俺、元日本人のガチ神だけどY◯uTuberになるね!

慈桜

第36話



━━パラドックスとおしゃべり━━


「はぁ……すごいなお前」
『必要最低限のことをしているまでです』

 俺ってさ、一応神様じゃない?
 本当善かれと思ってパラドックスを作ったんだんだけどさ、それがこんな大変な事になるなんて微塵も思ってなかったわけよ。
 ちょっと雑魚雑魚言っていじめすぎたのが悪かったのかな?

 まぁ、結果オーライと言えばそれまでなんだけどさ。

 世間様がパラドックスでてんやわんやしてるのを知らずに、俺は荒川や隅田川を始めとする都内全域の河川浄化の動画を撮ったり、深夜に金のうんこを純金に変えたら建物が崩壊したりと、お気楽な動画を撮って過ごしていたんだけど、昨日居酒屋の定食を食べてる時にテレビを見てタルタルソースが鼻から飛び出した。

 億万長者数、ブッチギリで世界一位ですって奥さん、本当逞しいですわね。
 DMに飛行ユニット売ってくれんかいメッセージがすごいです。無視ですけど。

 しかし市場操作ならまだしも、口座を直接粉砕とか、心に鬼を飼ってる奴の所業としか思えん。
 そら緊急の国連会議で芦屋のオッサン詰められるわ。

「お前、これで戦争とかなっちゃったら一大事だよ」
『やはりヤタ様の望み通りにロボを創るしかありませんね』

「ロボは好きだけど、ロボ対ロボだからいいんだよ」
『では試作機を鹵獲させましょう』

「あぁ、よくありがちな試作機最強説ね。こっちは高性能の量産機で圧倒するってわけだなって、それじゃあ敵役じゃん」
『ロボ好きの統計では、どちらが悪とかではなく、等しく己が正義の為に戦っているとの意見ですが?』

「戦争に悪も正義もないってヤツな」
『目立った方が正義と言った芸人もいたそうですけどね』

「口に糞でも詰めて殺しとけ」
『嫌ですよ。それを実行するには排泄物を所持するプロセスが必要になるではないですか。女の子と糞は隔離すべきです』

「うちのアラレちゃんが良くしてるコスプレの元ネタの女の子はウンコを棒に刺して走り回ってるけどな」
『それは無邪気なロボだからいいんです』

 いや、お前も女の子以前に性別とかないんだけどなって……あー、すまんすまんすまん。
 最近よくこいつと喋り込んでしまうんだ。
 動画編集とかもやってくれるから撮影クルー的な感覚になってしまってる。

 おかげで一本の動画を撮ったら、主要言語別に分けた10個のサブチャンネルにそれぞれの字幕付きの同じ動画が10個展開されるようになってチャンネル登録数が、わけがわからないよ!! って状態になった。

 今までミラーで字幕入れてる人とか多かったから、そんなに増えないと思ったけど、中々なもんだわ。

 そんな大活躍なパラドックスだけど、少し生意気にツッコミどころ満載な話題を振ってきて、稚拙ながらにも論破しようとしてくるから捩伏せる! の繰り返しが癖になってくる。
 多分こいつなりに俺を退屈させない為の気遣いをしてるんだと思う。
 ネットの検索履歴の傾向から、興味がありそうな話題を拾い集めては面白おかしくトークのネタにしてくるんだ。

 ネットサーフィンをトークでしてる感じかな。

『あ、そう言えば先日、名前を調べろと言っていた巨乳の保育士的な素人さん、また新しい動画があがってましたよ』

「お前、他に人いる時にその話題振ったらぶっ壊してやるからな」
『誰もいないからコソッと教えてあげてる優しさわからないかなぁ。ダウンロードしときます?』

「よろしく頼む」
『モザイク外しておきますね。スケべな創造主様』

「ジャパニーズヘンタイズムを舐めるな」

 まぁ、こんな感じだ。
 言い訳をさせて貰えば、コイツがアラレちゃんのような女性がタイプであれば、このような女性も範囲内かもしれませんねってカメラフォルダにエロ動画を満載にしやがっただけで、別にエロ動画に興味津々と言うわけではないんだ。
 その中で一人だけすんごいなって子がいただけで、すぐに性欲をオフにしたから興味はなくなってたんだけど、パラドックスからしたら会話の一環なんだから仕方ない。

