俺、元日本人のガチ神だけどY◯uTuberになるね!

慈桜

第33話

 

「はいネモでーすっ! 今日はですね、出すぎちゃうパチンコ屋さんがあるという事で、お店側の全面協力の元、どのような状態なのか調査して行きたいと思いますっ!」
 ━━
 マッチポンプw これはひどいwwt
 パチンコ屋潰す気か   草  ネモがコスプ
 常連の俺がきましたよっ おいw
 ヤマリンちゃんのクオリティ無駄に高
 何故女キャラにした さすがw かわいい
 ━━

 今日は変わり種で生放送をやっている。って言うか、パチンコ雑誌のネット配信取材が来るとの情報を手に入れて、俺も出させろと言ったら、何故か俺が主役になった。
 だから縦縞膝丈ハーフパンツのオーバーオールに羊の角が生えたピンクの帽子が特徴的である、山物語のヤマリンちゃんのコスで満を持して登場してやった。
 女の子コスだが、メンズ風に改造しているので安心してほしい。

「ネモさん、この店は最近、予想だにしていない爆連荘が頻繁に起こっているらしいのですが、神様の力で原因がわかったりしませんか?」

「いいでしょう。もし原因が神によるものであるのならば、必ず突き止めてみせましょう! しかし、そうでなければ我々もおこぼれに預かりましょう」
 ━━
 どうせわざと負けんだろ  なにうつの
 一瞬で160億稼いだ奴がパチンコw
 まさかの羽根モノ こりゃズルイ
 おいw 出禁出禁! クソワロタ
 そりゃあんた絶対勝てるよ
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「一通り見た感じ、神の干渉を受けているようなことは感じられませんでしたね。例えば神であらば、このような勝ち方をすると思うんです」

 俺もネットで色々調べたからな。
 羽根モノってやつなら、チャッカーに入れた途端に、閉じてたウイングが開いて、その中でなんかの漫画の沼的なノリで第1第2と乗り越えて最終ポケットまで辿り着けば大当たり的なやつだから、玉を念動で待機させておけば永久に当たりを引ける。

「むふー」

「あ、すんません」

「他の客なら死なない程度にボッコボコにしますが、勝てそうにないので出禁でお願いします」

 当然店員のゴリライモさんがブチギレ登場で出禁になっちゃいましたけど、これでカムフラージュおけい。
 カモフラ? カムフラ? どっちでもいいや。
 カナ表記でカモフラージュ、英語発音でカムフラージュね。

 出しまっせチップはある程度配れたけど、普及率としてはパチンコ屋さんを潰せるまでには全然届いてないんだよね。
 とりあえず名古屋から愛知県全域、果ては全国と出しまっせパチンカーが貪欲に餌を貪り食う魚の群れのように全国に拡散していけばいい。

 普通に1日50万だせば、365日で年収1億8千万ぐらいって考えれば、全国遠征余裕だろ。
 全部で出禁になったって、全国1万店舗
 巡れば27年もあるんだから、なんの問題もない。
 それまでにパチンコが撤廃なんてことになれば、それはそれで俺が新しい娯楽を提供する。
 むしろそれからが本番だ。

 でも道のりは厳しそうだからボチボチにする。
 パチンコ全店舗での年間売上が25兆、これを1億8千万を一人当たりの攻撃力と換算しても、13万から14万人ぐらいの出しまっせパチンカーが必要になる。経費換金差っ引いて純利云々言い出したら全然少なくていいだろうけど、売り上げイコール貯金もそんぐらいだろ。

 カラスちゃんをネモと勘違いしていた若者の紹介で、彼の家族、友人、その家族、その家族の友人と芋づる式に施術をしたが、それでも150人ぐらいである。
 彼らは大層喜んで学校に少なくない寄付金を持ってきてくれるが、それは余談、この調子で暇な時に出しまっせ施術をしても、14万人に辿り着くのは長い時間が必要になる。

 それだけに集中するなら一瞬だが、一々一人一人施すのがダルい。
 呼び出して待って集まったらドン、次にまた呼び出しての繰り返しが精神に来る。そこまで急いで潰してしまう気もないし、徐々に真綿で締め殺せばいいだろう。

