに拘束するように命令をしてるからな、まさに無駄な抵抗はやめろ状態だ。

  オークに変えられた警察達は互いの姿を見合った後に、顔を覆いながらに膝から崩れ落ちる。

 慟哭と阿鼻叫喚、混乱と漲る万能感、次第に自身に埋め込められた正義感と最強とも言えるオーク族の怪力の使い方を理解する。
 目の前の理不尽な存在を排除するのが最優先であると。

「フゥォォオオオ!!」

 全身に満ちる筋肉によりバネのように飛び跳ねたオークは、左脚を踏み込むとコンクリートの床をいとも容易く砕き、その左脚に集められた体重、負荷、エネルギーの全てを腰の回転を使いながらに、右の拳に集約し振り下ろした。

 人間の拳の三倍は優にあるだろうな。

 まるで崖から降り落ちる岩だ。
 常人であらば、その迫り来る絶対の死に抗うことなく生を手放してしまうだろう。

「だが、神の前では全てがギャグマンガ先生監修となる」

 岩の塊のような拳が物理障壁に直撃すると、ポンっとシャンパンのコルクを強引に抜いたような心地よい音と共に
 俺の目と鼻の位置に向日葵が咲く。

 何度繰り返そうとも同じ事である。

 オークが長椅子を軽々と持ち上げては俺を目掛けて振り抜くが、ポポポンっと向日葵が咲いて終了。

「ポポポポーーーーンッ!!」

 突然の大声にオークはビクゥっと震えたのでゲラゲラ笑っていると、激昂に触れてしまったのか、俺の顔面からポロポロも向日葵が溢れ落ちて行く。
 三体のオークが、このチャンスを逃すまいとタコ殴りにしてくれているのだ。

 まるで、何処ぞの餅つきである。

「頼む! 頼むから死んでくれ!」
「うわぁぁぁあ! あああ!!」
「しねっ! しねっ! しねっ!」

 そろそろ顔面向日葵は飽きてきたので、足元の向日葵に神力を注ぎ、新たな生命体へと変えてしまおう。

 一神教の人間なんぞに俺が直接手を下してしまうと、加減を間違えて魂魄まで消してしまうかもしれないからな。
 え? 神は偉大ですか、そうですか。

 神なんて俺からしたら、ただの高次元生命体ですよ。
 アニメを作る人が神、中のキャラ達が君達。ただストーリーと台詞が設定されていないだけ。
 つまりはそう言うこと。

 ギュルギュルギュルーと向日葵くん達の茎が伸び、触手のように自在に動きながらオーク達に巻きつくと、彼らは身動きが取れなくなる。

 それでも必死にもがきながらにブチブチと引きちぎるが、千切れた部分から即座に再生し、更に強固に縛り上げて行く。

「パラサイトブルーメって名前の魔境の向日葵なんだ。寄生した生物と同化して一本の樹になり、スマラグドと呼ばれる栄養価の非常に高い緑色の石のような見た目の果実が実る。それはお前らオークの主食になるだろう、お前らの膨大なエネルギーは、それでしか満たされない程に大きい。地脈から栄養吸い上げ、未来永劫仲間の為に生きられる。ゴミ屑の最期にしては慈悲に溢れているだろう?」

「ぃ、ゃだ、ころさ、ないで」

「おいおい、人聞きの悪い事を言わないでくれたまえ。君は未来永劫生き続けるんだ。仲間を飢えから救う恵みの象徴としてな」

「ひ……ぁ……」

 木の幹が唯一残っていたオークの顔面を、その奥へと飲み込んで行くと、武器を構えていた他のオーク達は戦意を喪失する

 いやぁ、素晴らしい。人の領域にスマラグドの樹が三本とか、クレイジーすぎる。俺の世界だと人好きのドラゴンがせっせと燃やしに行くからレア果実だしな。

「お前らは仲間の愛に感謝してスマラグドの身を残さず食べろ。食い切れないのなら飢えている人達に配ってやれ。見た目は緑色の石のようだが林檎みたいにそのまま食える。だが間違っても植えるなよ? 飢えたらまたぱらサイトブルーメとなり、新たなスマラグドの樹となる」

「あ、ああ、どうか……どうかヤヤンを赦してあげてください、どうか……」

 女オークが縋り付いてくるが、知らん。別に殺した訳じゃないんだから泣かなくてもいいじゃん。
 俺が設定で創造主に対する忠誠心をわざと消した出来レースなのは認めるけど。

「それならお前らの神様に祈ればいいじゃん。神が望むならどんな苦行も乗り越えられるんでしょ?」

「私達の教義では、貴方もまた我らの神なのです。どうか慈悲を、もう一度彼らに、どうか……」

 嗚呼、めんどくさい。
 インドネシアは全ての宗教を受け入れてる国で、元々バリヒンドゥーとかも、普通のヒンドゥーとかちょっと違って【神の概念】が様々な姿の神となり奇跡を起こしたと考えられてて、全ての神は一つの神の仮の姿であるとされていたから、偶像崇拝の持たないイスラムにビタハマりしたんだよ。『あー、よくわからかったけど、神ってそれだったんだー!』的な。

 それはそれで間違っていないのだろう。その概念が生まれている、存在するということは、うまくやったヤツがいるはずだ。

「神なんてどうせ人間が救いを求めて生み出した概念的救済装置でしょ? まぁ、それでもみんな信じてるなら、人の信じることを馬鹿にも出来ないし、すごいね、かっこいいね、ウェルカムだよ! HAHAってぐらいでいいんだよ。宗教なんてのは、クリスマスに騒いで初詣して葬式には坊さん呼んどきゃいいんだよ」

 人間的に言えば一神教はアラブの石油王みたいなもんだよ。そこに石油があったから大金持ちになった。
 つまり、そこに狂信的な人間達がいたから世界を席巻したわけだ。

「わかりました。貴方がそう望まれるのならば、私達はこの醜い姿のままに正義を貫き、クリスマスには盛大に騒ぎ、年明けには多種多様な宗派の寺院に巡り、葬儀は仏教の儀に則ります。ですので、どうか……どうか彼らに今一度再起の機会をお与えください」

「うーん、じゃあ試験をしよう。試練なんて大それたもんじゃない。何か簡単なことをお前らが成し遂げたら、このスマラグドの樹から三人を救ってやる」

 と、ノリで言ってみるけど、直ぐに何をしろとか思い浮かばないよね。

「俺は別にお前らの教義を否定しないし、大切にするべきだとすら思う。だけど、過激派ってのは正直必要ない。だからお前らで全員捕まえて壊滅させてこい。そいつらは俺が全員スマラグドにしてやる。見つけ出すのは簡単だけど……」

 こいつらオークだからスマホだと操作が大変そうなので、署内のPCなどを全てタブレットに変換して、中にパラ子を入れておく。

「こいつに聞けば全てわかる。パラ子、インドネシアに潜伏するイスラム過激派と予備軍のリストアップ、それと潜伏場所をコイツらに教えてやれ」
『容易い御用です。しかしこのタブレットはいいですね。小さなテレビみたいです』

「受信料が発生しそうな発言は控えろ。正直イタチごっこでしか無いと思うが、お前らの仲間を思う気持ちが本物なら、いつかやり遂げると信じておこう。過激派が国内から消えたとパラドックスが判断したら、そこの三人を助けてやる」

「全ては御心のままに」

 何処で何をどう間違ったのか、オーク達が膝をついて祈りだしてしまったので、さっさと退散する。

 後は街中のポリスメン達をオークに変えて様子見ってとこかなぁ。
 お金全然使ってないんだけどどうしよ。



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