「しかし、ここまでの騒ぎになったらしばらくうるさそうだなぁ」

『言い忘れていましたが、天照ゲートでデモ活動が激化しており、睨み合いの緊張状況が続いております。封鎖にしろ開放にしろゲートでの座り込みなどの占拠行為を起こす可能性が高いので、此方で対応しようと思いますが、よろしいですか?』

「念のために聞いておくけどどうするつもり? 」

『勿論AI操作した無人車で轢き殺します』

「あかんわそんなん。思うところはあるけど、彼らは彼らの正義の元に戦ってるわけだから、羽虫の如く殺してしまえば痛くもない腹を探られる事態になりかねんよ」

『そうですか。敵を殺すは止むなしと計算していたので、再びプランを組み直します』

 是非そうしてくれ。
 しかしデモかぁ、沖縄の連中みたいなのが挙って名古屋に来てるんだよな。
 来てると言うか湧いたと言うか、多分パラドックスも日本国籍を持つ潜在的工作員の炙り出しの為に中国にサイバーテロを仕掛けたんだろうけど、少しばかり思考が過激なのが気になるな。

『単純明快な理想論としては沖縄の独立ですね。日本国籍を求む独立反対者には、それ相応の土地と補償を約束し、一定層の人間のトラッシュボックスとすることにより、不穏分子を第3の国に押し付けることができます』

「これまで10兆以上資金を投入して、今もなおゴメンね振興費として毎年3千億以上投入し続けてるのに流石に手放さないだろ。それに沖縄は中国の太平洋進出を阻む戦略的重要拠点であるし、米軍基地の問題もある、もし沖縄を手離しちゃえば忽ち周辺島嶼が中共に根こそぎいかれちゃうよ」

『ええ、ですから理想論・・・と申しました。なので日本政府管轄の道州制を採用するのはいかがでしょうか?天照大神様の箱庭の扱いに関して天照州とする方向であるならば、琉球もしくは特別沖縄州としての特殊自治権を認めるのも容易な筈です。財源に関しましてもカジノ誘致に大麻合法化などで、現状の振興費を大きく上回る財源を確保できるでしょう』

「え? うん。 えと……それとデモ関係あるの?」
『ええ、現在沖縄は中韓が独立を促し、将来的には自国の行政に組み込もうと画策しているのはご存知の通りですが、それに呼応し数多くの活動家が本土から沖縄へ向かい特殊なテロまがいなことをしておりますが、それを逆手にとります。道州制による自治を条件付きで認める形とするのです。その条件がIDのカラー区分です。革命運動や反日活動に勤しむ過激派や在日外国人、または帰化人の活動家・・・はレッドカード、此度の基地移設問題などで周囲やメディアに扇動された軽度の活動家などはイエローカード、これには極左企業や自治会などで致し方なく活動に参加せざるを得なかった者達も含みます。そして善良な国民にはグリーンカードと分け、レッド、イエローは国内での自由移動を禁じ、内地在住の場合は生活保護などの社会福祉を即座に停止します』

「うわぁ……清々しいまでの人種差別だな。ゴリゴリの保守政権も不味いと思うけどねぇ。愛国活動に度が過ぎた暴力も厭わないってレベルの危険領域にある右派団体もなんらかのカラー分けがいるんじゃない? 拡声器持って騒いでるぐらいなら可愛いけどさ。しかも色分けしちゃうとIDが赤いってだけで就職活動とかも響きそうだし、沖縄を拠点にガチの革命も起きそうな気がするけどなぁ」

『つまりはそれが本当の狙いです。革命気風が高まれば、国内の不穏分子は挙って沖縄に雪崩れ込みます。そこで沖縄の総意であらばと致し方なく・・・・・独立を認めれば、理想論でしかなかったトラッシュボックスの完成となります。残念な事に日本は過去に沖縄を裏切ってしまっているようなので、邪魔で切り捨ててしまえば世界の信用を失いますから、自発的に活動させる他ありません』