 てか出しまっせ施術がダルいんなら、別の奴にやらせればいいんだよな。
 噛まれたらラッキー的な動物でもいいし、獅子舞か! って小型犬くらいのライオンとかでもいいよな。
 小型犬だと、まだ怖いからネズミぐらいの大きさでいいか。
 真っ白で鬣が青いネズミぐらいのライオンとかなら、レア感があっていいよな。

「はぁいどもっ! ネモですっ!」

 てなわけで、撮影開始でござるよ。

「実はね、知ってる人は知ってると思うんですけど、先日ニマニマ生放送のパチスロ番組、パチビッチの撮影に参加してきたんですけども、どうやらね、最近異常なまでにパチンコに勝つ人達がいるから、何が原因か調べて欲しいと言われたんです。まさに神頼みって奴ですね。ドヤ」

 ここには、先日写真を撮らせてもらったバベルの塔のような箱積みの写真を複数乗せれば信憑性もでるだろう。

「それでね、原因は全然わからなかったんだけども、お店側が言うにはハーネス、えと配線ね、これをいじったら不正ができたりするらしいんだけど、そのハーネスも機械にも変化はないし、お客様にも失礼ながらにも協力して貰って全身隈なく探っても何も出てこなくて困り果ててるとのことでしたので、ざまぁ、じゃなくて俺なりに色々探ってみたんですが、原因はわからず。でもね、そこで引き退るネモさんじゃないよ! って事で、周辺で聞き取り調査を行った所、少し気になる情報があったのです。こちらをご覧ください」

 ここで一回おーち帰る。
 今回はそんな生き物がいると噂を流す動画にするのだ。
 俺が捕まえて見せてしまうと、それが事実になってしまうから、あくまでも噂として、煽りのクオリティが高い、所謂アオリティが高い都市伝説動画探求動画にするのだ。

「アーラーレちゃんっ!」

「うわ、びっくりした。なんで逆さまなの?!」

 眼鏡娘がポカンとしているが、そんなのは無視で台本を書いて渡す。
 明らかにアラレちゃんなのに、目線を隠してパチンカーのフリをする実に舐めきったクオリティでいく。
 アラレちゃんもメイクしてヅラ装着で即変身完了。パチンカー設定なのにレイヤーってアンバランスさがいい。

「私見たんです。白くて鬣が青くて手に乗るぐらいのライオンなんですけど……本当に見たんです」

「もう少し詳しくお伺いしても?」

「はい。その日は休日で、家のクーラーの調子も悪いので、恥ずかしながらに近所のパチンコ屋さんに涼みに行こうかと出掛けたんです」

 プライバシーの為に目線を入れるけど、雑に外しまくる予定。
 アラレちゃんってば、結構人気あるからね。ファンサービスです。
 歩きながらに当時の再現VTR的なのを撮影するけど、新小岩ってあちこちに書いてあるのは隠さない。

「少し喉が乾いて、自販機でお水を買おうとしたら、チクっと動物に噛まれたような痛みが走って、慌てて足元を見ると、そこには小さなライオンがいたんです。痛みを感じた所を見ても怪我は無く、勘違いだったのかな? 暑さでおかしくなってしまったのかな? と、気にせずにパチンコ屋さんに行ったんですけど……」

「どうしたんですか?」

「本当に目線隠しておいてくださいね、これから話すことは誰にもバレたくないんで」

「ええ、もちろんです」

「何故か、わかるようになってしまったんです。どの台がどれぐらい出るのかとか」

 これはおもいっきり嘘の部分だ。
 出しまっせ施術をすると、正しくは確率操作、思い通りに乱数をいじり、思い描いた結果に導くのだが、そこまで動画で教えるつもりはない。
 あくまでもラッキーになる程度の認識にしておくのだ。

「たまたまだと思ったんですが、最近の噂とかを聞くと、原因はあの小さなライオンとしか思えないんです」

「これは貴重なお話が聞けました。恐らくは俺とは違う神が、なんらかの悪戯で新たな生物を創り出したのではないでしょうか? 謎は深まるばかりですが、信じるか信じないかはあなた次第です」