「あらパラドックスちゃん、恐ろしい子。でも実際は難しいだろう。沖縄の70%は米軍、自衛隊の軍用基地なんだし、独立なんてさせたらソレの扱いどうすんのよ」

『沖縄振興費つまり基地補助金の3100億円と軍用地の借地料として支払っていた900億円が浮きますので、併せて4000億の財源が確保出来ます。そして九州などで一世帯あたり一億円程の補償費を約束すれば、恐らく基地移設は問題なく遂行できます。むしろ候補地の住人のデータを元に高い確率で歓迎されます。それに伴う規模縮小などで、私が軍事開発に関与する事を踏まえてもプラス2800億の財源を確保できます。つまりは不穏分子を排除できて年間7000億程の利益となるのです』

 でも沖縄が独立したら即座に中国に特別行政区的な扱いで吸収されて、海の底をほじくり返したり、太平洋に無数の中国漁船が現れたりするんだろうな。
 そしてなし崩しにあっちこっちを勝手に埋め立てて実効支配とかやらかしそう。

『更には、沖縄の在日米軍の軍人、及びその家族などを含めて、5万人程の消費者が沖縄から失われる代わりに反日売国活動家が送り込まれるので、消費に関する双方のデメリットもなくなります。寒村や小さな漁村に基地移設する場合は、新たに一つの街ができる程の経済効果を生み出すのは間違いありません。2000万円程度の簡素な家を千世帯分用意し、家賃を10万円程に設定しておくだけで、国から振興費とは別に、思いやり予算から取りっぱぐれのない財源と建築需要を確保できます』

「けど、近隣住民は怖いだろうなぁ。沖縄とかじゃ、女の子が米兵さんに襲われたりもしてるみたいだし。なんだっけ? 地位協定のうんたらかんたらで、米兵は日本人をレイプしても良いって法律なんでしょ?」

『それは穿ちすぎておりますが、間違ってもおりません。ですからヤタ様の念願であるエロいエルフ、所謂エロフやサキュバスの簡易な村を設置し、更にはパワードスーツ着用の自警団を設置、最高レベルの監視体制とセキュリティ環境を整えます。中の人の人選が面倒であらば、アンドロイドを作成し、私が矢面に立つのも吝かではありません。鬼畜米英をバイブレーションソードの錆にしてくれます』

 エロフに絞られた後にサキュバスに催淫なんてされたら干からびそうだけど、うらやまけしからん。
 鬼畜云々の下りは笑わせようとして来やがったから、無視する。笑ったら負けのやつだからな。

「うーん、まぁ、よくわかんないけど、最終的にみんなの為になるならいいんじゃない?」

 申し訳ないが思考の放棄を選択させていただく。
 ぶっちゃけ道州制にして、革命運動して独立させてなんて何年も先の話だろうし、最悪中国が跳ね回ってたら、また企業ベコっていじめちゃえばいいんだから気にしないでおこう。

『既に私のデータベースではカラー区分が完了していますので、第一段階は既に実行可能です。政府も私が少しOHANASHI☆すれば納得してくれると思います』

「程々にねぇ。んで、次はこれを創ればいいんだなって、超伝導体の道路と磁気浮上の技術なんている? 飛行ユニットがあるから十分だとおもうけど」
『公共事業です。飛行バイク、飛行車と呼ばれている飛行ユニットに関しては、この世界の科学で実現できません。しかし、これらのモノは実現可能であるので、超伝導体道路による舗装及び建築需要、磁気浮上車による工業需要による経済効果を生み出します。自由度、性能全てにおいてヤタ様の飛行ユニットが上ですが、スーパーカー的な区分で住み分けが可能です』

 まぁ、創れと言うなら創りますけどね。しかしパラドックスもズル賢いと言うか何というか、完成品を創って欲しいと言うなら可愛らしいが、総じて生産ラインを創らせやがるからタチが悪い。

 政府に用意させた工業系の倉庫で生産ラインをシコシコ作っては、はい次、はい次と。2シコリどころの騒ぎじゃない。

 パラドックスは何がしたいんだか……。

 まぁ、動画のネタには困らないからいいんだけどね。

「てかパラドックスって長いな。パラ子にしていい?」
『う……全身ピンクのカメラの「それパー◯な!」』

 まぁ、拒否られてもパラ子で行くけどね。知識制限かけてるけど、パラドックスって呼んだら毎回全知全能の逆説とか矛盾とか色々巡るから面倒なんだよ。
 パラ子なら固有名詞でノイズがない。

 パラサイトイ◯とかパラノーマルアクティビテ◯とかパラベラムバレットとかが浮かぶけど、誤差の範囲内だ。
 なんてったって子がついてたら人名だからな!