 本編はここまで、ここにチャンネル登録お願いします動画を挟んで、後はおまけカットだね。

「はいカットー!」

「ふいー。今日も暑いねぇ」

「暑いからこそ俵ハンバーグ食べにいく?」

「いいねぇー! ドリンクバーすっからかんにしてやろおっ」

 ちゃんちゃん。おまけには目線入れませんよ。おもいっきりヤラセ感を演出する為にね。
 後はチビライオン君を大量リリースするだけの簡単なお仕事です。

 主食はアルミ缶スチール缶のゴミに設定しておいたから、アラレちゃんの証言通りに、自販機の周りで目撃情報が多発するだろうと思う。
 恐らくパチンコ業者が命を賭けて駆除しようとするはずだから、俊敏さはマックスで、物質透過、所謂すり抜けのスキルも付与しておこう。

 噛み付いたら歯が体内に溶けて、魔素構築で出しまっせチップを創り出す仕組みにしてるから、歯は直ぐに生え変わるようにしとかなきゃだな。
 人に噛み付くのは歯磨き感覚と。

 様子見がてら東京愛知大阪で5000匹ずつでいいだろう。
 多く感じるかもしれないが、警戒心が強いから、そんなに遭遇できないと思う。
 繁殖方法は……どうしよう。助けてアラレもん!

「普通にネズミと一緒じゃダメなの?」

「能力が高いから、増えすぎても駆除できないから大変な事になると思う。ホームレスとかの資金源とかも無くなっちゃうかも?」

「そっかぁ。じゃあ発情の条件とかを設定するのはどう? 例えば人が手ずから黄金を与えたら発情するとか、不法投棄されてるテレビとか冷蔵庫を食べたら発情するとか。所謂家電ゴミとか電子廃棄物とか」

「黄金はアレだけど、不法投棄の案いいね。それなら適度に繁殖できそう。都内なら足立区とかが繁殖場になりそうだし、足立区とかならパチンコする人とか多そうだし一石二鳥だね」

「多分それは偏見だけどね」

 よし、大方の方向性は決まった。
 排泄物は全て鉄……いやアルミになるようにしておこうか。
 体が小さいから錠剤程度のモノだろうとは思うが、糞尿を撒き散らすよりはマシだろう。
 主食がアルミ、スチールで、プラスチックやガラス、ゴムなんかも食べるのに、うんこは全部アルミとかふざけてるけど気にしない。
 金とかプラチナにしても良かったけど、質量変換だから大繁殖させてゴミを食わせまくったら市場価値が暴落しそうだから鉄にしとく。

 金はゴブリンポイントを増やすぐらいでいいのよ。

 後は単純、野に放てーい! である。

「うわー、こうやって見ると可愛いけど怖いね」

「手乗りライオンだけど、どう見ても新種のネズミです。本当にありがとうございました」

「でもパチンコ屋さんが無くなっちゃったら、この子達も害獣になっちゃうかもね」

「不法投棄とかを食べてくれるぐらいじゃ弱いかな? それに人懐こいからペットとして流行るかも……うんこもアルミだし」

「そうだね。でもペットはどうかな?噛むんだし」

 確かにアラレちゃんの言う通りに、パチンコが無くなってしまえば、ただの害獣になってしまうな。
 うんこはスルーされたけど、ペットとしてもゴミを食べるし歯磨き感覚で噛んでくるしってなると忌避感が募りそうだ。
 これは失敗作だったかもしれん、結果を急ぎ過ぎたか……。

 しかしアラレちゃんはニヤニヤとしながらに、眼鏡を怪しく光らせている。

「ヤタさんは本当面白いねぇ」

「え? なにが? 絶賛やらかしたモードで落ち込んでるんですけど?」

「ううん、その力を使う時さ、俺は楽しんでるだけだ! とか、動画のネタの為にぃ! とか言ってるけど、結果は人の為になる事をしようとしてるなって。害獣かどうかは人の判断でしかないでしょ? 奈良じゃ鹿は立派な観光資源で神様の使いだ! なんて言われてるけど北海道じゃ木を駄目にする害獣だからって駆除されてるし、動物からしたら人間が環境を壊す害獣でしかないのに、人間からするなら動物はメリットデメリットで害獣にも益獣にもなる。処理に困るゴミを食べてくれるなんて十分に益獣、更にはアルミに変えてくれるなんてスゴイことなのに、私が害獣だねって言ったら落ち込んじゃったから、面白いなって」

「な、なんやしー! いじるなしー!」

 俺だって廃棄物の処理ができるなら、かなり価値があるって思ってたよ?
 だけどアラレちゃんが害獣になっちゃうねって言うから、他のウサギや猫に比べたら弱かったかなって思ってしまっただけだ。