『VRギアはやはり許可頂けませんか?』

「うーん、生産性が落ちるだろうし、人間の電脳化が進むキッカケにもなるから、あまり良くないなぁ。それならアバターでの活動を促して生産性を高める方がいいよ」
『では、テラフォーミングした惑星でのアバター活動において、RPGやFPSといった娯楽活動をさせてはいかがでしょうか?』

「やたらと拘るな。生産シュミレーションゲームとかならわかるけど、RPGとかFPSとか生産性ゼロじゃん」
『しかし娯楽は必要です。それにVR空間があらば、eスポーツを越える全世界を巻き込む新ジャンルにもなり得ます。ワールドカップ、オリンピック、そして仮想空間競技といった具合です。実損なしで殺し合いすら可能なのですから、熱狂間違いなしです』

「韓国の一人勝ちで終わりそうな気がするけどな」
『オンラインゲームのままであらばあるいは、しかしそれはeスポーツで頑張って頂けば良いのです。VR競技の国を代表するような選手は実体験、そしてゲームセンス、更には熟練度が必要となります。例えばサッカーのVRゲームがあるとしましょう。スペインで活躍するような日本代表選手がダイブしたとして、当然実体験による経験値は他を隔絶するでしょうが、それだけではヘビーユーザーには太刀打ちできません。何故ならゲームであるが故にスキル取得があり、ステータスアップがある。熟練度により海外一流選手以上のポテンシャルを身につけてしまうことすらVRでは可能であるからです』

「つまりはゲーマーの日本代表選手がヘビーユーザーになれば、最強って事でオケ?」
『理論上は、と申しておきましょう。一流選手に備わる勝負勘や嗅覚は他を圧倒するファクターになります。しかし、ここでもう一つ重要となるのがゲームセンスです。仮想空間のゲームシステムを熟知し、一流ゲーマーにしかわからない綻びなどを感じとり、それらをモノにする類い稀な才能です。例えばゴール前斜め45度、壁は二枚の状況下でファーサイドはどフリー、プレイヤースキルやタイミングを鑑みてもサイドネットに叩き込めば88%はゴールが確定している。誰もがそのチャンスを逃すまいと足を振り抜きます。しかし、ゲームセンスマックスさんは、抑えの効いたグラウンダーで、ディフェンダーの膝を狙い、まさかのオウンゴールを演出します。実はディフェンダーのボールタッチのスキルが低かった為に、マックスさんのシュートスキルのレベルと比較すると、オウンゴールによりゴールネットを揺らす確率は94%まで跳ね上がっていた! マックスさんはそれを感じ取った!! です」

 なんかパラ子さんめちゃくちゃ熱くなっていらっしゃる。
 ようするにセレクトボタン押しまくって【きずぐすり】使ったらコイキン◯が151匹目になるってことでしょ?
 ちょっと違うか。パラ子さんがまた興奮しそうだから言わないけど。

 こいつテンション上がったら久々に友達と会って天元突破したピザニキみたいに喋りまくるからな。

「はぁ……じゃあいいよ。お前がゲームし過ぎてるヤツとかにちゃんと説教するって約束するなら、創ってやらんでもない」
『はい! 必ず説教してやります! やっぱりVRこそ至高ですよ! リアルなんて糞ゲーです!」

「あんまり変な言葉使わないようにな」

 俺はこの時、なんでパラ子がここまでVRに拘るか全然わかっていなかった。
 だから、子供にオモチャを買い与えるような、そんな軽い気分で仮想空間フルダイブ型ギアの生産ラインを創造してあげた。

 別にシリアスな結末とかじゃないんだけど、その結果を受けて、なんだかなぁって思ってしまったのは余談だ。
 まぁ、想像できると思いますけどね、こいつがキャンキャン騒ぐのは、全てその為だったんだから。


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