 ほら、ガーナとかすごいじゃん。
 昨日アラレちゃんとテレビを見てたらやってたんだけどさ、世界中から電子機器のゴミが集められてて、東京ドーム30個分ぐらいの湿地帯がコンピュータの墓場になってるらしいんだよ。
 どうやら違法廃棄らしいけど、国が世界中からゴミを買い集めるから増える一方で、地元の貧民達がコードから銅を取り出す為に燃やしたりして有毒ガスを撒き散らすせいで、その環境汚染はチェルノブイリよりエグいとか言われてるとかなんとか。

 多分アラレちゃんも、昨日それを見たから家電ゴミや電子廃棄物って言ったんだろうけど、大人な俺は敢えてスルーします。

「心配ないよっ。きっと誰もがヤタさんの奇跡に感謝するよ」

「でも追加設定でホームレスに懐く設定もいれとく 」

「ホームレスをすごく気にするんだね」

「こんな言い方だと上からに聞こえちゃうかもだけど、神目線だとホームレスって凄く優れた人種だよ? それこそ山で猟をするマタギとかと同じぐらいには好ましい」

 アラレちゃんは眉尻を垂らしながらに困ったようなら顔のままに首を傾げているが、まずホームレスの存在とは街が豊かな証でもある。
 どれだけ繁華街でも、死んだ街にはホームレスはいない。

「いいかい、アラレちゃん。彼らはコンクリートジャングルに住まう狩人だ」
   
 よく創作でヤクザがホームレスに生活保護を受給させて横取りしたり、仕事を紹介すると言って除染作業のタコ部屋に送り込んだりなんてしているが、その対象となっているホームレスは本物・・ではない。
 そんな甘言に乗るホームレスは二級三級のどさんぴんである。

 本物のホームレスは、既に生き方を確立している街に住まう魔物だ。
 彼らは無駄を徹底に省き、人の無駄を利用する器を持っている。

 現代の人間は、金に溺れてしまったが故に動物を殺しすぎているのは周知の事実だが、それは生きる為に食べる為にとの御託を並べるのは構わないが、既に殺す為に育てているとも言える程に無駄に殺し続けている。

 肉を喰らう者は、一度でいいから狩りを経験して頂きたい。
 自らの手で命を奪えば、その命に感謝し、肉の一片残さずに喰らおうと考えるはずである。
 魚を釣るとでは違う、を持つ獣を狩る事で、その現実味は一気に増す。

 売れ残ったから捨てる。

 命を頂戴した以上、そんな考えは本来有り得てはならないのだ。
 しかし、その大衆9割9分の愚かさを逆手に取るのが、ホームレスと呼ばれる街の狩人達だ。
 その道を極めた者達ならば、平気で蟹鍋や鶏鍋を喰らい、テレビを観ながらに酒を嗜む者ですらいる程だ。

 飲食店などのゴミを漁り、食料を調達する新人達とは格が違う。
 時には暴行を受けたりもする危険な任務であるが、長年続けていれば漁る必要もなく、捨てる食材を分け与えてもらえるようになる。
 数時間前まで、切り分けて竹串に刺して焼いただけで、1本180円で売っていた肉を無料で分け与えてしまうのだから不思議なものである。
 ホームレス達は、その自慰行為にも似た醜い愉悦に浸る偽善者達に、苦笑い半ばに心底感謝をしながら会釈をしてから巣に帰る。それだけで高級地鶏を無料でゲットだ。

 ソロプレイヤーであれば、ここでコソコソと食するが、ネットワークを構築している者達であらば、食材や酒を持ち寄り、細やかな宴会などが開かれる。
 金持ちならば5千円は支払う内容を彼らは無料で食している。
 飽食の時代の無駄をキッチリと糧にしているのだ。

「つまり何が言いたいかと言うと」

「あー! もうわかったよぉ!今からハンバーグ食べるんだからやめてよぉ!」

 すまん、アラレちゃんがブチギレちゃったから、今回はこの辺にしておく。
 また機会があればホームレスの人間らしさについて語ろう。

 ただ、これだけは間違えないで欲しいが、別にホームレスになれと言っているわけではない。
 彼らの心の在り方は、世捨て人と言われようとも、人間が捨ててはならない大切な部分が多少なりとも有ると言うだけの話である。

























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